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スーダンの早期救出の望みはまだある

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27 Apr 2023 02:04:07 GMT9

現在スーダンで起きていることを思うと、悲しい気持ちになる。血が流れ、どこにいても善と愛を支持する平和な国民が住むことで知られるこの素晴らしい国から人々が逃げ出している。スーダンの親愛なる同胞たちの間で、このような内紛が起こっているのが本当に残念だ。

スーダンは独立以来、そして独立以前から多くの出来事があったが、クーデター、軍事運動、市民革命が、スーダン人同士での流血を伴う戦闘に至ることはなかった。スーダン人の血は同じ国の人々の同胞愛と同じように、常に神聖なものであった。以前、スーダンは統一に合意し、平和的かつ合理的な解決策で、紛争に迅速に終止符を打っていた。スーダン人は常に知恵と寛容を拠り所にしていた。私たちは、当局者が相手について不愉快な言葉を発することすら耳にすることはないだろう。

紅海の両岸の間に根付くアフリカとアラブの関係を象徴するスーダンが、何十年もの間、果てしない紛争と不安定さの矛先であったという事実を、私たちは曖昧な表現を使わず政治的・外交的に遠慮することなく、率直に言うことができる。これはかつて、分離独立に至った南部の長い戦争、西部のもう一つの戦争、そして東部の3つ目の戦争に見られたものである。その上スーダンは、経済的にも政治的にも脆弱な存在であり続けざるを得ず、その姿は安定した持続可能な発展とは程遠いものだった。

この不安定で、弱く、脆弱な状態をもたらした原因は、この同胞国が弱体化してこうした問題に突入する危険に気づく、アラブの一般的かつ知的な洞察力の不足と欠落にある。

概して、このアラブの残念な状況はスーダンだけに限ったことではなく、むしろ慢性的な状況である。しかし、この10年間、私たちが多くのアラブ諸国で目撃した相次ぐ痛ましい出来事を受けて、それはさらに深刻になっている。

それでもやはり、外的要因だけを咎めるわけにはいかない。国運への投資を怠り、忍耐強い国民の従順さと優しさから利益を享受できなかったスーダンの政権が、スーダンという船を強風にさらした元凶であった。

スーダン政権は、国運に投資することも、忍耐強い国民の従順さと優しさから利益を得ることもできなかった

ディア・エディン・サイード・バマクラマ

しかし、私たちは、サウジアラビアやエジプトといった、影響力と重要性と威信のある賢明なアラブ諸国の政府が、開発に関する政府間の当局によって代表される東アフリカ諸国や国際社会の誠実な面々と協力し、起きたことを正し、この流血を止めるべく尽力することができると信じている。この事態は、地域全体に直接的な影響を及ぼす恐れがある。特にスーダンでの戦闘が示すように、この地域は、ある時は落ち着き、ある時は灼熱の炎を発しながら、ホットプレート上に留まることが運命付けられている。この炎を早く鎮火しなければ、より大きな地域環境へと広がっていくだろう。

サウジアラビアは、自国民や他国民を戦場から救い出すため、積極的かつ迅速に人道的介入を行ったことで、あらゆる出来事や状況においてこうした役割に大きく依存しているこの地域における偉大かつ先駆的な能力を改めて実証した。サウジアラビアの役割は、私の国ジブチの役割も付随しており、スーダンから自国へ渡る人々を救うための中継地点となっている。それゆえジブチは、神と指導者の知恵のおかげで、自国が安全と平和のオアシスであることを再確認し、これこそが、サウジアラビアとジブチの偉大かつ積極的な役割として世界の評価の的になっているのだ。

最後に、アラブ諸国、アフリカ、そして人類に奪った以上のものを与えてきたこの同胞の国、スーダンを救って下さるよう、神に願いたい。今起きていることは悲しく、残念ではあるものの、この地域の他の多くの国で起こっているような、すべてを破壊する長く激しい戦争に引きずり込まれることのないよう、スーダンを救う希望はまだある。

  • ディア・エディン・サエド・バマクラマ氏はジブチの駐サウジアラビア大使である。
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