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トランプ氏は流儀でなく、結果で評価されるべきである

集団抗議を前にしても、トランプ氏はアメリカのために彼が正しいと信じることをする。(APの写真)
集団抗議を前にしても、トランプ氏はアメリカのために彼が正しいと信じることをする。(APの写真)

つい先日、私は米国から帰国した。第27回Arab-US Policymakers Conference(アラブ- US 年次政策立案者会議)へ参加した指導者たちに向け演説するため、ワシントンへ招待を受けていたのだ。それは米国のグローバルポリシーに関する私の意見を共有し、政策決定者たちやあらゆる社会的地位にある人々と話す機会となっただけでなく、個人的に有意義な時間でもあった。

全体的な雰囲気は前向きなものだった。新たな興奮を感じることができたのは、嬉しい驚きだった。残念ながらメディアは、アメリカの人々に利益をもたらしているあらゆる良い出来事を報道していない。その代わりに放送時間やコラムスペースを拡大を選び、米国大統領ドナルド・トランプの型破りな問題解決法を批評している。彼の言葉全てを細かく取りあげたり、過去のスキャンダルをかき集めたりしている。

ワシントン、ニューヨーク、その他の場所で私が出会った人々は、今後良い事が起こるだろうと期待し、活気づいていた。2年前の投票準備期間には、そんな様子は見られなかった。トランプ氏の大統領選勝利の可能性に関し、疑念と悲観が議論を支配していた。だがそういった不安は無理もない。トランプ氏は未経験で、公職の実績も持ち合わせなかった人物だ。彼は改革を約束し、一般的な慣習にとらわれることなく、まさにその通りのことをした。

2015年にトランプが初めて立候補した時、私は嬉しかった。ありふれた型通りのアイビーリーグ弁護士あるいは公務員出身でない大統領によって、アメリカは良くなるのではとずっと考えてきたからだ。成功実績を持つ優秀な実業家の方が、経済面では貢献できるはずだ。そして経済志向の人物なら前任者たちほど軽率に、愚かしい中東戦争へ世界を引き込むことはないだろうと期待した。

2015年8月、私は自分の見解を「Trump, a breath of fresh air among usual suspects(定番候補者の中に新鮮な息吹、トランプ氏の登場)」という題名の論説で発表した。トランプ勝利の後には「President-elect Trump deserves a chance(次期大統領のトランプ氏にふさわしい機会を)」と名付けた記事で、アメリカ人に向けて判断を急がないようにと勧めていた。書いたのはこうだ:「全くの門外漢が何十年もの実績を持つ熟練の政治家を凌ぐことになぜ成功したのか、アメリカは自らを見つめ直す必要がある。何百万もの苦しむアメリカ人を、制度は見捨ててきたというのが事実だ。11月8日に見捨てられたのはお互い様だ。」

だが私は、トランプ氏をやみくもに支持してきたのではない。彼の外交政策決定を激しく批判したこともある。特に、物議を醸しているイスラム諸国からの入国禁止令と、エルサレムをイスラエルの首都として一方的に承認した件だ。その誤った戦略はイスラエル人とアラブ人の間の溝を深める原因となり、そして多くのアメリカ系ユダヤ人がこれに反対している。

確かに、その自由であからさまな「アメリカ・ファースト」政策により、トランプは多数の世界的指導者たちから好かれていない。彼は、アメリカの寛容さが悪用され、軽んじられていると信じる公然たる愛国者だ。

彼は全面的に率直で、その発言には遠慮がない。NATOとヨーロッパとの交渉においては、米国が無償でヨーロッパを保護し続けることはないと正直に意見した。多数のアメリカ国民が家計のやりくりに未だ苦しんでいる中、税金を守ることは何も悪くない。彼はまた、不法移住に対する強硬姿勢の件でもひどく非難されている。

亡命を望んでアメリカ南部の国境へと向かう、貧しく必死な家族に私は同情する。彼らの立場に身を置きたい人などいないだろう。だが、何千人という人々が無許可で入国するのをただ野放しにできる国もないのだ。規則に従う資格ある候補者を優先し、不法移住を禁止することについて彼は正しい。経済問題を抱えてギャングの暴力に悩まされる南米の国々は、豊かで安全な環境作りのために助けを得るべきである。

