
北京:中国は金曜日、湖北省外の2つの刑務所で200人以上が陽性診断を受けたことで、新しいコロナウイルス感染例が増加した、と報告した。
中国での感染拡大が世界的な流行になることを国際的関係機関が防ごうとする中、G20主要経済圏の財務相らは週末にかけてサウジアラビアで会合に出席し、経済リスクについて議論する予定だ。
中国では、12月に野生動物市場でCOVID-19と呼ばれるウイルスが出現した湖北省とその省都・武漢を中心に、75,400件超の感染例と2,236人の死者が確認されている。
金曜日、同伝染病拡大への怖れから、資金が安全な対米資産に回避し、ドルが3年ぶりの最高値まで上昇した一方、アジア株は落ち込んだ。
NABのシニア為替ストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は「COVID-19への不安は、北京と中国以外でのウイルス発生の懸念の中で、これまでにないレベルに達した」と述べる。
日本とシンガポールは不況寸前であり、韓国は金曜日、感染拡大により世界的にサプライチェーンが混乱し、中国への輸出が2月に入ってからの20日間で不振であると発表した。
中国本土では国家衛生健康委員会の発表によると、2月20日時点で889件の新たな症例が確認され、前日の394件から増加した。死者の数は事実上の封鎖が続く武漢を中心に118人増加した。
北部の山東省と東部の浙江省の2つの刑務所でも感染が確認され、湖北省以外での新たな感染例258件のほとんどを占めている。
数日にわたり感染が前向きな傾向を示したが、中国共産党の人民日報は、勝利が間近と考えるのは過ちであると警告した。
「盲目的な自信に惑わされれば、流行は回復し、無防備な私たちを食い物にするでしょう」と人民日報は述べた。
公式発表に基づくロイターの集計によると、このウイルスは中国本土以外の約26の国と地域でも現れ、11人の死者を出している。
韓国は、新たな52件の感染例が確認されたと発表しており、国内の合計は156人に達した。その大部分は、人口250万人の都市テグで確認されている。同都市では、ある教会での、当局曰く「スーパー・スプレッディング現象」により大量の感染者が発生し、未だ検査中だが、400人以上の教会メンバーが症状を示していた。
香港では69件の感染例と2人の死者が確認されており、火曜日の宴会後に1人の警察官が陽性と診断されため、数十人の警察官が検疫を受けた。
もう1つのホットスポットは、2月3日から日本で隔離されているクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号だ。
日本政府は、検査結果が陰性の乗客の下船を許可した。今週は数百人が下船し、金曜日にさらに下船する予定だ。
木曜日、日本は高齢の乗客2人の死亡を報告した。中国以外で最も大きな感染集団を構成する、630人以上の感染者を出している船の乗客のうち、初の犠牲者である。
政府による船上検疫のやり方に批判が集まる中、菅義偉内閣官房長官は死亡した乗客の1人は2月5日に発熱したものの、12日まで船から移動させられなかったことを発表した。
時事通信によると、東京都は、7月のオリンピック開催に備え、大規模な屋内イベントを3週間中止または延期すると発表した。
G20の財務相らが会合の準備をする中、IMFはウイルスが経済成長にどのような影響を与えるかを見極めるには時期尚早だと述べた。
IMFのクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事は、中国の急激な落ち込みとウイルス封じ込め後の急激な回復により、「影響がV字を描くだろうと引き続き期待しています」と述べた。
「しかし、影響がやや延びるU字のような違ったシナリオになる可能性は除外していません」
中国商務省は、企業を支援するためにさらなる経済的措置を検討していると述べた。
中国科学技術省の徐南平次長によると、コロナウイルスの最初のワクチンが4月に臨床試験に提出される予定だ。
ウクライナでは感染への怖れが暴力を引き起こし、警察と衝突した町の住民らが、湖北省からの退避者を検疫センターまで運ぶバスの車列に対してタイヤを燃やし、物を投げつけた。
中国から退避した米国民も差別に直面している。
8歳の娘デイジーと自宅隔離されたエイミー・デン氏は、病気を広めるのではないかという懸念から近所の人が警察に電話をかけた、と話した。
「すでにパニックに陥っていた人々は、この噂を作り上げて流布し、私たちにコミュニティで暮らすことでさえするなと告げた」と、カリフォルニア州サンタローザの鍼灸師であるデン氏は語った。
Reuters