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イランによるテロ支援が2019年になって急増

09 Nov 2019
アブカイクにあるサウジアラムコの施設が9月に攻撃を受けた後の様子。(ロイター通信)
アブカイクにあるサウジアラムコの施設が9月に攻撃を受けた後の様子。(ロイター通信)

アメリカ国務省は先週、昨年1年間のテロ活動に関する国別報告書を発表した。報告書では、イランが2018年に「世界最大のテロ支援国家」だったと書かれている。またテロ支援国家として、イランの緊密な同盟国シリアもリストに載せてある。

報告書は2018年におけるイランの活動に焦点を当ててはいるが、イランによるテロ活動支援が大幅に急増しているため、今年どう変化したかを検証するのは重要だ。

イラン政府は2019年に中東での多数のテロおよび社会混乱を招く行為に関与した結果、国際社会より制裁を受けた。この中にはホルムズ海峡を通過する船舶への航路妨害行為も含まれる。イギリス船籍「ステナ・インペロ」がイラン革命防衛隊により拿捕され、さらに4隻が攻撃された。サウジ船籍の石油タンカー2隻・ノルウェー船籍が1隻・アラブ首長国連邦(UAE)船籍1隻で、4隻ともUAEの領海内に停泊していた。

さらにイランは武器の密輸を継続しており、イエメンのフーシ派・ヒズボラ・「カタイブ・ヒズボラ」を含むイラクのシーア派武装集団などの傘下組織に対し、軍事・資金・情報・顧問団派遣といった面で支援を続けている。これを受け破壊活動は増加傾向にあり、サウジアラビア国内の民間人を標的にしたフーシ派によるロケット弾発射、シリア領内で活動する何千人単位の地上部隊、イランが資金援助するハマスによるイスラエル南部への定期的なロケット弾攻撃がある。

たとえば、4月2日 / 8日、5月20日、6月20日 / 30日の計5回、サウジアラビア軍は、イランの支援するフーシ派が民間人を狙って飛ばしたドローン(無人機)やミサイルを迎撃した。5月14日には、フーシ派が飛ばしたドローンにより首都リヤド近くの石油パイプライン施設2カ所が攻撃を受け被害が発生した。6月12日と同23日にはアブハ国際空港が標的となり、民間人1名が死亡、40名以上が負傷した。8月25日には、フーシ派が弾道ミサイル10発をジザン地方空港に向け発射し、数十名の死傷者が出た。

最後に、フーシ派は9月14日のアブカイクとフライスにある石油生産プラントを狙った大規模なドローン・ミサイル攻撃も自らが実行したと主張したが、実際にはイラン政府が糸を引いていたとの疑いが濃厚だ。マイク・ポンペオ米国務長官はこう述べた。「サウジアラビアに対するおよそ100回に渡る攻撃の背後にいるのはイラン政府だが、ハッサン・ロウハニ大統領とモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は外交交渉をする振りをして世界を欺いている。 事態の鎮静化を求める声が高まる中、イランはとうとう世界のエネルギー供給源に対し前例のない規模の攻撃を開始している。イエメンから攻撃が行われたという証拠はない」

イランが地域の安定を損なう行動を取った結果、湾岸諸国6カ国が最近アメリカと歩調をそろえてイランが関与する複数の組織に対し制裁を課した。

一方伝えられるところによれば、イラン政府は依然としてテロ組織アルカイダの構成員を保護しており、湾岸諸国における活動を援助しているという。

しかし、イランによるテロ・違法・挑発行為は中東に限った話ではない。ヨーロッパでのテロ活動が続いているため、EU(欧州連合)はイラン関係先に対し再び制裁を課し、イラン政府をテロ支援国家と非難するに至った。EU理事会は、1月に前例のない決定を下した。「全加盟国の満場一致による賛成を得て、テロ行為に関わる個人・組織のEU認定リストに、組織1つと個人2名を追加した。イランの反体制組織、ムジャヒディン・ハルクの集会に対する攻撃未遂事件を受けたものだ」と宣言した。

2015年に核合意に至ったことを理由に、それまでEUは対イラン制裁に反対していた。しかし、EU域内でイラン政府が破壊活動を行ったため、最終的にはイランに圧力をかけることとなった。イラン政府がヨーロッパでのテロ・破壊活動を取り締まらない場合、「さらなる制裁の可能性を排除できない」と、オランダのシュテフ・ブロック外相も警告した。

さらに、イランが商業便を隠れみのにして中東の戦闘地帯に軍事装備と人員を輸送しているとの報告を受け、イタリア政府は先週、12月中旬から国内でイランのマーハーン航空に営業禁止処分を課すと発表した。ドイツとフランス政府も今年、マーハーン航空旅客機の運行を禁止した。

アルバニアでは先月、アルディ・ヴェリュー警察庁長官がイラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」と関連するテロ細胞の活動を治安機関が突き止めたことを明らかにした。ヴェリュー長官によると、アルバニア国内でイランのスパイによりテロ攻撃が計画されていたが3月に阻止したという。

最後に、イランは2019年に外国政府や民間企業に対し行われた大規模なサイバー攻撃を裏で操っていた。

今年、イランとイランが支援するテロ組織によるテロ活動が大幅に急増している。これは国際社会への警告と受け取るべき問題であり、世界各国の指導者にはイランの体制に責任を問う義務がある。

マジッド・ラフィザデ博士は、ハーバード大卒のイラン系アメリカ人政治学者。博士はイランと米国の外交政策に関する第一人者で、ビジネスマンでもあり、国際アメリカ評議会の会長でもある。Twitterアカウント:@Dr_Rafizadeh

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