アメリカ人でない両親から米国で生まれた子供たちに、自動的にアメリカ国籍が与えられるのを禁止したいという彼の意向も、さらにもう一つのアメリカ人を守る行為だ。多くの事例で、将来的に家族全員で米国パスポートを取得しようという目的を持った臨月の女性が、出産間際に米国へ渡航している。

数多くの問題に対するトランプ氏の姿勢を、世間は評価しないかもしれない。だが彼のやってきたことはどれもアメリカのためになることであり、それを隠すこともしていない。彼が間違いを犯したことがあるのは確かだ。例えば、貿易関税の賦課は裏目に出るかもしれない。同様にアメリカの歴史的同盟国らを遠ざけたことは、彼らをロシアや中国へ近づけることになるかもしれない。彼は完璧から程遠い。だが今のところ、彼の取ってきた施策は大いに利益を生んでいる。

抜粋見出し:彼は完璧から程遠い。だが今のところ、彼の取ってきた施策は大いに利益を生んでいる

彼の最優先事項には、ビジネスチャンスを切り開き、雇用機会を創出して株式市場を後押しすることがある。私が述べているように、米国経済はかつてない好景気だ。市場は記録的な高値に達した。消費意欲は高く、企業利益は増加している。

失業率は3.7パーセントと低い。先月だけで、25万件の新しい雇用が生まれた。賃金上昇と減税は可処分所得を増やしている。健全な米国経済は世界のためになる。2008年の出来事で皆が目の当たりにしたように、ワシントンがくしゃみをすれば、実際全世界が風邪を引くのだ。

今日、私は再び敬意を持って、自らの最高司令官の下に結束するようアメリカの人々へ助言する。政治的分裂は暴力として現れている。メディアはその絶え間ない攻撃を和らげるべきだ。そのような行為は重要な事柄から間違いなく大統領の気をそらし、守勢に立たせるに違いない。

議会は、党派心にふけらないのが賢明だ。民主党が下院で優位に立っている現在、それは行き詰まりを呼ぶ可能性がある。民主党か共和党か無所属かに関係なく、立法者は協力し、国と国民のために和解交渉すべきだ。アメリカが外的要因に負けることは決してないが、国内の憎悪が制御されなくなれば、崩壊の危険がある。

大統領は独裁者ではない。人々が彼を選んだ。米国は、議会と司法の形で抑制と均衡を保つ民主主義国だ。有権者の過半数が2年以内に不満を抱けば、彼らは投票箱に向かうことができる。その間に、彼には平和に仕事をさせればいい。ホワイトハウスへの繰り返しての説教は、自分で自分の首を絞める結果しか生まない。

世界の指導者たちは、この新しいトランプ支持者の現実を受け入れる必要がある。アメリカにはこれ以上、世界金融の支えとして振る舞う用意はない。これは多くの国々にとって、自立を目指して内政を整えなければならないという警鐘だ。そしてそれは、良い事なのだ。アラブの「NATO」は前進している。EU指導者たちは、欧州軍を求めている。

アメリカの人々は、選挙で選ばれる前からトランプ氏を知っていた。彼の行動は衝動的で、意思決定には迷いがない。北朝鮮の核危機に対する彼の対応にも、イランの侵略に対する姿勢にも、ヨーロッパ、ロシア、中国、そして国連の異議をよそに本物の勇気が示された。

集団抗議を前にしても、トランプ氏はアメリカのために正しいと信じることをする。同じ道を歩んだ人物らが持たなかった類の勇気を、彼は見せている。彼を好きでもそうでなくても、ひと息ついてもらうのに値すると私は思う。些細なことを気にかけるのはもう十分だ。最終的に彼は結果を出しており、重要なのはそこだ。

 

ハラーフ・アーマッド・アル・ハブトゥール氏はアラブ首長国連邦の著名な実業家で公人。Twitter: @KhalafAlHabtoor

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