本日2月23日の日本国天皇陛下の64歳の御誕生日に際し、心より御祝い申し上げます。22日のサウジアラビア建国記念日に続き、両国の慶事を迎えられることを喜ばしく思います。また、日本とサウジアラビアの友好関係の発展について述べる機会をご提供いただいたアラブ・ニュースに厚く御礼申し上げます。
サウジアラビアの改革は進展し続けており、最近では首都リヤドが2030年の万博開催地に決定し、2034年のFIFAワールドカップの唯一の開催地として立候補した他、国際会議や国際展示会等も頻繁に開かれています。2027年には世界水フォーラムがリヤドで開催予定となる等、国際社会におけるサウジアラビアの存在感はより一層増していると感じています。そのような中、昨年は日本とサウジアラビアの両国関係が非常に発展した年でもありました。本日この善き日を迎えるにあたって、両国関係の発展について3つのことをお話いたしたいと思います。
二国間関係のモメンタムの高まり
1つめは、両国間の要人往来の活発化です。昨年7月の岸田総理のジッダ訪問に続き、9月には林外務大臣(当時)、12月には齋藤経済産業大臣及び深澤外務大臣政務官が相次いでサウジアラビアを訪問しました。これらの訪問を通して第1回日・サウジアラビア外相級戦略対話の実施、日・GCC間のFTA交渉の再開合意、「日・サウジ・ビジョン2030」第7回閣僚級会合の開催、観光分野及び鉱物資源分野における協力覚書の署名等、著しい成果がありました。また、サウジアラビア政府からは、ハーリド国防大臣、スワーハ情報大臣、ホレイフ産業・鉱物資源大臣、ルメイヤーン公共投資基金(PIF)総裁等の閣僚級要人が日本を訪問し、多岐にわたる分野において二国間の連携や協力が促進されました。
多様化する日・サウジ関係
2つめは、経済面において日本企業による対サウジ投資への関心が高まっていることです。昨年、岸田総理及び齋藤経済産業大臣がそれぞれサウジラビアを訪問した際に、スタートアップから大企業まで多種多様な日本企業・団体からなる経済ミッションが同行し、日・サウジ投資イベントを開催、エネルギーに加えて医療・ヘルスケア、水、宇宙、エンタメ、観光等の分野において計約40本の協力覚書が署名されました。そして、実際にHIS、富士フィルム・ヘルスケア、モンスターラボ、キャノン・メディカル、武田薬品、エイベックス、會澤高圧コンクリート等の日本企業がサウジアラビアに新たに事務所・工場を開設し事業を開始しました。
スポーツでは、FIFAクラブワールドカップ、ワールドコンバットゲームズ、ゴルフのサウジ・レディース国際等の国際大会が開催され、多くの日本チームや選手がサウジアラビアでプレイする機会を得ました。さらに文化面では、リヤドで「日本祭り」が開催されて日本文化体験や舞台公演、日系企業による展示などが行われ、2日間で3,000人以上が来場しました。
査証緩和と観光促進
3つめに特筆すべきは、両国間の観光促進です。日本への渡航については、昨年3月以降観光査証の申請手続きがオンライン化し、12月には一定の条件に当てはまるサウジ旅券保持者に対する数次査証の発給が開始されたこともあり、査証発給件数は前年比約4倍と急増しました。また、日本とサウジアラビアの直行便就航に向けた協議も進められています。一方で、日本人のサウジアラビア旅行への関心も高まってきており、昨年11月には日本の旅行業界関係者によるサウジFAMトリップが実現し、日本人向けのツアー開発も急速に進んでいます。今後、両国国民の相互訪問が増加することで、日本とサウジアラビアがより身近な国となることを願っています。
このように、両国政府の要人往来の活発化、新たな分野でのビジネスの発展、国民レベルでの相互訪問による人的交流の機会増大等により、様々な分野において日本とサウジアラビアの友好関係は発展し続けています。2025年6月7日には両国の外交関係樹立70周年を迎えるところ、二国間関係促進のモメンタムをさらに高め、日・サウジアラビア関係の新たな段階へと繋げるべく、より一層尽力して参る所存です。
末筆となりましたが、二聖モスクの守護者サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ国王陛下、皇太子兼首相ムハンマド・ビン・サルマン殿下、そしてサウジアラビアの皆様のご健勝とご多幸を祈念いたします。