土曜日に開かれるアラブ連盟の緊急会合では、トランプ大統領の中東和平案について議論が交わされる。この和平案はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の同席のもとでホワイトハウスで提案が発表されたものだが、パレスチナ人やアラブ指導者は出席していない。この件について、アラブ諸国は自分たちの立場を誇張することなく明確にしなければならない。
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、アメリカの和平案を受け入れないならば、パレスチナは「対案を出すべきだ」と述べている。
しかしパレスチナを含むアラブ側はすでに案を出しており、今は返答を待っている状態なのだ。
2002年にベイルートサミットで採択されたアラブ平和イニシアチブは、公平で合理的で公正な和平案であり、アラブとイスラエルの長年にわたる紛争に対する妥当な解決策となる。アラブ平和イニシアチブは国際法を認め、イスラエルにも合理的な和平提案である。また、アラブ世界が認められ、その主義主張が守られ続けるのに違いない。
この和平案では、アラブ人が1967年に占領したすべてのアラブ地域から撤退し、合意によるパレスチナ難民問題の解決の見返りに、イスラエルとの関係を正常化することになっている。アラブ諸国はアラブ平和イニシアチブについて満場一致で支持しており、イスラム協力機構も賛成の立場を取っている。
パレスチナが受け入れられるような妥当な合意にアラブ諸国が同意する、あるいはパレスチナが受け入れられないような合意にアラブ諸国が反対する、という姿勢をアラブ諸国として明確に示すことはさほど難しいことではないだろう。
多くのパレスチナ人はアメリカが提案した和平案の受け入れを拒否している。すべての派閥、市民運動、パレスチナ人の政治指導者、そして市井の人々は、この一方的な和平案に反対という意見を持っている。実際、火曜日にアメリカが自国の政策を曲げてまでパレスチナ人の再招集にこぎつけたとき、ハマスとイスラーム聖戦の代表者はパレスチナの指導部と協調して、アメリカの和平案に対して一致して反対することで話がまとまっている。パレスチナのマフムード・アッバス大統領も、ガザで開かれる国家統一対話会議に出席することに同意している。
アラブ側の和平案を何度も表に出し、パレスチナと連携することで、パレスチナだけがこの問題に取り残されているのではないと、アラブ連盟はしっかりと伝える必要がある。アラブ連合は独自の政策と方向性を保つために、パレスチナの政治的立場に関係なく、パレスチナの指導層に対するセーフティーネットを用意しなければならない。それだけではなく、すべてのアラブ人とイスラム教徒が後押しする今の状況を守るために、パレスチナの人々へ経済的な支援策を実施し、彼らが直面することになる犠牲を和らげる必要がある。
パレスチナが意見を明確に示し、アラブの同胞がそれを支持することは重要であるだろう。その一方で、反対する立場にある人たちは、これから公に宣言され、何度も表明されていくべき方針から目をそらす目的で、暴力的な行動に走ることは避けなければなるまい。
アラブ側は、アメリカが和平案立案の際に出した妙なコメントに直接的な反応をするのではなく、パレスチナ人とアラブ人の権利に焦点を当てる必要がある。
ダウド・クータブ
アラブ側は、アメリカが和平案立案の際に出した妙なコメントに直接的な反応をするのではなく、パレスチナ人とアラブ人の権利に焦点を当てる必要がある。
今回の合意は、3月のイスラエルの選挙だけでなく、場合によってはアメリカで行われる11月の世論調査とも直接関係する可能性も、念頭に入れておくことが大切である。もう場をかき乱すときではない。喚き散らすことなく、方針を守ることが重要だ。必要なのは長期的な戦略プロセスである。それは、性急な手直しではなく、国際法に基づく枠組みを通じて平和と正義をもたらせる、明確な合意と、統一がなされた尽力によるプロセスだ。