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スーダン難民は避難先のチャドで医療を待ち続ける

スーダン軍とその旧盟友である準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との間の4ヵ月にわたる血なまぐさい権力闘争の後、約43万人が国境を越えてチャドに逃れてきた。(AFP)
スーダン軍とその旧盟友である準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との間の4ヵ月にわたる血なまぐさい権力闘争の後、約43万人が国境を越えてチャドに逃れてきた。(AFP)
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01 Sep 2023 08:09:12 GMT9
01 Sep 2023 08:09:12 GMT9
  • さらに20万人のスーダン難民がチャドに逃れる可能性

チャド、アドレ:スーダンの紛争から逃れてチャドに渡った何十万人もの人々は、過密なキャンプで、防水シートが張られた蒸し暑い小屋の中で、決して来ない医療を待ち続けている。

髭を蓄えた老人、アダム・バクト氏もその一人だ。彼は、「糖尿病、喘息、アレルギー」を患っているという。

しかし、彼は「痛みを和らげる注射」しか受けていないと、スーダンのダルフール地域と隣接するアドレのキャンプでAFPに語った。ダルフールは今、恐ろしい暴力に見舞われている。

真っ白なジェラバに身を包んだバクト氏は、この町で生き延びようとする20万人の難民と同様、医療を切望している。

彼らを収容するキャンプでは、医療従事者、衛生設備、医薬品などあらゆるものが不足しており、その場しのぎの診療所が点在している。

それでも、毎日何百人もの難民が、軍隊、準軍事組織、部族の戦闘員たちとの衝突から逃れるために、徒歩で続々と到着している。

国境なき医師団(MSF)によれば、アドレに新たに到着した人々は、銃撃戦からは逃れても、食糧と水の不足に悩むキャンプが豪雨に打たれることを含め、まだ自分たちが危険にさらされていることをすぐに知ることになる。

「マラリアの患者はチャドの雨季の到来とともに急増しており、コレラなどの水系感染症のリスクも高まっている」と、MSFは警告している。

「現在、多くの病気が蔓延している」と、27歳のムザミル・サイード氏は言う。彼自身がチャドに避難した難民であり、今はボランティアとして診療所の運営を手伝っている。

彼らは毎日、「最大300人の患者」を受け入れており、患者たちは砂の上に直接置かれたベッドに横たわっている。この小さなチームには、「病院」の設備を充実させるだけのスペースも物資もない。木の枝と防水シートでできた簡素な設備で、スタッフは鉄の流し台でできる限りの消毒を行っている。

簡易的な作業ステーションで、彼らは国際的な寄付から残されたわずかな薬の箱を配分している。

「薬は非常に高価であり、提供するのはとても大きな課題だ。助けが必要だ」とサイード氏はAFPに語った。

バクト氏は、戦争で荒廃した西ダルフール州の州都エル・ジェニーナから逃れて以来、約束された薬をまだ待っている。

「糖尿病の薬は3日後に届くことになっているが、喘息に関しては、キャンプの外で吸入器を買うように言われた」と彼はAFPに語った。

しかし、国連によれば、チャドは世界で3番目に開発が遅れている国であり、特にアドレのような遠隔地域の医療制度はすでに崩壊している。

同国は世界で最も妊産婦死亡率の高い国のひとつであり、子どもの5人に1人が5歳未満で死亡している。

国連によると、子どもの死亡率はキャンプ内ですでに急上昇しており、5歳未満の子ども数十人が栄養失調で死亡しているという。

戦争が始まって以来、スーダン国内では少なくとも500人以上の子どもたちが飢えで亡くなっており、世界食糧計画(WFP)は2000万人以上が深刻な飢餓に直面していると警告している。

「私たちの患者の大半は、マラリア、目の感染症、呼吸器疾患、栄養失調などの病気だ」と、ボランティアの医師ヌール・アル・シャムは、アドレの「ノース」キャンプからAFPに語った。

深刻な貧困と戦禍に苛まれたダルフールから到着した人々は、脆弱な医療制度の影響に長い間苦しんできた。

スーダンでは、4月に紛争が始まる以前からでさえ、毎年7万8000人の5歳未満の子どもたちが「マラリアなどの予防可能な原因で」死亡している、と国連は述べている。

MSFの報告によると、いくつかのキャンプでは水が不足しているため、清潔な水がない場合、病気のリスクは急上昇する。
清潔な水がないため、疾病のリスクが急増している。一部のキャンプでは水を求めて、人々が「午前2時から列を作り始める」と、MSFが報告している。

援助団体は、すでに安全保障上の問題や官僚的なハードルを乗り越えているが、国際ドナーは約束した資金のわずか4分の1しか供給していないと述べている。現在、紛争が始まってから4ヵ月以上が経過している。

すでに困窮が極限に達していたチャドでは、状況は悪化の一途をたどっている。

スーダンの紛争以前から、チャドは南西部のカメルーンと南部の中央アフリカ共和国から数万人の難民を受け入れていた。

それに加えて、2003年に始まったダルフール紛争の残虐行為から逃れてきた41万人のスーダン難民が存在する。

国連難民機関によれば、スーダンの新たな紛争によって38万2000人以上の難民がチャドに押し寄せ、そのうち20万人以上がアドレに逃れている。

国連の予測では、暴力が収まる兆しのないスーダンから、さらに20万人が国境を越える可能性があるという。

AFP

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