• 米国政府はこの事件を「テロ攻撃」と呼んでいる
• 修正された罪状に関する警察からの即時確認はなし

エルサレム：イスラエル警察は金曜、米国が「テロ攻撃」と呼ぶパレスチナ人殺害事件に関し、ユダヤ人入植者への殺人容疑を格下げした。

警察が提出した新たな勾留請求の控えをハアレツが入手、ロイターと共有した。それによると、イェヒエル・インドール容疑者は8月4日に19歳のクサイ・マータンを射殺し、「故意または悪意ある殺人」罪に問われている。

しかし、前回までの再拘留請求とは異なり、同容疑者は「人種差別的動機」による殺人罪に問われていなかった。イスラエル法の補則によれば、人種差別的動機によって有罪となった場合、裁判所はより厳しい刑罰を科す裁量権をもつ。

米国政府は伝統的にイスラエルと親密な関係を結んできたが、その関係に緊張が走りつつある。米国政府はこの事件を「イスラエルの過激派入植者によるテロ攻撃」と呼んでいる。

極右派のイタマル・ベングビール国家安全保障相が率いる警察からは、修正された罪状に関する即時確認は得られなかった。

警察は、先週金曜にブルカ村付近で起きた事件に関して2名の入植者を拘束しており、「正式起訴はしていないが、捜査が進行中だ」と述べた。

パレスチナ人によると、容疑者たちは150〜200名ほどの入植者グループの一員であり、投石し、車に火を放った。そして村人たちと争いになり、マータンを射殺し、他数名を負傷させたという。

弁護団は、投げつけられた石で頭部を負傷したと主張し、入院中となっているインドール容疑者も含め、「入植者たちの行動は正当防衛だった」と述べている。

木曜には、入植者襲撃事件で拘束されていたパレスチナ人の父親と3名の息子を保釈するよう、軍事裁判所が命じている。

1967年の戦争で、イスラエルはパレスチナ人が独立国家の中核に望んでいたヨルダン川西岸地区を占領した。大多数の国がこれを違法とみなす中、入植地を拡大し続け、入植者による暴力行為も増加している。

このような入植地の拡大は、米国とイスラエルの関係にも緊張をもたらしている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相のナショナリズム・宗教連合が司法制度の見直しを起草し、これが全国的な抗議運動を引き起こしたことも一因となっている。

国連は2023年上半期、パレスチナ人の死傷者、物的損傷、またはその両方が発生した入植者関連の事件を591件記録した。これは2006年以来、最悪の1日平均数である。

ネタニヤフ連立政権の閣僚は、「イスラエルの各都市は、ヨルダン川西岸地区と宗教的・歴史的に結びついており、併合を望んでいる」と発言している。

在イスラエル米国大使館は、金曜の動きに関する即時コメントを発表していない。

ロイター