
フランク・ケイン
ドバイ: サウジアラビアは6日(土曜日)に開催された「OPECプラス」会合において、一時混沌となったエネルギー市場の正常化を牽引した歴史的な減産合意の延長を主導し、合意形成に成功。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアを代表とする非OPEC主要国で構成する「OPECプラス」の23の原油輸出国はビデオ会議を開催し、記録的な規模の減産を7月末まで延長することで合意。その後も、毎月減産を延長するオプションも付された。
今回の合意では、減産が不十分だった国々に対する厳格な規定も設けられた。一部の国、特にイラクとナイジェリアは、合意していた原油生産の上限を遵守しなかったことで非難を受けた。
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「世界の石油市場で苦労して回復した安定性を維持し、OPECプラスグループの団結と実効性に対する信頼を取り戻すには、合意を確実に遵守することは不可欠である」とサウジのエネルギー相、アブドルアジズ・ビン・サルマン王子は語ると共に、「安定性を回復し、今後の市場センチメントを上向かせることができれば、自然と我々が望む結果が得られるはずだ」と主張した。
「OPECプラス」はまた、5月1日以降の減産が不十分であった国々は、夏の数ヵ月間にその不足分を補うために一段の減産を行い、この先減産規模を遵守させることを全会一致で合意している。
減産の遵守状況は、年末まで毎月開催される閣僚監視会合で評価される。「我々は常に緊張感を持ち続ける必要がある。 ここに集まった23ヵ国の代表は、今回の減産合意事項に反する兆候が無いかどうか、相互に警戒する必要がある」とアブドルアジズ王子は述べている。
「OPECプラス参加国は、全体合意事項が維持されるために、各国自身の誓約事項を遵守する必要がある。各国は、合意されたガイドラインに沿って生産を制限するという約束を守る必要がある」
エネルギー相は、米国市場で原油相場が一時的にゼロを下回って取引された最近の「最悪事態」に触れ、その時もサウジアラビア、UAE、クウェート3ヵ国による自発的追加減産に後押しされたOPECプラスの動向が最悪の世界市場を救ったと述べている。
世界的なベンチマークであるブレント原油は、減産実施以来、価格が2倍以上に上昇している。 「石油消費大国がパンデミックによる都市封鎖を解除するにつれて、需要は回復している」とアブドルアジズ王子は語っている。「まとまった集団的枠組みの中で、我々が積極的施策に取り組んだおかげで、世界の石油市場に自信と安定を取り戻せた。おかげで今日、我々は将来について、慎重ながらも楽観的でいられる状況にある」
エネルギー専門家たちも、今回の合意を歓迎すると共に、エネルギー相の懸念にも同意を示した。「OPECプラスにとって、今回の合意は重要な一歩である。OPECプラスは結果を出す能力、規律に取り組む意欲、およびアプローチの一貫性を示すことが出来た」とコロンビア大学のグローバル・エネルギー・ポリシーセンターのクリストフ・ルール博士は述べた。
「問題は、OPECプラスが成功すればするほど、民間の原油生産者がその苦労の成果を享受しやすくなることである」