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エルサレムは紛争の中心地ではなく、平和への道しるべであるべき

2月18日、イスラエルに併合された東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で、パレスチナ人と活動家のデモ隊を排除しようとするイスラエル警察。(AFP)
2月18日、イスラエルに併合された東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で、パレスチナ人と活動家のデモ隊を排除しようとするイスラエル警察。(AFP)
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25 Feb 2022 04:02:12 GMT9
25 Feb 2022 04:02:12 GMT9

パレスチナとイスラエルの紛争の根源を理解したい人は、東エルサレムを訪れるだけでも十分だ。すべての主な紛争の火種が、そこにあるからだ。アムネスティ・インターナショナルは、4年にわたる綿密で包括的な調査の結果、イスラエルの支配下にあるすべての地域には、まったく異なる2つのシステムが存在していることを示す報告書を最近発表した。一つはイスラエルのユダヤ人の権利、平等、自由を尊重するシステム、もう一つはパレスチナのアラブ人の権利、平等、自由を否定するシステムである。

この人種差別は、シェイク・ジャラーを見れば一目瞭然だ。

さらに悪いことに、世話役を自任するユダヤ人入植者たちが、パレスチナ人家族を強制的に家から立ち退かせ、その家のユダヤ人の家族への引き渡しを実現させてしまうケースが増加している。イスラエル軍の力を借りて行われるこうした立ち退きは、明らかに国際法違反だ。第二次世界大戦後、ジュネーブ第4条約(民間人に関する条約)の起草にあたっての明確な目的は、まさにこの種の民族浄化を禁止することであった。

シェイク・ジャラーからそう遠くないところに、もうひとつのホットスポットがある。2014年、米国が支援してイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相とヨルダンのアブドゥラー国王の間で結ばれた協定により、イスラム教の第三の聖地であるアル・アクサ・モスクは、イスラム教徒のみが礼拝できるが、それ以外の者も訪問は認められるものと定められた。現在、イスラエルの治安部隊がユダヤ人過激派の礼拝目的の訪問を許可しているため、この合意への違反が常態化している。こうした違反は、政治的対立を宗教戦争に発展させる恐れのある、非常に危険な行為だ。

この違反の重大さにより、エルサレムのイスラム教聖地を管理するハシェミット家の当主であるアブドゥラー国王は、イスラエルの現首脳であるイツハク・ヘルツォグ大統領やナフタリ・ベネット首相とまだ公の場で面会していない(昨年内密には両首脳と面会している)。

シェイク・ジャラー地区の北、南、東側に、イスラエルは高さ8メートルのセメントの壁を建設し、パレスチナ人居住区を分断している。ユダヤ系イスラエル人のための道路は別に用意されているが、パレスチナ系住民、特に壁の向こう側でイスラエルの支配下にある住民たちによる基本的なサービスへのアクセスは拒否されている。約10万人のエルサレム市民が、イスラエルによるサービスや警備が不在の地域に住んでいるが、パレスチナ警察の立ち入りは許可されていない。こうした法的な中間ゾーンでは、暴力、麻薬、無法状態が蔓延している。

イスラエルの差別的な政策は国際法違反であるだけでなく、暴力と脅迫によって実行されている。エルサレムにおける緊張のため、占領地は戦闘地域と化し、乱暴な入植者たちが、投石でしか身を守れないパレスチナ人を日常的に攻撃している。

イスラエルの差別的な政策は国際法違反であるだけでなく、暴力と脅迫によって実行されている。

ダオウド・クタブ

イスラエルは、パレスチナ人が平和的な政治活動を行うことさえ頻繁に妨害し、人形劇のような無邪気なイベントでさえ、ラマッラーに本拠を置くパレスチナ暫定自治政府が資金を提供したり介在していたりすると中止を強いられることがある。昨年4月には、イスラエルが東エルサレムの郵便局を利用して不在者投票を行うことを禁じたため、パレスチナ指導部は総選挙を中止せざるを得なかった。この事態は、オスロ合意の下での約束を守る意思がイスラエル政府にないことを明白に示していた。

エルサレムでの情勢悪化や、占領地全域で日々起こる不法入植者とパレスチナ人の衝突は、この紛争に政治的な地平が存在しないことを反映している。パレスチナ政府は、イスラエルの占領者たちと対峙するには弱すぎるため、介入することができない。パレスチナ人は、将来への希望もなく、自分たちだけで占領者に抵抗しなければならないのだ。

紛争の平和的解決のためのあらゆる手段は、イスラエル政府によって阻止されてきた。イスラエルとその同盟国は、彼らがアラブ諸国を非難した1967年ハルツームでのアラブ連盟首脳会議での決議内容、つまりイスラエルに対しては和平も交渉も国家としての承認も行わないという「3つのNO」を自分たちでまさに行っているのである。ベネット首相は極右の入植者寄りの政党出身で、パレスチナ人と会談するつもりはないと明言している。彼はパレスチナのマフムード・アッバース大統領と会うことさえ拒否していることを自慢しており、二国家解決には強硬に反対し続けている。

これからも変わることなく、エルサレムは3大一神教の聖地であり、パレスチナ人、イスラエル人双方にとっての故郷であり続ける。しかし、多くの人が期待していたような平和への道しるべとしての役割は果たせているとは言えない。それどころか、エルサレムは紛争の中心地となってしまっている。エルサレムの現状を打開し、信頼できる和平プロセスを通じて政治的な希望をもたらす真剣な取り組みがなければ、暴力は簡単に制御不能に陥ってしまうかも知れない。

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