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サウジアラビア発展の中心となる教育

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22 Sep 2022 06:09:08 GMT9
22 Sep 2022 06:09:08 GMT9

教育は常にサウジアラビアの発展の中心であった。建国記念日を祝うにあたり、短い期間でなされた功績を思い出し、感謝し、誇りに思うと同時に、将来の課題や発展を予期し備えることが重要だ。

私たちが教育において大きな発展を遂げたことは間違いない。1960年代前半には男性で約15%、女性で2%以下という低い識字率だったのが、現在では男性で99%、女性で96%にまで達している。

また、女性は高等教育を含め、男性とほぼ同じ割合で教育に参加しており、イスラム圏において女性の教育水準が最も高い国の1つとなっている。

注目すべきことに、2018年、自然科学、数学、統計学分野においてサウジの大学卒業生の66%を女性が占めた。これは、先進国を含む他の多くの国々よりもはるかに高い割合である。

このような教育の発展の成果として、サウジの大学が国際的なランキングに入るようになっている。また、成績優秀な若者が各分野で国際的な賞や表彰を受けるニュースに私たちは日々歓喜している。

教育省は国内最大の公的機関の1つであり、政府は年間予算のうち最も大きな割合を一貫して教育に割り当てている。

2019年の時点で、大学前の一般教育に在籍する学生は640万人で、約82%の学生が公立学校に通っていた。

また、大学には約160万人、技術・職業教育には20万人近くが在籍している。

これは、様々なレベルの教育に在籍する人口のうち、今後数年の間に卒業し、雇用市場に参入する人数の約20%に相当する。

サウジアラビアにとって失業率は依然として大きな課題であり、以前は多くの人が、必要な知識、スキル、才能を持った人材を雇用市場に提供できないのは教育制度のせいだと非難していた。

そこで、この数年間、教育省は教育制度の抜本的な転換を実施・運用するために尽力してきた。

サウジアラビアのビジョン2030は、2016年にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が構想し立ち上げたもので、王国経済を石油ベースから複数ベースに多角化させ、特に観光、産業、テクノロジーなどの分野に重点を置くことを目指している。

新たな改革は、雇用市場とその将来の需要に関連する学問分野への就学を促進するものである

マハ・アキール

また、外国投資の促進、国有資産の民営化、民間企業の雇用創出、そして、非石油輸出をサウジの全輸出の50%に拡大させ、ポスト石油時代の繁栄に向けた正しい軌道に乗せることを目指している。

この経済的変革には、若者が将来の仕事に適したスキルを身につけ、地域および世界の雇用市場で競争できるように、教育制度を近代化し、サウジの人的資本を強化することが必要である。

将来の知識集約型経済における期待に応えるため、政府は、批判的思考を重視した現代的な学校カリキュラム、教師の再教育、最新鋭の新校の建設、学校システムの分散化など、根本的な教育改革を進めている。

サウジアラビアの新学期は、ビジョン2030の目標を反映した教育制度の発展と見直しを継続し、構造とカリキュラムにおいていくつかの根本的変更を行うことで始まった。

今年、公立学校と大学で実施された教育制度の変更の1つとして、2学期制から3学期制に変更し、その間に短い休暇が設けられたことが挙げられる。

教育省によると、その目的は国際的なベストプラクティスに歩調を合わせ、学校日数の差を縮めることだという。

同大臣によると、新学期は13週間に延長され、間に7日間の休暇が入るほか、長い週末を組み込んだ12日の休日も含まれる。

さらに重要なのは、カリキュラムの抜本的な変更で、哲学、批判的思考、デジタルスキル、音楽などの新しい科目が導入される。また、英語は中級からではなく、初級から教えられることになる。

これらに加えて、宗教教育科目の比重が下がり、見直しとイスラムの穏健な教えを支持しない内容の審査がなされた。

したがって、新たな改革は、雇用市場とその将来の需要に関連する学問分野への就学を促進するものである。

前述の変更に加え、サウジアラビア全土でスマート教室とデジタル教育管理システムが導入され、教科書は最新コンテンツを提供するモバイル機器に交換され、印刷試験はオンライン評価に移行し、高等教育では、研究センターや専門大学の開設が進んでいる。

政府は高等教育の質保証をより一層重視し、公立・私立を問わず教育機関の学術認証に力を入れている。

また、ユネスコによると、サウジアラビアは国外に送り出している学位取得を目指す学生数において、世界上位10カ国に入っている。

2017年にはサウジアラビアの全高等教育機関の学生のうち実に5%が海外留学していた。これは世界的に見ても高い国外への学生移動率と考えられ、政府の大規模な資金援助により維持されている。

持続可能な発展のためには、サウジの人的資本に対するこのような投資が必要だ。

変化は簡単には起こらない。しかし、明確なビジョン、計画、実行のためのステップを立て、自信に満ちた強いリーダーシップのもとで共同の取り組みと調整を行えば、将来に向けて軌道に乗ることができるだろう。

建国記念日に、私たちは誇りを持って功績を祝い、大きな希望と決意を持って未来に目を向ける。

  • マハ・アキール氏はジェッダを拠点とするサウジのライターである。ツイッター: @MahaAkeel1
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