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パレスチナ人には国家樹立をかけた戦いを国連に持ち込む権利がある

パレスチナ指導者ら、国連にパレスチナに関する新たな特別委員会の創設を求める。(AFP)
パレスチナ指導者ら、国連にパレスチナに関する新たな特別委員会の創設を求める。(AFP)
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16 Sep 2022 12:09:25 GMT9
16 Sep 2022 12:09:25 GMT9

イスラエルが建国宣言をする1年前、国連は「国連パレスチナ特別委員会」(通称UNSCOP)を設置し、拡大する紛争を調査し、解決策を模索することとした。

当時のパレスチナの指導者たちは、参加する代わりに、自分たちが好まないことすべてに対するパレスチナの政治的な答えとなることを実行した。彼らはそれをボイコットした。4カ月後、特別委員会はパレスチナを2つの国に分割する案を提案した。

国連が提案したパレスチナ分割案は、非ユダヤ人が圧倒的に多い1つの国家と、ユダヤ人と非ユダヤ人が均等に分割された2つの国家を推奨しており、最初から失敗することが運命づけられていた。さらに悪いことに、提案された国家は、重なり合ったチェッカー盤であり、崩壊し、さらなる紛争を助長する運命にあった。その結果どうなったかは、周知の通りである。

今週、世界がパレスチナ人のための正義から遠のき続け、パレスチナ人の指導者たちが自分たちの嫌うあらゆる解決策に拒否的なアプローチを続ける中、パレスチナの指導者の一部(市民社会の様々な分野から50名、パレスチナ解放機構執行委員会のメンバー1名、パレスチナ解放機構(PLO)中央委員会のメンバー1名を含む)が、国連に対して再び特別委員会を設けるよう求めている。

彼らは、今週第77回の総会が始まった国連に、約75年前に最初の委員会が果たせなかったことを完成させるために、パレスチナに関する新たな特別委員会(UNSCOP-2)の創設を求めている。

もちろん、悲劇的なことに、現在のパレスチナはかつてないほど分裂している。離散して散らばった彼らは、内部で小競り合いと紛争を起こしており、指導者たちをまとめるのは至難の業である。

しかし、イギリスや国連が予想もしなかった、当時のシオニスト指導部が計画したイスラエルの残虐なアパルトヘイト体制の下で暮らす、最初の国連パレスチナ特別委員会(UNSCOP)の余波をなんとか生き抜いてきたパレスチナ人達が、離散を放棄し、なすべきことを行えば、何かが変わるかもしれない。

第2特別委員会(UNSCOP-2)の提唱者は、国連が今後数週間の会議でこの計画を受け入れ、「4カ月以内に、イスラエル・パレスチナ紛争を終結させる包括的な計画を作成し、その計画を総会に報告する」ことを望んでいる。

国連に頼ることがパレスチナの唯一の希望であろう。国連は、パレスチナ人が何世代にもわたる移住と抑圧に対して誠実な支援を得られる唯一の場所であり、現在パレスチナの将来を握っているアメリカの政治システムの嘘や歪曲とは全く別物なのだ。

アメリカの2つの政党とそのリーダーのレトリックや態度の違いはともかく、ジョー・バイデン大統領の政権がドナルド・トランプ前大統領の政権とまったく変わらないことは明らかである。共和党の路線はまったく一方的なアプローチであり、民主党の路線は偽善的なハッピートークと意図的な約束違反であるが、最終結果は同じである。

国連は、パレスチナ人が何世代にもわたって強いられてきた移住と抑圧に対して、誠実な支援を得られる唯一の場所である。

レイ・ハナニア

このように説明させていただきたい。パレスチナ人は囚人だ。トランプ政権下では、刑務所が囚人を餓死させてしまった。バイデン政権の下では、刑務所はパンを約束したが、パンを提供するどころか、パンくずを差し出しただけだった。悲しいことに、自由に飢えている時は、パンくずは実際よりもずっと魅力的に見えるものである。

パレスチナ人は、正義と国家樹立の必要性を、イスラエルに政治体制をきつく締め上げられているアメリカ人の手から引き離す必要がある。巧みな広報宣伝活動、戦略的な政治資金調達の取り組み、そして単にパレスチナ人よりも外交がはるかに優れているという理由によって、イスラエルはパレスチナに関してはアメリカの政治に影響を与えることができるのである。国連に問題を移して初めて、パレスチナ人は希望を持つことができるのだ。

占領地のパレスチナ人も、恨み、怒り、制御不能の感情で煮えたぎる、機能を果たしておらず分裂している離散同胞の取り組みから抜け出す必要がある。

UNSCOP-2は、オスロ合意の失敗と、1995年11月にイツハク・ラビン氏が暗殺された日にイスラエルの右派によって絶たれた古い和平プロセスの失敗を消し去るための新しいキャンペーンを始めるには最適の場所であろう。

ジューイッシュ・ピース・ロビーのリーダーを含むUNSCOP-2の提唱者たちは、「UNSCOP-2を設立するために国連に行くというアイデアは、2012年にイスラエルのシュロモ・ベンアミ元外相、ハビエル・ソラナ元欧州連合高等弁務官、パレスチナ新構想のコンサルタントを務めているピース・コンサルタンシーの創設者ジェローム・シーガル氏によるニューヨークタイムズ紙のエッセイで初めて登場した」と述べている。

彼らはラマッラーでの最近の記者会見で、UNSCOP-2は「国連がパレスチナ国民とイスラエル国民の間の人間同士の平和を作るための媒介となる、新しい紛争解決プロセスを生み出すだでしょう。この新しいプロセスは、イスラエルの政治と国際社会、特に米国における政治を、最終的にはラビン首相や(エフード)オルメルト首相のように、平和のための真剣なパートナーとなるイスラエル政府を誕生させる形で変革できると思われます」と主張した。

私は彼らに同意するし、パレスチナ国家の実現を願う離散しているすべてのパレスチナ人もそうであるべきだ。

  • レイ・ハナニア氏は、受賞歴のある元シカゴ・シティ・ホールの政治記者であり、コラムニスト。彼の個人ウェブサイトwww.Hanania.comを通して連絡を取ることが可能。Twitter@RayHanania

 

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