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安全保障のカギを握るサウジアラビアの中東同盟

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07 Aug 2022 11:08:30 GMT9
07 Aug 2022 11:08:30 GMT9

最近起きた2つの出来事は、サウジアラビアの地域政治勢力としての地位を、おそらく以前にも増して確固たるものにしている。1つ目の出来事は、ジョー・バイデン米大統領が、中東における米国の影響力をより明確にすることと燃料価格の高騰に対する解決策を見出すことを目的に訪問し、予想とは異なる中東を目の当たりにしたことである。

2つ目の出来事は、バイデン氏がGCC、エジプト、イラク、ヨルダンを集めたジェッダ・サミットの準備のために会合や訪問を行ったのと同様に、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下も独自の会合を行っていたことである。皇太子殿下はカイロ、アンカラ、アンマンを訪問し、サミットの他の出席者の一部との代理会談と相まって、その訪問は広く称賛された。

その結果、中東の優先事項を前面に押し出した、明確なアジェンダが準備されたのである。西欧諸国は長い間、サウジアラビアの重要性を、その宗教的意義と石油生産による経済力に基づくものと見てきたかもしれないが、その様相は今や大きく異なっている。この地域には間違いなく、欧米の影響力に取って代わることができ、そしてそうするべきである、地政学的な一大勢力が存在する。

しかし国際関係の観点から見ると、この数週間は、中東の力関係の歴史的な混乱を意味するものでもあった。ジェッダ・サミット直後に、テヘランが核兵器を開発する力を得たと発表したことは、むしろ中東の勢いをそぎ、この地域の勢力図を複雑にした。

バイデン氏の訪問、皇太子殿下の各国訪問、そしてジェッダ・サミット開催中における、テヘラン陣営の深刻な不安は、核開発のマイルストーンの発表によって相殺されたかもしれないが、この発表は、少なくとも国際社会が長く期待していた形での核取引の見込みがなくなったことを意味するものでもある。

今や、地域の安全保障の観点から、誰もがイランの発表を非常に懸念しているに違いない。インプットが変われば、対応策や全体的な方向性も変わるべきなのである。地域の関係者すべてが、情勢を安定させる役割を担っている。したがって、イランを封じ込めるべき時が来たとすれば、それは今なのだ。

そのおもな当事者は、サウジアラビア、米国、ヨルダン、イラクなどである。イスラエルを含めれば、少なくとも理論上は今の状況を維持することができるが、テルアビブの核戦力と、特にイランに対する地域の不安定さを考えると、それは避けなければならない。なぜなら、現時点においてこの地域でもっとも避けたいのが、核のにらみ合い状態になることだからである。

これらの当事者が果たすべき役割を個別に検討すれば、全体的なアプローチを策定できるだろう。

中東のサウジアラビアには間違いなく、欧米の影響力に取って代わることができ、そしてそうするべきである、地政学的な一大勢力が存在する。

モハメド・アブ・ダルフム

サウジアラビアとしては、おもに2つのアプローチで政治力を引き続き強化していく必要がある。第1に、地域関係の改善を進め、中東諸国、特にヨルダンとイラクとの関係を強固にすべきである。第2に、米国と中国の双方から、地域の政治経済的スタンスとソフトパワーを強化する方法を学ぶべきである。

これには、地域内でより多くのビジネス取引を行うこと、直接投資を検討すること、さらには安定した投資収益をもたらすインフラ開発プロジェクトを直接実施することも含まれる。最終的な目標は、この地域の主要戦略国においてもっとも重要な外国投資家になることだ。

一方、ヨルダンは、サウジアラビアへの政治的支持を明確に示し、同国との多面的な関係の重要性を強調する必要がある。また、大統領職と議会という二大勢力を通して、欧州や米国と連携し、提言していく必要がある。

特に、イランがサウジアラビアやイスラエルと対立する可能性がある場合、地政学的に不安定な立場に置かれることになるため、ヨルダン自身も利害関係があり、懸念を感じているに違いないことを考慮することも重要だ。

イランとの対話チャンネルが開かれているイラクの役割は大きい。ムスタファ・アル・カディミ首相は、リヤドとテヘラン両国との関係を均衡させる能力があることを証明しており、したがって、両国を会談再開に近づけることができる。さらに、イランを1980年代の孤立した革命国家と見なすような時代遅れの概念に我々が決してとらわれることがないように、イランの意図を明確にすることもできる。

最後に、イランに対する制裁が極めて不十分であることが明らかになった以上、米国はイランに対するカードを再編成し、アプローチを活性化させ、制裁以上のことを行うべきだ。また、2024年の大統領選挙による大統領交代の可能性を見据えて、迅速かつ賢明に行動しなければならない。そして、何らかの行動を起こす前に、地域の関係者と協議する必要がある。

要するに、欧米が中東を支援したいのであれば、パートナーを通じて支援するだけでよく、自らの誤った介入は控えるべきということだ。実際、トニー・ブレア研究所の最近の報告書では、西欧諸国は中東の近代化に関して多くの誤解を抱いていることが明らかにされている。この地域は現在、その力関係を理解するという点でははるかに良い位置にあるが、この地域の主要な関係者は、状況を安定させるために必要なものを備えているのだ。

  • モハメド・アブ・ダルフム氏はMENAACTIONの社長であり、NAMAストラテジック・インテリジェンス・ソリューションズのシニア・リサーチ・アナリストである。
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