
参院予算委員会は30日午前、安倍晋三首相と全閣僚が出席し、2019年度補正予算案に関する基本的質疑を続行した。「調査・研究」を目的とする自衛隊の中東派遣に関し、首相は「一般化することは毛頭あり得ない」と述べた。公明党の山本香苗氏が「世界中どこでもいつでも派遣できる先例にはならないか」とただしたのに答えた。
首相は今回の派遣について「しっかり検討した上で判断した」と強調。「日本関係船舶の防護を直ちに要する状況ではない」としつつも、「緊張の高まりを踏まえ、船舶の安全確保に必要な情報収集態勢の強化が一層必要になった」と理解を求めた。
日本維新の会の音喜多駿氏は、新型コロナウイルスによる肺炎に関する世界保健機関(WHO)の緊急会合に、台湾が招かれなかったことを疑問視。首相は「まさにその通りだ」と同調した。
参院予算委は30日午後に締めくくり質疑を行い、補正予算案を採決。夜の本会議に緊急上程され、与党などの賛成多数で可決、成立する見通しだ。
時事通信社