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安倍氏、説明尽くす姿勢乏しく=「桜」問題、なお残る疑問―年明けも尾を引く可能性

安倍氏の低姿勢の発言にも、前日に記者会見も済ませ、年明けに持ち越したくないとの思いがにじむ。(AFP)
安倍氏の低姿勢の発言にも、前日に記者会見も済ませ、年明けに持ち越したくないとの思いがにじむ。(AFP)
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26 Dec 2020 02:12:45 GMT9
26 Dec 2020 02:12:45 GMT9

25日の衆参議院運営委員会。安倍晋三前首相は「桜を見る会」前夜祭をめぐる自身の「虚偽」答弁が国会の信頼を傷つけたことを謝罪した。しかし、野党から新たな資料提出を求められても拒否するなど説明を尽くす姿勢からほど遠い印象も残した。野党側は来年の通常国会で追及を続ける構えで、年明けも安倍氏の問題は尾を引きそうだ。

◇低姿勢強調

「全ての国会議員に深く心よりおわびする」。安倍氏は衆院議運委の冒頭、神妙な面持ちでこう語った。質疑に移ると「国会に対する国民の信頼を傷つけることになった」とも言及。前夜祭に関し事実と異なる発言が衆参両院で計118回に及んだことに頭を下げてみせた。

菅政権・与党には、この日の国会説明で安倍氏の問題は幕引きとし、政権へのダメージを最小限に食い止めたいとの思惑がある。安倍氏の低姿勢の発言にも、前日に記者会見も済ませ、年明けに持ち越したくないとの思いがにじむ。

だが、これまで「虚偽」答弁でかわされてきた野党側は「倍返し」とばかりに攻め立てた。厳しい追及に対し、安倍氏の発言は一転して歯切れの悪さが目立った。

立憲民主党の辻元清美副代表は、首相時代に安倍氏が「国会での答弁には全てに責任が伴う」と発言したことを取り上げ、「民間企業の社長が虚偽説明を100回以上やり『社員にだまされた』で通用するか」と非難。安倍氏は「厳しい指摘を頂いた。私が知らない中で行われたとはいえ道義的責任がある」と語るのが精いっぱいだった。

◇明細書提出応じず

立憲の黒岩宇洋氏は新たな疑問点を指摘。安倍氏側が補填(ほてん)した前夜祭の開催費用を参加人数で割ると、1人当たり約3000円の補充額になるとし、事実確認のため明細書提出を求めた。公職選挙法に照らせば会場費を超えて補充額が膨れ上がると利益供与に当たる可能性があるとみているためだ。

すると、安倍氏は黒岩氏の要請に直接答えず、「寄付、利益供与には当たらないとの判断を捜査当局がされた」と強調。辻元氏が「あなた自身がホテルに請求してほしい」と訴えても、「捜査当局が明細書も含め厳しく当たり、今回の(不起訴の)判断を下している」と頑として応じなかった。

安倍氏は質疑の中で、「質問通告がない」「説明しているので最後まで聞いてもらいたい」といった発言も連発。立憲の福山哲郎幹事長は「首相在任中と変わらない。全く反省の色が見えない」と憤った。

辻元氏は「民間企業なら社長は辞職だ」と議員辞職も要求。安倍氏は記者団に「説明責任を果たせた」とし、「国会議員として国民の期待に応えていく」と否定した。しかし、立憲幹部は「これは検察審査会で起訴相当、強制起訴と節目ごとに政局に絡む話だ」と指摘する。政権の思惑通り、安倍氏の問題が幕引きとなる保証はない。 

JIJI Press

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