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アラブ系米国人ジャーナリストが語る9.11同時多発テロのアラブ系米国人コミュニティへの影響

『9.11同時多発テロ以降のメディアによるアラブ系とイスラム系の人々の描写について分析する(Dissecting the Post-September 11 Media Portrayal of Arabs and Muslims)』と題されたバーチャルフォーラムのスクリーングラブでは、パネリストが紹介されている。(スクリーンショット)
『9.11同時多発テロ以降のメディアによるアラブ系とイスラム系の人々の描写について分析する(Dissecting the Post-September 11 Media Portrayal of Arabs and Muslims)』と題されたバーチャルフォーラムのスクリーングラブでは、パネリストが紹介されている。(スクリーンショット)
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08 Sep 2021 11:09:22 GMT9
08 Sep 2021 11:09:22 GMT9
  • 同時多発テロから20年、メディアはネガティブなステレオタイプに迎合することで、米国のアラブ系やイスラム系の人々を失望させ続けている、とアラブ系米国人らは述べる。
  • 彼らは、メディアがより多くのアラブ系米国人を雇用し、彼らが適切に表現されるように取り組まなければならないと主張する。

アリ・ユーネス

アトランタ、 米国:9.11同時多発テロから20年を迎えるにあたり、アラブ系米国人のジャーナリストらは、同時多発テロが米国内のアラブ系やイスラム系の人々に対する見方に悪影響を与えたことは間違いないとし、メディアがネガティブなステレオタイプに焦点を当てたことがその原因になったと述べた。

レイ・ハナニア氏、アダム・エルマハーク氏、エイドリアナ・マーシャ・ ヴァルキアーニ氏の3名は、『9.11同時多発テロ以降のメディアによるアラブ系およびイスラム系の人々の描写について分析する(Dissecting the Post-September 11 Media Portrayal of Arabs and Muslims)』と題したオンラインディスカッションにパネリストとして参加した。このイベントは、アラブ系米国人反差別委員会が主催したもので、同委員会は9.11同時多発テロがアラブ系米国人コミュニティに与えた影響について考察するため、様々なイベントを開催している。

パネリストらは、米国の主流メディアは、特に同時多発テロ以降、米国内のアラブ系やイスラム系のコミュニティに関する報道が不十分であると主張した。パネリストらは、彼らのコミュニティが否定的に表現されることが多いのは、一般的な否定的な固定観念や、しばしば明白な差別が存在するとした。

また、米国のイスラム系やアラブ人に関する報道の質について、パネリストたちは、米国の主流メディアで働くアラブ系やイスラム系の米国人の数が少ないことを強調した。アラブ系米国人やイスラム系米国人が人口の多くを占める地域であっても、これらの米国主流メディアがこれらのコミュニティの人々にチャンスを与えることはほとんどないという。

ワシントンに拠点を置き、他の非営利団体のメディア対応を支援し、トレーニングを提供する非営利団体『ReThink Media』で権利とインクルージョンチームのプログラムディレクターを務めるヴァルキアーニ氏は、人々がニュースや情報について、従来のメディアではなく、ソーシャルメディアから得るケースが増えていると指摘した。

このようなコミュニティの人々は、自身と関係のあるジャーナリストをより信頼する傾向があるため、メディアがより多くのアラブ系やイスラム系の記者を採用し、彼らを支援する取り組みを行うことが重要だとヴァルキアーニ氏は主張する。

米国内の多様なイスラム系のコミュニティは、彼らの出身国で見られるような民族間の対立を離れて、互いに協力し合うだけでなく、アフリカ系米国人、アジア系米国人、ラテン系米国人など、他のコミュニティとも協力すべきだとヴァルキアーニ氏は主張する。

シカゴ出身のパレスチナ系米国人で経験豊富なジャーナリストであり、アラブニュースにも定期的に寄稿しているハナニア氏は、米国内のこれらのコミュニティの繁栄を反映させるためにも、また、米国が中東で果たす重要な役割のためにも、メディアはより多くのアラブ系やイスラム系のジャーナリストを雇用する必要があるという意見に同意した。

ジャーナリストとして、またパレスチナ人としての自身の経験を振り返り、キャリアに影響を与えるような職業上の困難に直面したこともあったと語った。「メディアにおけるアラブ系米国人コミュニティに対する『差別と人種差別』は、9.11同時多発テロ以前から存在していましたが、同時多発テロ以降、より顕著になりました。」

ハナニア氏は、米国のメディアは一般的にイスラエルに偏っているため、イスラエルによるパレスチナの占領と両者の対立は、パレスチナ系米国人やアラブ系米国人のジャーナリストに大きな影響を与えていると語った。

「米国のニュースメディアは、ジャーナリストをフィルターにかけ、そのジャーナリストが何らかの形でイスラエルに批判的であると判断した場合、そのジャーナリストのニュースメディアでのキャリアはそれで終わりとなるのです」とハナニア氏は語った。また、「イスラエルについて波風を立てない限り、米国のジャーナリズムで素晴らしいキャリアを積むことができます」と続けた。

ハナニア氏は、9.11の同時多発テロ以降、アラブ系米国人に対する差別がエスカレートしたのは、多くの米国人がアラブ人やイスラム系を「外国人」「脅威」と認識していたからだと主張した。

『ロサンゼルス・タイムズ』の調査報道記者として数々の賞を受賞しているエルマハーク氏は、米国のメディアがステレオタイプに頼ることが多いため、アラブ系やイスラム系米国人に対するイメージが損なわれていると指摘した。

「メディアがよくやっていることの一つは、残念ながら、テロの問題など、アラブ系やイスラム系の人々に対するステレオタイプや先入観に迎合することです」と述べた。

汚職調査を専門とするエルマハーク氏は、文化的に、米国のアラブ系やイスラム系の人々は、医学、工学、法律などの他の職業に比べて、自身のキャリアとしてジャーナリズムの道に進むことが少ないと語った。

エルマハーク氏は、「私たちアラブ系米国人やイスラム系米国人がしなければならないことは、メディアの専門職にアラブ系、イスラム系米国人を増やし、私たちの物語がより良く、より意味を持った形で語られるよう、今よりもより多く自分たちを表現することです」と語った。

またエルマハーク氏は、ニュースメディアの編集者らはコミュニティからのフィードバックに注意を払い、それによって報道の公平性と質が変わることがあるため、アラブ系米国人やイスラム系米国人のコミュニティに対し、ニュースメディアにもっと積極的に関与するよう促した。

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