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イラン各都市に抗議活動が広がる

17 Nov 2019
2019年11月16日、シーラーズ市の中心でガソリン価格の上昇に対するデモで道を塞ぐイラン人の抗議活動参加者。(AFP)
2019年11月16日、シーラーズ市の中心でガソリン価格の上昇に対するデモで道を塞ぐイラン人の抗議活動参加者。(AFP)

イラン全土で抗議活動やデモが行われており、まずアフヴァーズで発生した抗議活動やデモは、首都のテヘランを含む、他の多くの都市に広がっている。

イラン政府がガソリン価格を50%上昇させるという予想外の動きに出たことに憤慨した市民が抗議活動を展開している。抗議活動参加者の一部は、ムッラー・タニ高速道路を塞ぎ、「ガソリン価格の上昇で貧しい人々はさらに貧しくなった」、「気高いアフヴァーズ市民よ、車のエンジンを止めよ」とのシュプレヒコールが聞かれた。

また抗議活動参加者は、「私たちは今後決してガソリンを買わない。弱い立場からでも変革は起こせる」と書かれた看板を掲げ、さらに車のエンジンを切ったり道路上に車を停めることで、いくつかの道も塞いだ。

当局は力で制圧する構えを見せた。保安部隊が抗議活動参加者を攻撃し、少なくとも1人が死亡、数人が負傷した。

イランでは政府の石油輸出量が大幅に減り、政府の歳入が下がっている。それを補うために、急いで措置が行われているようだ。政権を握る聖職者らには、アメリカによる制裁がかなり響いているようだ。

イラン政府は歳入を増加させようと必死になっている。周辺地域での軍事的関心にも資金が必要で、イエメンからレバノンまであらゆる地域でイランの手下となっている武装勢力を支援したいからだ。最新の報告によると、アメリカ主導の制裁によってイランはシリアの武装勢力への資金提供ができなくなっており、同勢力は戦闘を続けるのが極めて困難になっているとのことだ。

イラン政府は歳入を増加させようと必死になっている。周辺地域での軍事的関心にも資金が必要で、イエメンからレバノンまであらゆる地域でイランの手下となっている武装勢力を支援したいからだ。

マジッド・ラフィザデ博士

イランの支援を受けるシリアの武装勢力の戦闘員は『ニューヨーク・タイムズ』に対して「輝かしき日々は終わり、もう訪れないでしょう。イランには私たちに資金提供する余裕がないのです」と語った。

制裁の圧力を感じたヒズボラのハサン・ナスルッラーフ議長は、同グループの資金調達部署に対して「資金で聖戦の機会を切り開き、現在の戦いを有利にする」よう呼びかけた。

イランはイラクとレバノンの指導層も支援しているが、両国でも指導層への抗議活動によって戦略的に困難な局面に立たされている。両国では、長きにわたって分断されてきた政治的・宗教的に異なる立場の人々が一緒になって抗議活動を行っているのだ。

現在イランで発生している抗議活動は聖職者が率いるイランの体制全般に関する不満の表出であることも指摘しなければならない。

多くのイラン人にとって、経済状況はかなり差し迫ったものになっている。日々の必需品の価格はうなぎのぼりで、多くの人々は失業中である。スキルがなくて失業しているのではない。イランの若者は高度な教育を受けているのだ。それなのに若者の30%近くが仕事を見つけられないのは、労働の需要が不足しているためである。失業率が60%を超える地域もある。イラン政府の管理計画機構の担当者によると、「イランの失業者の42%は大学の学位を持っており、彼らの教育にはかなりの額が使われています」とのことだ。世界ではインフレ率の許容水準は約2%だが、イランでは現在33%を超えるインフレ率となっている。

今回の抗議活動に直接火をつけたのはガソリン価格の上昇であるが、その本質は政治に対する抗議活動であるということは、当初から明らかであった。そのため人々からは、イラン政府に対して退陣を求めるシュプレヒコールが聞かれるのだ。

人々は、政府の汚職、不始末、着服、およびマネーロンダリングに憤慨している。

イランの神権政治の中心人物であるハサン・ロウハーニー大統領と最高指導者でアヤトラのアリー・ハーメネイー師に異議を唱えるスローガンが、どの抗議活動の場でも必ず聞かれるようになっている。ロウハーニー大統領が就任してからの6年以上にわたって、イランでは民衆の取り締まりが激しさを増し、活動家、ジャーナリスト、パーティー参加者、及びその他リベラル社会の支持者が大量に逮捕されている。

また、イランがかなりの資金を外国の紛争や国外のテロ組織の支援につぎ込んでいることも懸念される。一部の抗議活動参加者からは、自身の身に危険が生じる可能性が高い中、「シリアから手を引いて、私たちのことを考えろ」とのシュプレヒコールが聞かれた。イラン政府は予算のかなりの部分をイランの革命防衛隊に当てており、人々は明らかに、後回しにされることにうんざりしている。

イランの人々は資金の使い道についてのみ抗議しているのではなく、それよりはるかに広く、神権政治の方針に政治的不満を表明しているのだ。

  • イラン系米国人のマージド・ラフィザデ博士は、ハーバード大学卒の政治学者である。イランと米国の外交政策の第一人者であり、実業家、International American Councilの議長を務めている。また、『Harvard International Review』の審査委員会、Harvard International Relations Council、及びUS-Middle East Chamber for Commerce and Businessでも委員を務めている。Twitter: @Dr_Rafizadeh
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