• 研究で、サウジアラビアが他の地域に比べて気候変動のペースが加速しているという厳しい現実が明らかになった
• サウジアラビアは、自然資本の保護・保全・回復などの緩和措置を講じている

アラブニュース

ジェッダ：10月8日から12日まで、中東・北アフリカ気候週間がこの地で開かれた。その中で発表された重要な報告書で、摂氏3度上昇した世界でサウジアラビアが直面し得る問題が明らかになった。

「気候の未来の報告書：気温が3度上昇した世界におけるサウジアラビア」と題する報告書で、サウジアラビアが他の地域に比べて気候変動のペースが加速しているという厳しい現実が明らかになった。

この133ページの研究報告書を作成したのは、キング・アブドゥラー科学技術大学（KAUST）、AEONコレクティブ、キング・アブドゥラー石油調査研究センターである。

同報告書は、世界の平均気温は今世紀末までに、産業化以前の1850年から1900年に比べて3度近く上昇する可能性があり、サウジアラビアを含むMENA地域ではその変化がいち早く起こるかもしれないと指摘している。

この結果は、特定の社会経済と排出のシナリオに依存したものであり、政策の選択、社会経済成長、気候変動の関係が重要であることを強調している。

最も極端なシナリオの場合、アラビア半島の気温は今世紀末までに5.6度上昇することもあり得ると報告書では指摘されている。

編者を務めたKAUSTのマシュー・マッケイブ教授は、この評価の必要性を強調した。

「気候の未来の報告書は、気候変動がサウジアラビア社会のさまざまなセクターにもたらす、相互につながり、連鎖する結果について包括的に概観し、大きなギャップを埋めるものです。その結果とは、自然生態系の劣化、都市環境へのストレスの増大、人間の健康への直接的な影響などです」

報告書の著者の一人、AEONコレクティブのマシャエル・アルシャラン王女は、「気候変動は環境問題だけでなく、健康、食料、水、経済など、生活のあらゆる面に影響を及ぼします。この難局を乗り切れるのか、それとも取り返しのつかない事態に陥るのかは、今日の私たちの行動にかかっています」と付け加えた。

報告書では、サウジアラビアの多様な生息地に対する気候変動の影響について包括的な分析がなされている。サンゴの白化などの現象がさらに広がり、海洋システムには大きな負荷がかかっている。

不規則降雨、気温の上昇、過放牧によって砂漠はますます拡大し、在来の植生や野生動物の脅威になる可能性がある。

大気汚染のために呼吸器系の疾患が増えるなど、人間の健康への影響もより顕著になるという。気候変動が、マラリアやデング熱といった媒介感染症に好都合に働く懸念も高まっている。

だが、報告書では、気候変動の負の結果の多くはまだ回避が可能だと主張されている。

近年、サウジアラビアは、自然資本の保護・保存・回復を中心に、大変革を進めようとしている。

太陽光発電の大きな可能性、「サウジビジョン2030」に沿った経済多角化への取り組み、世界のエネルギー市場におけるその戦略的重要性を考えれば、サウジアラビアは気候変動の緩和と適応の面で世界をリードしていく独自の立場にあると報告書は指摘している。

サウジ国営通信