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二国家解決を望むサウジアラビアの主張は一貫している

2023年12月14日、イスラエル南部の国境地帯からガザ地区を砲撃するイスラエル軍の戦車。(AFP)
2023年12月14日、イスラエル南部の国境地帯からガザ地区を砲撃するイスラエル軍の戦車。(AFP)
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27 Jan 2024 05:01:31 GMT9

2023年9月22日、国連総会の演壇に誇らしげに立ったイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、2020年にイスラエルがUAE、バーレーン、モロッコ、スーダンと調印したアブラハム合意が「平和の新時代の幕開けを告げた」と、世界――彼の平和構築能力や洞察力に疑問を持つ識者たちも含む――に向けて宣言した。そして、彼は高らかにこう唱えた。「しかし、私はさらに劇的なブレークスルー、つまり、イスラエルとサウジアラビアとの歴史的な和平が間近に迫っていると信じている」

ここ数週間、サウジアラビア、カタール、UAEはイスラエルとバイデン政権に対し、彼らはエジプトとヨルダンの支援を得ながらガザ復興のための大規模な援助を提供する用意があるが、その条件はイスラエル政府がパレスチナ国家樹立に向けて行動することだと伝えている。先週スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会において、サウジアラビア外相ファイサル・ビン・ファルハーン王子は、「イスラエルの平和と安全は、パレスチナ人の平和と安全と密接に結びついている。私たちはそのことを完全に理解している」と述べた。

そして、21日に放送されたCNNのファリード・ザカリア氏とのインタビューの中で、ファイサル王子は、イスラエルと並び立つパレスチナ国家を創設することが「私たちが求める利益を得る唯一の方法だ。私たちには安定が必要であり、その安定はパレスチナ問題の解決を通じてのみ達成される」と強調した。

ネタニヤフの反応は混乱を引き起こしており、この重要な外交イニシアチブを崩壊させる可能性がある。

ラビ・マーク・シュナイアー

しかし、こうしたサウジアラビアの宣言に対するネタニヤフ氏の反応は混乱を引き起こしており、この重要な局面で非常に必要とされている、この重要な外交イニシアチブを崩壊させる可能性がある。サウジアラビアが掲げるイニシアティブの詳細は新しいものもあるかもしれないが、根本的な前提は変わっていないのは明らかだ。サウジアラビア当局は、パレスチナ国家の創設を前提としたイスラエルとの国交正常化について、10年以上一貫した主張を持ち続けている。

私が2020年にリヤドで国防相ハーリド・ビン・サルマン王子、およびファイサル王子と個人的に会談した際、両者とも王国の立場を明確に述べた。彼らは、将来のパレスチナ国家、およびイスラエルが平和で安全に共存する中東の出現を求めていると語った。実際、2002年のアラブ和平イニシアティブ以来、サウジアラビアはこの提案を継続して呼びかけている。

では、なぜネタニヤフ首相は、二国家解決と引き換えにガザ復興を主導するという彼らの申し出に驚いているのだろうか。なぜイスラエル首相は今、パレスチナ国家に関するサウジアラビアの立場がまるでニュース速報であるかのように反応しているのか。国連の舞台から世界に向けて、究極の勲章――イスラエルとサウジアラビアの国交正常化――が目前に迫っていると宣言した彼は、その条件がパレスチナ国家の創設であることを理解していなかったのだろうか。

国交正常化への道筋を示す王国の立場は、現在のガザ危機の最中であっても変わっていない。

ラビ・マーク・シュナイアー

サウジアラビア外相が繰り返し述べ、バイデン政権が再確認した王国の立場に、驚きの要素があるとは誰にも主張できないだろう。

王国は繰り返し、パレスチナ国家樹立と引き換えにイスラエルとの国交正常化を望んでおり、それを願っていると表明してきた。国交正常化への道筋を示す王国の立場は、現在のガザ危機の最中であっても変わっていない。

イスラエル首相よ。私たちは、この歴史的な機会を受け入れるべきだ。

私たちは、平和、繁栄、共存へと至る中東の変革を願うサウジアラビアが掲げるその枠組みの一貫性と真実性を認めなければならない。

・ユダヤ教の指導者、ラビであるマーク・シュナイアー氏は「民族理解のための財団」の会長を務めており、多くの湾岸諸国の著名なアドバイザーである。

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