
東京:宮澤ひなたは、女子ワールドカップ(W杯)までクラブでも日本代表でもゴールを量産したことはなかったが、今大会の得点ランキングで首位に立ち、驚きのタイトル獲得に向けて日本女子代表(なでしこジャパン)を導いている。
23歳の宮澤はすでに4試合で5ゴールを決めており、金曜日にニュージーランド·オークランドで準々決勝のスウェーデン戦に臨む。
「正直、自分自身もここまで得点がとれるとは思っていなかった」と宮澤は、16強ノルウェー戦で81分に冷静かつ的確なゴールを決めた後、記者団に語った。
日本女子サッカーのプロリーグでプレーする宮澤がW杯で見せてきた典型的なプレーであった。冷静で、計算高く、決定的だった。
また、両足を使って得点しているのも注目に値し、ネットにボールを叩き込もうとするのではなく、狙いどおりの正確なシュートを決めている。
大会前、日本国内でも2011年のW杯優勝を再現できるという期待は低かった。
宮澤は日本代表として20試合以上に出場し、4得点しか挙げていなかった。
しかし、日本はW杯で最高レベルのサッカーをしており、宮澤は今大会通算5得点を挙げ、2011年のタイトル獲得時に澤穂希がマークしたゴール数に並んだ。
マイナビ仙台レディースに所属する宮澤は、過去2シーズンで39試合に出場し、わずか4得点しか決めていなかったため、今大会のゴールラッシュは全くの予想外だった。
宮澤のポジションはミッドフィルダーであることが多いが、日本の英字紙「ジャパンタイムズ」のスポーツライターであるダン·オロウィッツ氏によると、日本代表の池田太監督は、「3-4-3」のシステムを採用することで、日本代表がカウンター時に高い攻撃力を発揮し、宮澤がゴールを決められるようにしたという。
宮澤は主に、深い位置でボールを受け、俊足で駆け上がりゴールを決めている。
「チームが宮澤のゴールをお膳立てできるのは、バック陣がうまく組織されているからだ」とオロウィッツ氏はAFPに語った。
「宮澤の能力に合ったシステムであり、宮澤の能力もシステムに合っている」と付け加えた。
日本がグループステージでスペインを4-0で圧倒したことで、W杯の他の国々の注目が集まった。
宮澤は両足で2得点を挙げた。
「宮澤はスピードがあり、得点を確実に決めることができ、カウンターにも長けている」と日本のサッカー解説者セルジオ越後氏はAFPに語った。
「また、とても冷静で、ゴールを決める前でも慌てない」と付け加えた。
神奈川県出身の宮澤は、幼稚園の時にサッカーに夢中になり、学生時代には2011年女子W杯での日本代表の優勝に刺激を受けた。
ピンク色の花「撫子」にちなんで「なでしこジャパン」と呼ばれる日本代表の優勝は、その年の初めに東日本大震災·原発事故で沈んでいた日本を勇気づけた。
宮澤は2018年に日テレ·東京ヴェルディベレーザに加入した。同年、 U-20W杯の優勝に貢献し、シニアチームにも選出された。
越後氏は、日本チームには目立ったスター選手がいないが、トレードマークのヘアバンドをつけた宮澤には、そうなる可能性があると話す。
このヘアバンドは、2011年のW杯優勝チームのヒーロー、川澄奈穂美に敬意を表したものだと読売新聞は伝えている。
「今回のW杯からヒーローが現れることを期待している」と越後氏は語った。
AFP