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レバノンを救うために、アウン大統領とヒズボラのリーダーナスララの不適切な同盟を止めさせるべき

ヒズボラの以前の指導者でさえ、グループの現在のスタンスに反対している。 (File/AFP)
ヒズボラの以前の指導者でさえ、グループの現在のスタンスに反対している。 (File/AFP)
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17 Aug 2020 04:08:08 GMT9
バリア・アラマディン
17 Aug 2020 04:08:08 GMT9

歴史家がレバノンの歴史の紆余曲折を経た局面の決定的な状況を書くようになったとき、国家に対する裏切りの最大の責任を負うのはミシェル・アウン大統領である可能性が高い。

悪魔に対して悪であることを批判することに意味が無いのと同様、ヒズボラのリーダーであるハサン・ナスララが、資金提供者の命令で祖国をバラバラにすることも厭わない、イランの操り人形以外の何者でも無いことは誰でも知っている。

アウン大統領とヒズボラが互いの都合で結び合ったことは、自然の成り行きでも、不可避なことでも無かった。8月4日の港での爆発は、アウン大統領がベイルートの破壊を主導した初めての出来事ではなかった。1980年代後半にレバノン首相として、彼はシリア軍とキリスト教のライバルに対する一連の血なまぐさい闘争を仕掛け、ベイルートをバラバラに引き裂き、その結末として亡命に追い込まれている。

アウンは海外から15年間を費やしてシリアとヒズボラを批判し続けたが、2005年にレバノンに戻るや否や、ヒズボラ/イラン/シリアの勢力に直接加わって大統領職への道を開いている。彼の現在の戦略は、アウン大統領が来年退任するときに、広く嫌われている義理の息子のゼブラン・バジルを大統領に引き上げることを中心に展開している。

状況が急速に悪化するにつれて、クリスチャンコミュニティ内でのアウン大統領の人気は低下している。ヒズボラも同様に人気の凋落に苦しんでいる。したがって、ハッサン・ディアブ首相(現在は辞任)が早期の選挙に言及した時には、かつての同盟の非難を受けているナスララとアウンの陣営からはパニックの兆候が見られた。

選挙は変化をもたらだろうか?レバノンでは、人気は伝統的に買うものであって、獲得するものではなかった。政治権力とは、省庁の支配を意味し、それは支持者に何千もの仕事を与え、大規模な予算は腐敗した独占を生んだ。ヒズボラの金庫には、麻薬ネットワーク、密輸業、その他の組織犯罪からの収入とともに、毎年最大7億ドルがイランから補充されてる。

あるゾンビ政府が倒れれば、次のゾンビ政府に単調に置き換えるヒズボラの対応は、患者が臨床的に死んだ後もずっと肺を圧送し続ける機械のようなものだ

バリア・アラムディン

ヒズボラの拠点に住む家族は、何十年もの間、活動が仕事、医療、教育、およびその他の利益を与え、ヒズボラが保護者でありシーア派の「尊厳」を保証しているという体制支持派のメディア機関からの絶え間ない注意喚起のメッセージを見てきた。これは、爆発後の西側の援助は新帝国主義に相当するという陰謀説の洪水によって支えられてもいる。西側は「イスラムの抵抗」を弱体化させる目的でIMF救済策を阻止していると主張されており、マクロンの訪問はフランスひいきの新しい秩序を先導しようとする試みでもある。

ヒズボラはさらに今回の爆発事故に乗じようとしている:首都にまたがるヒズボラの支配領域を拡大する手段として、港の近くで破壊された地域(主にクリスチャンとスンニ派の領域)を購入するよう奨励されていると、そうした活動に詳しい裕福なビジネスマンからの報告がある。しかし、家を失った人々を救い、搾取的に機会に乗じて自らの目的を果たそうとする者への売却を思いとどまらせるための称賛に値する取り組みも見られた。

