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イスラム教少数派をダーイシュの過激主義から守ることが必要

2021年10月8日、アフガニスタン北部のクンドゥズ州で、爆撃を受けたモスクの内部を検査する人々。(写真提供 AP)
2021年10月8日、アフガニスタン北部のクンドゥズ州で、爆撃を受けたモスクの内部を検査する人々。(写真提供 AP)
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21 Oct 2021 12:10:13 GMT9

アフガニスタンの少数派を標的とした最近のテロ攻撃について、ダーイシュ・ホラサンは、自らの犯行であると大胆かつ公然と主張した。このことは、このテロ組織に対抗するタリバンの能力に深刻な疑問を投げかけると同時に、この脅威に対抗するためのグローバルな取り組みの必要性を訴えている。

先週の金曜日の礼拝中に、2人の自爆テロ犯により、アフガニスタン南西部のカンダハル市にあるビビ・ファティマ・モスクが襲撃された。自爆した戦闘員はモスクの警備員を射殺した後、建物内に侵入して自爆し、40人以上の死者と数十人の負傷者を出した。ダーイシュ・ホラサンは犯行声明を発表し、この自爆攻撃を行ったと主張した。

前日の金曜日には、北部の都市クンドゥズで金曜、礼拝中のシーア派モスクが自爆攻撃を受け、少なくとも50人が死亡し、多数の負傷者が出た。ダーイシュ・ホラサンは、この残酷な自爆攻撃を行ったと述べた。

同組織は2019年、米軍、北大西洋条約機構(NATO)軍、政府軍によってアフガニスタン東部を中心にほぼ根絶されたと考えられていた。しかし、それ以来、同組織が再度編成された。米軍やNATO軍が撤退したことにより、ダーイシュ・ホラサンの活動はさらに活発化し、アフガニスタンの人々やその近隣諸国を脅かすことになるだろう。現在、外国人を含む約2,000人の戦闘員がいるとされているが、同組織の拡大を抑制するために措置を講じなければ、この数はさらに増加する可能性がある。

ダーイシュ・ホラサンがアフガニスタンの政情不安を利用して、一般の人々からの支持と勧誘活動を強化しているのは明らかである。その最近の自爆攻撃により、その知名度は高まっている。ひねった言い方をすれば、その知名度が高まることにより、アフガニスタンやその他の国にある他組織からの離脱者や、新兵を募る取り組みが強化される可能性がある。

過去には、アフガニスタンの政治家や、省庁、政府の治安部隊、タリバン、米軍やNATO軍などが標的にされてきた。また、支援者や少数派、一般のアフガニスタン人など、国際機関の民間スタッフも攻撃されている。8月に米国とNATO軍がアフガニスタンから撤退して以来、ダーイシュ・ホラサンによる暴力が著しく増加している。

最近のモスク襲撃事件は、タリバンがアフガニスタンを掌握していることや、さらにテロ組織がアフガニスタンへ流入していることについて、タリバンがこれを否定する発言を繰り返していることに、疑問を投げかけている。

ダーイシュ・ホラサンは、シーア派やスーフィー派のアフガニスタン人を含む同胞のイスラム教徒に対する攻撃は、最も残忍な行為であり、イスラム教の誤った解釈を支持する姿勢を示している。2020年5月、カブールでは病院の産科病棟が、またアフガニスタン北部のクズクナールでは葬儀が行われている最中に襲撃され、新生児や母親、看護師、弔問客など56名が死亡し、148名が負傷した。ダーイシュ・ホラサンは、葬儀の襲撃について犯行を表明し、米国は両方の襲撃について、ダーイシュ・ホラサンを非難した。

その1年後、カブール西部のシーア派が多く住む地域の学校が、自動車爆弾と2つの爆発物に襲われ、90人以上が死亡、数百人が負傷した。犠牲者の多くは10代の女の子だった。同月、カブールのモスクでは、イスラム教の祝日であるイド・アル・フィトルに集まった礼拝者の中で爆弾が爆発し、少なくとも12人が死亡、15人が負傷した。この爆発について、ダーイシュ・ホラサンが犯行声明を発表した。

米軍軍やNATO軍がアフガニスタンから撤退したことにより、ダーイシュ・ホラサンの活動はさらに活発化すると考えられる。

アブデル・アジーズ・アルウェイシグ博士

8月には、西部の都市ヘラートでシーア派のアフガン人を乗せたバスが爆破され、ダーイシュ・ホラサンが犯行声明を発表した。また、頻度は低いものの、スーフィー派アフガニスタン人に対する同様の攻撃も発生している。

シーア派やスーフィー派の学校や礼拝所を攻撃することは、ダーイシュと各地域の分派の特徴となっている。ダーイシュとダーイシュ・ホラサンは、ソーシャルメディアを頻繁に利用してイスラム教徒の少数派に対する暴力を扇動し、これらの少数派を背教者や非信者と呼び、残忍な襲撃を正当化している。

エジプト史上最も悲惨な攻撃のひとつが、2017年11月、シナイ半島を拠点とするダーイシュ傘下の組織が、地元のスーフィー派の信者が通うモスクに対して行った襲撃である。当時の公式発表によると、この襲撃により子供27人を含む311人の参拝者が死亡し、約130人が負傷した。ダーイシュのシナイ支部の武装した40人あまりの男らが、ビール・アルアベドにあるローダ・モスクを襲撃した。エジプトの検察当局によると、入念に計画されていたこの攻撃は、ダーイシュの戦闘員らによって行われた。戦闘員らは5台のSUVで現場に到着し、自動機関銃で武装していたという。戦闘員らは軍隊式の計画に沿って、参拝者を次々と殺害していった。

犠牲者の数は少ないものの、ダーイシュとその関連組織や支援者らにより、シーア派やスーフィー派などのイスラム教徒に対しても同様の攻撃が行われている。彼らは、紛争の絶えない多くの国々におけるイスラム教の布教を主張している。しかし、彼らの暴力は、イスラム教の少数派に対するヘイトスピーチの極端な応用である。

特にソーシャルメディア上では、そのような発言があふれており、中にはこれらの少数派を破門し、イスラム教の埒外に置くようなものもある。同様なテーマに関する平和的な宗教的議論は、何世紀にもわたって行われてきた。しかしそれらの議論を、少数派に対する攻撃を行う主張に利用することは許されない。

2017年11月、「対テロ・イスラーム軍事連合」の第1回国防相会合で、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、テロリストがもたらす最大の危険は、彼らがイスラム教に対する評判や、価値観を歪めてしまうことにあると述べた。そのため、イスラム教徒にとって、弱い立場にある少数派のために立ち上がることが特に重要となる。ムスリム世界連盟、イスラム協力機構、イスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルなどの主流イスラム組織や、あらゆる分野において著名で影響力を持つ者たちは、ダーイシュやダーイシュ・ホラサンなどのテロ組織が、平和的少数派に対する残忍な攻撃を正当化する目的で拡散しているヘイトスピーチに対抗するために、協力するべきである。

  • アブデル・アジーズ・アルウェイシグ博士は、湾岸協力会議政治問題・交渉担当事務次長で、アラブニュースのコラムニスト。本記事で表明した見解は個人的なものであり、湾岸協力会議の見解を必ずしも代表するものではない。 ツイッター: @abuhamad1
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