
アシガバート(トルクメニスタン)
日本の安倍晋三元首相が、トルクメニスタンの権威的指導者から国家勲章を受章した。トルクメニスタン国営メディアが土曜日に報じた。日本政府は、中国の影響力を抑えようと天然ガスの豊富なトルクメニスタンに多額の投資を行っており、この投資への努力が認められての受章と考えられる。
トルクメニスタンが永世中立25周年を祝うなか、今年の初めに体調不良を理由に辞任した安倍元首相は、グルバングル・ベルディムハメドフ大統領から国家勲章を受章する20人以上の外国要人の1人となった。
安倍元首相以外にも、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、その前任の潘基文氏、ロシアのアレクサンダー・ブローヒン駐トルクメニスタン大使などが同勲章を受章した。
中国国籍の受章者はいなかった。
安倍政権の下、日本の銀行や企業はトルクメニスタンに資金を投入し始めた。投資先のほとんどが、この砂漠国家の膨大な天然ガス資源埋蔵量の有効活用を目指す各種の産業プロジェクトだった。
専門家は、この傾向について、日本政府が旧ソ連圏の中央アジアで中国と勢力均衡を図るための策だと見ている。この地域は過去10年間、中国政府の強い経済的影響下にあった。
中国は、2009年に完成した中国・中央アジア天然ガスパイプラインを通じて、年間300億立方メートル(1.1兆立方フィート)以上のトルクメニスタン産天然ガスを輸入している。これにより、中国はこの地域から天然ガスを購入する国として、ロシアを抜いて世界第1位となった。
トルクメニスタンの天然ガス埋蔵量は世界第4位の規模であるにも関わらず、人口600万人のトルクメニスタン共和国は輸出ルートの多様化に苦労しており、今でも中国への輸出に大きく依存する状態が続いている。
安倍元首相は2015年に日本の指導者として初めてこの孤立主義的な国を訪問し、ベルディムハメドフ大統領と180億ドル以上の事業契約に調印した。
その後日本の銀行から融資を受けて完成した注目すべきプロジェクトには、17億ドルのガス・ツー・ガソリンプラントや34億ドルの石油化学プラントなどがある。
AFP