ナスララは爆発後の2回の演説で内戦について暗示し、爆発の背後にイスラエルの存在が判明した場合、同国との敵対関係の脅しさえもした。国が喪に服している今、脅威と愛国心のない転覆を図る時でもない。ナスララはレバノンをまた別の戦争に引きずり込んで、何が起こることを期待しているのであろうか?もちろん、彼はイスラエルの都市を攻撃できるが、レバノンは2006年と同じように再びシステムに従って破壊されてしまう。これが、港で起こった爆発が国際調査の対象となる必要がある理由であり、犯人は透明な司法および外交措置を通じて裁かれるために保持されるべきである。決して、レバノンを自らの利益のために自殺行為に引き立てるナスララによってではない。 

イランの指導者たちはレバノンを支援することにおいて数々の誓約を立てており、シリアの工場を割り当てて、レバノン市場向けのガラスを生産することさえしている。しかし、イランの外相がベイルートを訪問したのと同じ日に話をしたにもかかわらず、ナスララは外相ジャヴァード・ザリーフの存在について言及することをひどく避けている。レバノンの人々のイランに対する嫌悪感が、更にヒズボラのブランドを害することを、不快に思いながらも認識していたからである。「政治的目標のために人々の痛みと苦しみを利用することは非人道的だ」とザリーフは主張したが、その発言の皮肉さをあえて指摘する者はいなかった。

老齢のアウン大統領が準備された原稿をモゴモゴ読み上げるのを聞いていると、彼が、自分が今どこにいるのか、何が起こっているのかを明確に理解しているのかどうか定かでは無い。ジャーナリストに詰め寄られると、在りし日のナポレオン・ボナパルトのように、傲慢にも、「私はアウン将軍だ」と言い放ち、その一言で非難の全てを覆い隠すのに十分と考えている節がある。アウン大統領は、爆発の数か月前には、港に保管されている爆薬が、ベイルートにとって差し迫った脅威であることを知らされていたことを認めている。レバノンに説明責任のある統治システムが敷かれているのであれば、アウン大統領は直ちに辞任するべきであろう。

レバノンの教養ある、高等教育を受けた人々は、間違いなく自国を蝕んでいる病状を認識している。信用を失った指導者たちは、ソーシャルメディアで物笑いの種となっている。テレビチャンネルは、ますます政治に対する批判は放映しながら、政治的スピーチの放映をボイコットしている。また、標的にされるリスクを犯しながら、ヒズボラに対する批判も強めている。

元ヒズボラ事務総長であるアリ・アル・アミンやスービ・アル・トゥファイリなどのシーア派の聖職者は、ヒズボラの腐食している現状を容赦なく批判してきた。一方、スンニ派やキリスト教の指導者、マロン派の総主教などは、レバノンが歩んでいる危険な宗派対立の道について声を上げている。

レバノンは国として、抜け殻で、死の間際であえいでいる状況だが、まだ国を救う時間はある。あるゾンビ政府が行き詰れば、別のゾンビ政府に単調に置き換えるヒズボラのやり方は、患者が臨床的に死んだ後もずっと肺を圧送し続ける機械のようなものだ。ナビ・ベリ国会議長の圧力で、議会は同様に脳死状態にあり、首相を決める投票を行う必要がある場合にのみ召喚される。

国はマクロンの救いの手を待つことはできない。市民はこの茶番劇の終焉を要求しなければならない;政府や議会の辞任で終わらせるのではなく、アウン大統領の辞任とヒズボラとの同盟の廃止も必須である。ヒズボラはまた武装解除し、イランの利益のために、レバノンに代わって戦争と平和の問題を決定しようとする熱望をやめる必要がある。

これは、どんなに象徴的な行進を繰り返しても達成されないが、指導者が、主権が人々と共に存在することを認めざるを得なくなるまで、ベイルートの通りを支配することによって達成される。腐敗した現状から利益を得て、政治階級全体が縁故主義と大規模な窃盗に関与している。“Killon yaani killon”は、継続して国民の妥協のない願いである必要がある — 「全員とは全員を意味する!」

  • バリア・アラムディンは、中東と英国で受賞歴のあるジャーナリスト兼アナウンサーである。 彼女はメディア・サービス・シンジケートの編集者であり、多数の国家元首にインタビューした経歴もある。
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