
ファイサル・ファエク
原油価格の暴落は、今年の第1四半期に多くの国際石油会社の収益に壊滅的な影響を与えた。
ブレント原油は3月に平均32ドルだったのに対し、4月は1バレルあたりわずか18ドルとさらに悪化している。
これは、第2四半期が第1四半期よりも厳しい状況になる可能性があることを示唆している。石油・ガス会社がそれに応じて支出を削減しているため、今後の主要なエネルギーインフラへの投資にとっても良い結果にはならないだろう。
原油価格と精製マージンの下落は業界の大手企業の多くに損失をもたらしたが、サウジアラムコの場合はそうではなかった。
多くの同業他社とは異なり、その卓越した運用の柔軟性、低い負債比率、収益源の多様化、そして最も重要な、世界で最も低い生産コストを有するという事実のため、コロナウイルスのパンデミックに関連した原油価格の暴落や世界的な需要の減少にさらされることはない。
このような独自の運用の柔軟性が、世界最大の石油会社が状況に応じて生産量を急速に増減させることを可能にしている。
原油価格の暴落や世界的な需要の減少にさらされることはない。
ファイサル・ファエク
世界がCOVID-19を耳にする数ヶ月前、アラムコは世界最大のアブカイクの加工施設がミサイル攻撃を受けた後、すぐさま生産を再開したことで、この回復力を実証した。
さらに最近では、4月から6月にかけて、過去のピークであった日量1230万バレル(bpd)から約750万バレル(bpd)まですばやい減産を行ったことで、柔軟な運用が可能であることを明らかにした。
このことは、王国が世界で唯一のスイングプロデューサーであることを証明している。このような運用の柔軟性と相性が良いのは、財務の柔軟性である。世界の大手石油会社の第1四半期の収益を見ると、アラムコは依然として最も利益率の高い企業であり、約167億ドルの利益を上げていることがわかる。同業他社の多くは、「ニューノーマル」に適応するのにはるかに厳しい時間を費やしてきている。
ロシア最大の生産者であるロスネフチは、かつては原油価格が10ドルになっても利益が出ると主張していたが、実際には21億ドルの損失を計上し、2012年以来初めての四半期損失となった。ロスネフチはロシアの石油生産量の約40%を占めている。
前例のない石油需要の崩壊は、あらゆるエネルギー企業に影響を与えているが、中には他の企業よりも大きなダメージを受ける企業もあるだろう。投資家は、いずれ需要が回復し始めることを見失ってはならない。