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イラン政権のサイバー攻撃に立ち向かう時だ

バイナリコードで描いたイラン国旗。(Getty Images)
バイナリコードで描いたイラン国旗。(Getty Images)
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26 Nov 2021 06:11:38 GMT9
Majid Rafizadeh
26 Nov 2021 06:11:38 GMT9

イランの軍事的冒険主義と共に、同政権のサイバー攻撃は、地域だけでなく世界の安定と安全に対する脅威を増大させている。

米司法省は先週、2020年の大統領選に影響を与えようとしたサイバー・キャンペーンをめぐり、2人のイラン人を刑事告発した。同省によると、Seyyed Mohammad Hossein Musa Kazemi(24歳)とSajjad Kashian(27歳)は、米国有権者の機密ファイルにアクセスした後、「有権者を威嚇するために脅迫的な電子メールを送信した 」とされる。

またこの2人は、選挙インフラの脆弱性をテーマにした偽情報ビデオを作成して流布しており、米国のメディア企業のコンピュータネットワークにアクセスしていたので、FBIとそのネットワークが動いていなければ、虚偽の選挙主張を行っていたとされる。

これが孤立した出来事ではないことを指摘しておくのは重要であろう。イラン政権は、ライバルと見なす国家や組織に対してサイバー攻撃を仕掛けてきた歴史がある。

例えば、2017年には「Cadelle and Chafer」と呼ばれるイランのハッカーグループがサウジアラビアに損害を与えるサイバー攻撃を行ったことを複数の情報機関や関係者が明らかにした。

また当時サウジアラビア政府は、「シャムーン」と呼ばれるイランの悪質なソフトウェア・プログラムが、サウジアラビア内の少なくとも15の政府機関および非政府機関のネットワークに対する攻撃に関与していたと通信会社に警告していた。

イラン政権は2012年に行われたサウジアラムコ社へのサイバー攻撃にも関与しており、この攻撃により石油大手サウジアラムコ社の全コンピュータの4分の3以上にあたる3万台のコンピュータが使用不能になった。同社への攻撃は今でも、国家の支援を受けたハッカーによるサイバー攻撃の中で最も被害と損害額が大きかった攻撃の一つと見做されている。

一方2017年には、民間のサイバーセキュリティ企業が、米国や韓国の航空会社やエネルギー企業への攻撃の背後にイラン人グループが存在すると特定したほか、英国の諜報機関はイランが数十人の英国国会議員の電子メールアカウントを標的にしていたと結論づけている。

さらに、イランに拠点を置く2人のハッカーが、2018年11月に米国の標的を対象とした一連のサイバー攻撃を行ったとして告発された。この攻撃は、病院、学校、国家機関を標的とし、アトランタ市を機能不全に陥れるものだった。

これらの主要機関のデータと引き換えに身代金の支払いが要求された。司法省の刑事部門の元責任者ブライアン・ベンツコウスキー氏は、この2人は「21世紀のデジタル恐喝を極端な形で意図的に行い、病院や学校などの脆弱な被害者、支払いができると分かっている被害者を攻撃して恐喝した」と言った。

イラン政権はまたそのサイバー戦略を利用して国内の反対派を黙らせたり、海外在住のイラン人、特に外交政策の決定や政権批判に影響力を持つ人々を監視している。

サイバー攻撃の背後にいる個人への制裁は正しい方向への一歩だがそれだけで十分とは決して言えない。米国や諸外国は、イラン政権のサイバー戦略とその資金調達を担当するイランのトップ組織や政治家に制裁を加える必要がある。

その代表的な組織がイスラム革命防衛隊だ。イスラエルに本拠を置く国家安全保障研究所は「IRGCの存在は、サイバー戦争の分野で同国を明らかに最高の先進国のひとつにしている。イランと西側諸国の間で緊張状態が生じた場合、イランは米国とその同盟国の重要インフラ、エネルギーインフラ、金融機関、輸送システムを(ターゲットにした)サイバー攻撃を仕掛けようとするだろう」と言っている。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ氏も重要な役割を果たしており、実際、サイバー政策を策定するためにサイバースペースに関する最高評議会の設立を指示している。

この評議会は、IRGCとイランの外交・国内戦略の重要な柱となっている。この評議会は最高指導者に直属しており、イラン政権はサイバープログラムの推進に多大な投資をしている。

このようなサイバー攻撃の背後にいる個人への制裁は正しい方向への一歩ではあるが決して十分とは言えない。

マジッド・ラフィザデ博士

イランのサイバー戦略は、攻撃的かつ積極的なものとして設計された可能性が高い。イラン政権はこれを、ライバルにダメージを与えるための効果的でコスト効率の良い手段と考えている。

一言で言えば、緊張が高まっている今、米国と地域の大国はイラン政権のサイバー攻撃に対抗する準備をしなければならない。

IRGC、サイバー空間最高評議会、最高指導者など、イラン政権のサイバー戦略を担当する有力者や組織への制裁を含め、適切な措置を講じる必要がある。

•マジッド・ラフィザデ博士は、ハーバード大学で学んだイラン系アメリカ人の政治学者。 ツイッター:@Dr_Rafizadeh

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