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アラブのNFTへの投資がトークン・ジェスチャー(名ばかりの行為)ではない理由

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08 Apr 2022 11:04:39 GMT9
08 Apr 2022 11:04:39 GMT9

インターネットを少しでも利用している人なら、NFT(Non-Fungible Token=非代替トークン)という言葉を聞いたことがあるはずだ。NFTは、この5年間にインターネットを席巻し、無数のコラム・インチと高いレベルの投資を生み出した。

NFTにまつわる騒ぎは、特に中東で顕著だ。Bored Ape Yacht ClubやMonkey Kingdomなどのトークン・コレクション、それに、時にはサルに関係のないテーマまでが好調で、中東の仮想通貨コミュニティはNFT市場に参加する意欲がを示している。

これは、潜在的なリターンを考えれば、大して驚くことではない。Bored Ape Yacht ClubのNFTは1年前に1枚250ドル程度で鋳造され、現在では325,000ドル近い価格を誇っている。NFTは伝統芸術の世界でも話題を呼んでおり、オークション会社のクリスティーズは昨年の3月に、デジタルアーティストのビープルの「Everydays:the First 5,000 Days」を6930万ドルという驚異的な価格で落札している。

トップラインの財務分析予測は、デジタルアートが主流となったことをさらに証明している。Emergen Researchの分析によれば、世界のNFT市場は2021年に501億ドルを記録し、2019年から2030年にかけて10.7%の複合年間収益成長率を記録すると予測されている。

さらに勇気づけられることに、現在始まりつつある新たなトレンドにより、中東がWeb3の最先端の地位を確立することになりそうだ。Web3はブロックチェーン技術を基盤にし、分散化やトークンベース経済などの概念を取り入れた新しいバージョンのインターネットといわれている。

中東のクリエイターやイノベーターたちは、もはや海外に投資するだけでは飽き足らず、自らプロジェクトを立ち上げているのだ。

奇妙で素晴らしいアラブ主導のNFTの世界にようこそ。

2月には、DAMAC Propertiesの会長アリ・サジワニ氏とYouTubeのスター、ラシェド・ベルハサ氏が支援するプロジェクトであるCryptoBear Watchが、100万ドル相当の時計などを含む購入特典とともに、1万NFTを鋳造する計画を明らかにした。

同月には、UAEのマーケティング会社Boredpumaが、ファッションと環境保護の融合を目指すため、ドバイを拠点とする小売店Splash Fashionsと提携したことを発表した。また、3月にはエジプト人アーティストのアヤ・タレク氏がNFTマーケットプレイスでエジプト初のアートコレクションを発表し、話題になった。

中東と北アフリカ初の女性オーナーによるNFTコレクション「Crypto Camels Club」は、イーサリアムブロックチェーン上に保管された最大1万個のCrypto Camelsを販売する予定だ。

アラブ発のプロジェクトに率先して取り組む最大のメリットは、地域の価値観や文化を反映させられることだ。

だが、なぜ、デジタル資産はこれほどまでに人気を博しているのだろうか?トークン化の技術的な性質の奥を見てみれば、人気が上昇している傾向は昔ながらのニーズによるものであることがわかる。NFTは、ポートフォリオを多様化したい人々にとって魅力的な投資先なのだ。

このセクターは今、豊かなチャンスに満ちている。だが、どの投資でも同じように、下調べをすることが重要だ。

ナスリーン・ファキヒ 

どうしてか?それは、好むと好まざるとにかかわらず、Web3は続いていくからだ。先月のGrand View Researchのレポートでは、メタバースの世界市場規模は2030年までに6788億ドルに達する勢いであると予測されている。私たちの生活がオンラインへと移行し続ける中、NFTのようなブロックチェーンに裏打ちされた資産はますます重要な商品となっていくだろう。

中東の政治家はこれを強く意識しており、最近、規制する動きが活発化しているのはそのためだ。

バーレーン中央銀行はいち早く行動を起こし、暗号資産サービスを管理する規制を2019年に施行した。UAEでは先月、ドバイの仮想資産規制庁が、NFTガバナンスの基準を設定し、投資家を保護する法的枠組みを構築していく意向を示した。一方、アブダビ総合市場は先月、UAEでのNFT取引に関する提案を発表した。

これらの動きと同時に、アラビア湾近隣諸国ではいくつかの注目すべき暗号資産取引のサクセスストーリーが生まれている。たとえば、バーレーンに本社のあるRainは今年初めまでに19億ドル以上の取引を処理し、1月にシリーズBファイナンスを通じて1億1千万ドルを調達した。これは、この地域の新興企業にとってこれまでで最大の投資案件の一つだ。

湾岸諸国の規制に対する積極的な姿勢は、国際的なブロックチェーンセクターの注目も集めているようだ。先月、世界最大の暗号通貨取引所であるBinanceは、ドバイとバーレーンから暗号資産ライセンスを確保したと発表した。また、UAEに拠点を置くビットオアシスも市場に参入している。

つまり、このセクターは今、豊かなチャンスに満ちている。だが、どの投資でも同じように、下調べをすることが重要だ。

戦略としては、過剰な宣伝に踊らされないようにすることだ。自分の興味や価値観に合ったプロジェクトに投資しよう。ネットワークづくりがしたいなら、NFTの多くが、活発な暗号資産コミュニティへの会員パスとして機能している。フリンジベネフィットに興味があるのなら、ロードマップを掲載しているプロジェクトを見極め、自分の優先順位と合う条件を約束しているものに投資しよう。

最後に、もし中東に住んでいるなら、現地のプロジェクトに投資することを検討してほしい。この地域は、現在進行中のメタバースの進化において主導的な役割を果たすために必要な創意工夫と専門知識、情熱をすべて有しているのだから。

だからこそ、アラブ発のNFTに投資することは、トークン・ジェスチャー(名ばかりの行為)ではないのだ。

  • ナスリーン・ファキヒ氏はNFTプラットフォーム「Crypto Camels Club」のチーフエグゼクティブ。
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