1945年5月7日、つまり78年前のある日曜日にナチス・ドイツが無条件降伏し、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の悲劇に終止符が打たれた。この戦争で戦場となった地域では、戦闘という直接的な要因に加えて、飢餓や病気などの関連する要因により、約8500万人が命を落とした。5月8日にヨーロッパ戦勝記念日が宣言されて以来、毎年この日が祝われている(ただし、ロシアや一部の東欧諸国は5月9日を採用している)。人類史上最も多くの犠牲者を出した第二次世界大戦の教訓を心に留めることは極めて重要だ。
第二次世界大戦について語る際、必ず思い出すべき重要な政治家がいる。それは、ウィンストン・チャーチル氏だ。連合国の戦略を立案し、イギリスとヨーロッパを壊滅的な戦争の中で指導したのは、紛れもなくチャーチル氏である。イギリス首相であったチャーチル氏は5月8日に有名な勝利の演説を行い、こう宣言した。「親愛なる友人たちよ、今こそあなたたちの時代だ。これは政党や階級の勝利ではない。これは偉大なイギリス国民全体の勝利である。
私たちはこの古代の島で、暴政に対して最初に剣を向けた。しばらくして、私たちは前代未聞の軍事力を持つ敵に対して、一年間孤立無援の状態に置かれた。」
この壮絶な戦争から学ぶべき最も重要な教訓の一つは、国家間の緊張を過小評価してはならないということだ。緊張は簡単にエスカレートして全面戦争に発展し、関係するすべての当事者に壊滅的な影響をもたらす可能性がある。
1939年9月の戦争開始から終結までの期間中に、「1億人以上(最大で3億人)」の戦闘員が戦場に参加した。その多くは帰還することがなかった。最新の推定によれば、第二次世界大戦では7000万人から8500万人が死亡したとされている。この推定値は、当時の地球人口の約3パーセントから3.7パーセントに相当する。世界人口レビューによると、次の国々で第二次世界大戦の推定犠牲者数が最も多い:ソビエト連邦(2000万から2700万)、中国(1500万から2000万)、ドイツ(600万から740万)、ポーランド(590万から600万)、オランダ領東インド・インドネシア(300万から400万)、日本(250万から310万)、インド(220万から300万)、ユーゴスラビア(100万から170万)、フランス領インドシナ(ラオス、カンボジア、ベトナムの一部)(100万から220万)、フランス(60万)。
重要なことは、ほとんどの戦争において、民間人が紛争の最大の犠牲者となることである。
侵略者への譲歩は、侵略者をさらに勇気づけ、さらに多くの暴力を行使する力を与える結果となることがしばしばある。
マジッド・ラフィザデ博士
もう一つの重要な教訓は、合意に達し、争いや緊張を解消するためには、外交的取り組み、対話、および交渉が不可欠であるということだ。さらに、外交が失敗し、特定の当事者からの侵略が続く場合、国際社会は侵略者に対して断固とした態度で立ち向かう責任がある。
侵略的な行動を取り、緊張緩和のための対話や交渉を拒否する国の指導者にとって、宥和政策や和解は弱さの印象を与えることがある。実際に、侵略者への譲歩は、侵略者のイデオロギー的、覇権的、政治的、または経済的目標を達成するために、侵略者をさらに勇気づけ、さらに多くの暴力を行使する力を与える結果となることがしばしばある。
チャーチル氏は次のように述べている。「私は、来るべき長い年月の中で、この島の人々だけでなく、世界中の人々、心に自由をさえずる鳥を宿したすべての人々に、私たちが行ったことを振り返り、『絶望せず、暴力や圧政に屈せず、必要とあらばまっすぐ行進して死ね。征服されてはならない』と言うことだろう。今、私たちは一つの死闘から抜け出した。恐ろしい敵は地面に倒れ、私たちの審判と慈悲を待っているのだ」
第二次世界大戦から学ぶべき第三の重要な教訓は、戦争の防止と平和の促進において、より効果的なグローバルガバナンスのために政府間および国際組織を設立し、推進することの重要性だ。こうした国際機関は、時間と共に進化するだろう。
例えば、第二次世界大戦終結時に設立された最も重要な組織の一つが国連だ。当初の国連の主な使命は、平和と安全の維持、国家間の紛争の解決、国家間の友好関係の構築だった。国連の活動は徐々に拡大しており、国連自身が示すように、「持続可能な開発、環境と難民の保護、災害救助と緩和、テロ対策、軍縮と不拡散など、幅広い基本問題に焦点を当て、地球の隅々にまで影響を与える」ようになっている。
経済・金融の分野で他のグローバル機関を設立・強化することも、国家間の紛争を防ぐ上で重要だ。その主な例として、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)が挙げられる。多国間協定は、紛争が起こりにくくなる効果がある。また、多くの国に承認されることにより、強固で持続可能な協定となる可能性が高い。
貿易紛争の解決において、国際金融機関が果たす役割を軽視したり、過小評価したりしてはならない。適切に解決されなければ、貿易紛争は政治的な対立へと発展し、各国が関税を引き上げたり、自国の経済成長に悪影響をもたらす保護貿易主義的な政策を採用することになりかねない。これは、1930年代の世界恐慌の際に実証されている。WTOは、自身を「世界で最も活発な利害関係紛争解決メカニズムの1つ」であると強調している。1995年以降、WTOには616件の紛争が持ち込まれ、350件以上の裁定が出された。
要するに、第二次世界大戦は、本格的な戦争を回避ための外交の重要性や、国際機関や政府間組織を設立する意義など、多くの教訓を人類に与えてくれたといえるだろう。