バグダッド:イラクは、320人以上が死亡し、過激派組織ダーイシュが犯行声明を出した2016年のバグダッド爆弾テロ事件で有罪判決を受けた3人を絞首刑にした。イラク首相府が28日に発表した。
この爆弾テロ事件は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以来、世界で最も死者が出たテロ事件のひとつである。
2016年7月3日未明、イスラム教のラマダン(断食月)の終了を祝う大祭イード・アル・フィトルを前に多くの人で賑わうバグダッドのカッラーダにある商店街で猛火を引き起こした自動車爆弾テロ事件で、少なくとも323人が死亡した。
ムハンマド・シア・アル・スダニ首相は、犠牲者の家族と面会し、「爆弾テロ事件への関与で有罪となった3人の主要犯罪者に対して死刑判決という正当な処罰が下された」と伝えたと、首相府が声明で明らかにした
この事件は、イラクを襲った史上最悪のテロ事件のひとつであった。
警察のタリブ・ハリル・ラヒ少将は当時、爆弾犯のミニバスにはプラスチック爆弾と硝酸アンモニウムが積まれていたと述べた。
最初の爆発による死者は限られていたが、炎が燃え広がり、非常口のないショッピングセンター内に人々が閉じ込められたとラヒ少将は事件から数日後の記者会見で語った。
猛烈な火災は、死者の身元特定を困難にした。
当時のモハメド・ガッバン内相は事件を受けて辞任した。
ダーイシュは2014年にバグダッドの北と西の広大な地域を制圧したが、カッラーダで爆弾テロ事件が起きた時点では、イラク軍はダーイシュからかなりの領土を取り戻し、それに対する報復としてダーイシュは民間人を攻撃した。
イラク政府は、米国主導の軍事連合に支援された軍事作戦の後、2017年後半にダーイシュに対する勝利を宣言した。
2021年10月、イラクは、カッラーダ爆弾テロ事件の主犯とされる人物の国外での逮捕を発表した。当時のムスタファ・アル・カディミ首相は、ガズワン・アルザウバイー氏が同テロ事件および「その他の多くの犯行」の「主犯」であったと述べた。
首相府からの声明は、処刑された者たちの名前も判決を受けた時期も明らかにしていない。声明によると、処刑は27日の夜と28日の朝に行われたという。
国連は3月の報告書で、ダーイシュはイラクと隣国シリア全土にいまだ「5000人から7000人のメンバーと支持者」を抱えており、その「約半数が戦闘員である」と推定している。
ダーイシュのメンバーは両国の治安部隊と民間人を標的にし続けているが、国連の報告書によれば、ダーイシュは国境の両側における「持続的な対テロ作戦」によってかなり勢力を失っているという。
AFP