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パレスチナとイスラエルの交渉はアラブの支援によりのみ可能である。

11 Feb 2020
ドナルド・トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ氏は新たな中東平和計画の提案をワシントンのホワイトハウスの東の間で発表した。
ドナルド・トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ氏は新たな中東平和計画の提案をワシントンのホワイトハウスの東の間で発表した。
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先週、UAE外務大臣がニューヨークタイムズに掲載された記事をリツイートした。ドナルド・トランプ米大統領の“世紀の取引”平和計画を拒否したパレスチナを批判する意見論文は“パレスチナが’No’と言う度彼らは失敗する”と題された。アラブ連盟から却下はされたが、アラブ界ではパレスチナに交渉を持ちかける声が多く寄せられている。彼らの視点では、パレスチナはイスラエルと交渉すべきであり、対イスラエル強硬派としての刻印を押されるべきではないと考えている。

同時に、アラブ首長国連邦アンワール・ガーガッシュ氏は“アラブ首長国連邦は原因経路を損なわれる事が現地で無い事を確証するため、パレスチナとイスラエルの同時者間の対話と直接交渉への支援の必要性を明確に示している。”と述べた。また、アル・アラビア編集委員会の委員長であるアブドゥッラフマーン・アル・ラーシド氏は論説に“経過の条件が変わってしまう前に必ずしも有利でなくても対話の機会を掴み、今あるチャンスを探求する事がパレスチナにとって不可欠である。”と記している。

これは理論上では正しいが、実際には非常に困難である。トランプ大統領が提案する取引で、パレスチナとイスラエル間で起こりうる交渉は大きな問題に直面している:パワーバランスが取れていない上、交渉開始の基準点が非常に低いのだ。イスラエル側は譲歩に対して非常に屈強で、パレスチナ側は譲歩を持ち掛けるには弱腰すぎる。提案された取引に基づいた交渉はイスラエルによる要求が出されそれをパレスチナが“受け入れる”形になるだろう。

実際に、ヨルダン川西側の主要な土地と引き換えに無価値な帯状の砂漠地域を引き渡す事を除けば、取引は現状の反映以外の何物でも無い。金銭要因でもあるが、パレスチナの貧困は経済によるものでなく政治によるものだ。彼らの貧困は人や物資の移動自由の欠如によって生じていて、資源不足が原因ではない。また、取引はパレスチナに主権を与える様に見せているが、実際には自主性を切り離した南アフリカ式バンツースタンを与えているだけである。交渉はベンヤミン・ネタニヤフ政府にとって、平和に関心を抱いている、または平和を求めている事を国際的コミュニティに示す良い活動になるだろう。しかし、最終的な交渉相手であるパレスチナ自治政府権限のもと少なくともヨルダン川西側では状況は収拾されているため、イスラエルは平和的合意を必要としていない。

一方、パレスチナは米国の“誠実な”仲介は期待できない。計画が発表された時、計画は米国とイスラエルを愛する者たちが準備したとトランプ大統領は言った。さらに彼はパレスチナをユダヤ人の古来の住居だと言い、パレスチナ人の先住民としての土地の権利を述べなかった。当初からこの計画はイスラエル側に有利で非常に屈折していた。ネタニヤフ氏にとっての平和的計画とは、パレスチナ側が服従を受け入れる事なのだ。

パレスチナは交渉能力が無く仲介人がすでにイスラエル寄りであるため、パレスチナ寄りのペルシャ湾側アラブ諸国がトランプ大統領に対案を題さない限り公平な交渉は実現しないだろう。パレスチナは米国との影響力がありイスラエルはパレスチナとの強い関係の構築を切望している。アラブ諸国との“内密提携”が報告されているが、完全な正規化無しで本当に強い関係は起こりえない。イスラエルは貿易強化の約束と対イラン共同戦線の形成を求めている。アラブ諸国はイスラエルの譲歩を求めて、トランプ大統領とネタニヤフ氏を支持し肯定的および否定的動因を提示することでバレスチナを支援するだろう。

イスラエルは少なくともヨルダン川西側での状況の収拾が取れている事から、平和的合意を必要としていない。

デイニア・コレイラット・ハティーブ博士

しかし、問題は他にもある。アラブは情勢に対する倦怠感だ。1960年代70年代のパレスチナの大義に対する熱狂は消えつつある。アラブ諸国はそれぞれの問題で手一杯だと感じているのだ。彼らは、イランの拡張主義やトルコの領域への新たな熱望の方がイスラエルよりも脅威だと見ている。事実、仮にイランの脅威が増せば、アラブ諸国はイスラエルとの対テハラン共同戦線形成の必要性を主張することになる。一言で言えば、パレスチナの大義は最優先ではなくなるのだ。

倦怠感の他の原因は、パレスチナ政治を立て直すことは不可能であるため、アラブ諸国にとって支援は無益だからだ。激しい内紛がパレスチナ前線を分断しているのだ。ハマスとPLOをまとめようとしたサウジアラビアのこれまでの努力をよそに、彼らはいまだにパレスチナ人のリーダーシップについて争っている。これに加えて、汚職も大きな問題だ。アラブ諸国の寛大な寄付の大部分がパレスチナの大義の裏で利益を上げる幹部達の懐へ消えたのだ。

しかし、アラブ諸国はこの問題に対して現実的な取り組みを取るべきである。近道は無い。問題を今回限りにしたいのであればペルシャ湾側アラブ諸国はパレスチナ側により関与するべきだ。そうでなければ、関係の無いトルコやイランが飛びついて大義の擁護をすることになるだろう。

  • デイニア・コレイラット・ハティーブ博士はロビー活動にフォーカスを当てた米国−アラブ関係の専門家です。ハティーブ博士はエクセター大学の博士号を取得しています。イサム・ファレス研究所とベイルートアメリカ大学の公共政策と国際問題に関する提携学者です。
  • 免責条項:当項目で表明された見解は著者独自のものであり、アラブニュースの視点を反映したものではありません。

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