
ハルツーム:スーダンのソーシャルメディア利用者の多くが、失脚した元大統領のオマル・バシール氏が、刑務所に入れられないほど体調が悪いとの理由で移送された先の病棟を歩き回る動画に対して怒りの反応を示したが、この元将軍への支援の声もあった。
3年余り前に数か月にわたる抗議活動の末の軍事クーデターによって失脚したバシール氏は、1989年に政権を掌握した際の軍のクーデター主導および汚職と人道上の罪について裁判を受ける間、コベル刑務所に収監されていた。
バシール氏の弁護団はこの映像について否定せず、弁護団のひとりは同氏が現在この病院にいることを認めた。
動画では、カジュアルな服装に腕時計をつけ、病室の外で訪問者らに挨拶をしたり、笑ったり、病棟の中を歩き回ったりするバシール氏が見られる。
バシール氏の姿が法廷での取材以外で公になるのは今回が初めて。
別の動画には、同氏が別の部屋にいる患者仲間を訪ねる様子がうつっている。
「元大統領の入院は、裁判所が承認した彼の病状について入院治療を勧める医学的報告書に基づくものだ」と、 クーデター事件の被告側弁護団のひとりであるアブデルラフマン・アルハリファ氏は述べた。
バシール氏の弁護団は、同氏が新型コロナウイルスへの感染と高血圧を理由に現在入院している私立の軍が所有する病院への移送を、折に触れて要請してきた。
ソーシャルメディア上では、バシール氏の回復と釈放を祈る声もあるが、緩い待遇だとして怒りを示す声もある。
「革命のために犠牲となった人々の死は無駄だったということが、今明らかになった」とあるユーザーは述べた。
「誰でも好きな相手を訪問させ、国中のあらゆる病院を歩かせておけばいい。重要なのは彼がもう二度とこの国を支配しないということであり、彼への裁きは神が下すだろう」と別のユーザーは述べた。
ロイター