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イスラエルは現状維持合意への誠意を証明する必要がある

2022年5月2日、エルサレム旧市街のアル・アクサモスク敷地内でパレスチナとハマスの旗を掲げる仮面のパレスチナ人。(AP・写真)
2022年5月2日、エルサレム旧市街のアル・アクサモスク敷地内でパレスチナとハマスの旗を掲げる仮面のパレスチナ人。(AP・写真)
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06 May 2022 12:05:55 GMT9
06 May 2022 12:05:55 GMT9

イスラエルのヤーイル・ラピード外相は先月、エルサレムの旧市街、特にアル・アクサモスクの敷地における現状を尊重するよう求めるアラブや世界の高官たちの声に同意を示した。

しかし、同氏はただ同調の姿勢を見せただけなのか、それともその意味を理解していたのかは定かではない。というのも、アル・ハラム・アル・シャリフでは、特に第二次インティファーダが勃発した2000年9月以降、“現状維持”の約束は何度も破られてきたからである。1757年にオスマントルコのスルタン・オスマン3世によって始められた現状維持の合意は、イギリスの委任統治、ヨルダンの支配、そしてイスラエルによる占領の初期には持ちこたえていたが、その後何度も破られてきたのである。

2000年、当時の野党指導者アリエル・シャロンの挑発的な訪問に対する抗議行動にイスラエル警察が発砲して鎮圧した後、パレスチナ人は反乱を起こした。イスラエルはそれ以来、ユネスコ世界遺産であるアル・ハラム・アル・シャリフへの門の一つを通る入場に関して、ヨルダン側との調整を止めている。現在では、イスラエル兵だけがムグラビ門を守っており、この現状維持合意違反によって、イスラエルは聖地を管理するエルサレム・イスラム・ワクフ庁との調整も承認もなしに、非ムスリム(ユダヤ人と非ユダヤ人の両方)を敷地内に連れて入ることができるようになったのである。

ヨルダン・ハシェミット王国が設立したワクフ庁は、イスラム教徒に影響を与える約14万平方メートル(東京ドーム3個分)の敷地に関するあらゆる問題の規制を任されている。また、1200年以上(88年間の十字軍による占領を除く)にわたってイスラム教徒によって運営されてきたこの歴史的な場所を訪れようとする観光客の訪問を規制する役割も担っている。

イスラエルは、アル・ハラム・アル・シャリフとその多くの建物、庭園、モスク、学校、オフィスビル、イスラム博物館をめぐる問題について、ヨルダンからの再三の要請にようやく応え、会談と対処に合意した。敷地内には、元ヨルダン国王アブドゥッラー1世をはじめとする重要人物が眠る墓がある。

また、イスラエルは16年前から、「黄金の門(バブ・アル・ラーメ)」をイスラム教徒が使用しないように一方的に命じていた。この地域の小さなモスク(イスラエルの過激派がユダヤ教のシナゴーグ(会堂)にしようと目をつけていたと考える人もいる)は、2019年にエルサレムで新たな、より活動的なワクフ評議会が設置された後、奪還された。

2014年、ヨルダンはジョン・ケリー米国務長官の助けを借りて、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と合意を取り付けた。しかし、「アル・アクサの礼拝はイスラム教徒が行い、それ以外の人は訪れるのみ」としたその合意は繰り返し、破られてきた。重武装したイスラエル軍の保護のもと、ワクフ評議会との調整なしにイスラエル人が敷地内に入り、時にはユダヤ教の祈りを口にした。

「ムグラビ門の鍵」の問題は、エルサレムのワクフ評議会とともに、ヨルダン政府がイスラエルと交渉する際の最優先事項であるべきだ。1967年にイスラエルに奪われた鍵(2003年までヨルダンとの協議が続いた)を返還し、ワクフ評議会が雇用する警備員を配置し、すべての門の警備状況を同じにすることである。現在、ムグラビ門だけが二重の警備――武装したイスラエル人警察官と、ヨルダンのワクフ庁が配置する非武装のパレスチナ人警備員――をしていない。

ムグラビ門にワクフ評議会の警備員が復帰すれば、ヨルダンとイスラエルは、礼拝のない時間帯の訪問の調整など、他のすべての問題を解決することが可能になるだろう。礼拝以外の訪問は、アル・ハラム・アル・シャリフのすべての広場とモスクがイスラム教徒の礼拝者で埋め尽くされる金曜日とイスラムの主要な祝祭日を除く、礼拝のない時間帯に行うことができるようになる。「みいつの夜(ライラト・ル・カドル)」とラマダンの最後の金曜日には、25万人以上のムスリム礼拝者がアル・アクサモスクで祈りを捧げた。大勢のイスラム教徒が集まる祝祭日の時期に訪問を主張するのは、ほとんど意味がない。

ムグラビ門にワクフ評議会の警備員が復帰すれば、ヨルダンとイスラエルは、他のすべての問題を解決することが可能になるだろう。

ダオウド・クタブ

もうひとつ、観光客の訪問に関する問題も解決しなければならない。従来は、入場券を入手し、手数料を支払う必要があった。この問題も、イスラム教第三の聖地であるモスクの敷地の神聖さを尊重し、服装や振る舞いの面で秩序ある訪問を可能にする方法で規制されなければならない。

イスラエル政府高官たちの現状維持合意に対する誠意は、過激なユダヤ国家主義者が強制的に作り出した緊張状態を排除することで証明されるだろう。非イスラム教徒の訪問が規制され、神聖さが尊重されるようになれば、イスラム教徒が聖地の支配権を失うことを懸念し、同地を守るために動員される必要もなくなるだろう。

イスラム教徒が祈ることができ、他のすべての人が訪れることができる、秩序ある安全なアル・ハラム・アル・シャリフの使用を保証する、明確な機会がそこにある。

  • ダオウド・クタブ氏は、エルサレム出身の受賞歴のあるパレスチナ人ジャーナリストである。ツイッター: @daoudkuttab
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