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アル・ウラー宣言で湾岸地域の緊張が心機一転している

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08 Dec 2021 09:12:56 GMT9

1月に、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が湾岸協力理事会(GCC)の他の加盟5ヶ国の首脳をアル・ウラーに招き、会談を開催した。そこで集団的和解プロジェクトを提案したのである。エジプト、米国、アラブ連合、イスラム協力機構の代表者の立会いの下、アル・ウラー宣言への署名が行われた。

その当時は、最も楽観的な人々でさえ次のようなことしか言わなかった。「状況を観察しましょう。この協定が可能なものかどうか、6ヶ月の検証期間を設けます。不和はいくつもあり、個別に、あるいは集合的に絡み合っています。和解プロジェクトは困難な譲歩をしない限り実現不可能です」

現在、アル・ウラー宣言への署名が行われてからほぼ一年になる。今ならそれが地に足がついたものであると言うことができる。この和解プロジェクトは徐々に前進しており、係争を引き起こす問題の大部分は法的なものから政治的なものに至るまで合意や取引がなされている。また、全ての政府が譲歩を行ったことにも言及しておかねばならない。湾岸和解プロジェクトに沿って心踊るような驚くべき合意が行われた。特筆すべきはエジプト・トルコ間のものだ。何度ものきめ細かい会議を経て実施に至った。

月曜、皇太子はマスカットに到着し、他のGCC5ヶ国の首都への歴訪を開始した。皇太子の歴訪は1月にアル・ウラーで始めたことを発展させることになるだろう。皇太子の訪問前に、和解プロジェクトの成果として、さらなる飛躍的進歩のニュースがあった。トルコがカタール首長の後援の下、サウジアラビアと和解プロジェクトの輪を拡大したい考えを表明した。2週間前、アブダビのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子がアンカラを訪問した。今週はUAEの国家安全保障問題担当顧問がテヘランを訪問し、イラン大統領と会談した。そしてここ数ヶ月の間、サウジアラビアとイランの会談がイラクの首都バグダッドにて行われている。

つまり、アル・ウラー宣言の成功の発表で1年が締め括られようとしているのである。これにより、湾岸地域のあらゆる分野の不協和が心機一転している。そのポジティブな効果はあらゆる地域的問題へと響き渡っており、緊張の大部分が緩和されている。

現実的に言えば、この地域の緊張の度合いや件数の増加は何もないところから端を発しているわけではなく、2011年の革命の間接的な影響である。それによって、この地域の国家が同時多発的に崩壊し、空白が発生した。そしてそうした国々の管理能力を大幅に超えた危機が起きたのである。その後そうした革命は失敗に転じ、リビア、シリア、イエメンの紛争へとつながった。この危機はイラク、スーダン、チュニジア、レバノンの安定を脅かし続けている。

1月にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が立ち上げた和解プロジェクトはあらゆる地域的問題にポジティブな効果を及ぼしている。

アブドゥラーマン・アルラシェッド

誰もが困難な10年間をくぐり抜けてきたということを思い出そう。この間、どの国も危機の渦中にある国や崖っぷちに立たされている国を救って混乱が広がるのを止めることを目指し、国境を守る同盟を求めていた。湾岸諸国と周辺諸国との不協和は、こうした総合的な緊張から生じたのである。

湾岸諸国の今年の取り組みで不和に終止符が打たれている。全関係国の譲歩と多岐に渡る詳細の上に和解プロジェクトが構築され、その結果はエジプトとトルコにも及んでいる。そこにイランも含まれることになったとは言えない。なぜならイラン政府との不和はさらに複雑で込み入っており、イエメン、イラク、シリア、レバノンなどの地域的問題に絡んでいるからだ。イランとの緊張を緩和することは、必ずしも和解ではなくても、集団的な地域的平和条約を実現するための有用な道として残されている。

それよりも重要なことは、こうした複数の和解プロジェクトが実地試験されており、アル・ウラー宣言への署名から11ヶ月を経て、成功が約束されているということである。和解の取り組みはサウジアラビア、UAE、カタール、バーレーンを超えて前進しており、地域全体により良い時代が待っている。

複合的な和解プロジェクトによって広範囲の保護網が構築され、危険な緊張がこの地域の周縁から中心地へと広がるのを防止できるようになる。遠方各地に敵対関係がある。イランとアゼルバイジャン、それに先立つアゼルバイジャンとアルメニアの件。それだけでなくトルコとギリシャの、そして最近ではエチオピアの内戦。それら全てが別個の係争であり、アラブの不調和の軸を餌にして我々を脅かす可能性があるのである。

  • アブドゥラーマン・アルラシェッド氏はサウジアラビアのジャーナリストで知識人。ニュースチャンネルのアル・アラビーヤの元ジェネラルマネージャー、アッシャルク・アルアウサトの元編集長である。
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