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サウジの学生が効果的で安価なCOVID-19検査装置を発明

 アリ・アルシェリ
アリ・アルシェリ
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13 Jun 2020 09:06:38 GMT9
13 Jun 2020 09:06:38 GMT9

アラブニュース

  • 「多くの研究が現在のやり方は感染などいくつかの副作用を引き起こす可能性があることを示しているが、新たな技術を使うことでそれらの問題を回避することを願っている」

ジッダ:キングファハド石油鉱物資源大学(KFUPM)のサウジ人大学院生が、COVID-19の検査を行う効果的で安価な装置を作り出した。

現在カリフォルニア大学でKFUPMから博士号奨学金を受けているアリ・アルシェリは、1人10分以内で検査することができる呼気分析装置のようなツールを発明した。

アメリカ国立科学財団はこの発明に応えてプロジェクトを開発するための研究チームを招集し、装置製造のため1年で$150,000を供与した。

「このアイデアは2年半におよぶ科学研究中に浮かびました」と、アルシェリは大学のウェブサイトに掲載された声明で述べている。「脱塩の目的で空気から水分を集める効果的な方法を見つけようとしていました。用いたのは、処理された表面上で液化することにより現在利用されている技術よりも大量の水分を抽出する、独自の方法でした。」

COVID-19の拡散により、研究室の実験は止まってしまった。アルシェリと、米国で彼を監督するピルーズ・カヴェプール教授は、自分たちの研究を継続するための解決策を考え出そうとし、COVID-19の検査に研究を利用することにした。

「人間の呼吸(呼気)の中の水蒸気を液化してウイルスの存在を確認するために、同じ技術を利用することを助言しました」

この装置はアルコールを検知する呼気分析装置と同じ仕組みで機能し、2つの部分に分かれる。1つはウイルスの液体サンプルを集め、もう1つはウイルスを検知する光を放射する。

検査対象の個人が装置の中へ1分間息を吹き込むと、特殊なプレートが呼気のサンプルを採取する。サンプルの中に生きているウイルスが存在すると、蛍光性の遺伝子標識が光を発する。この装置は病院や学校、空港などの屋内の空気中に存在する他のウイルスや感染性の病気を監視するためにも利用できる可能性がある。

「多くの研究が現在のやり方は感染などいくつかの副作用を引き起こす可能性があることを示していますが、この新しい技術を使ってそれらの問題を回避できればと願っています」

アリ・アルシェリ

現在行われている検査手法は鼻や口からサンプルを採取するため、患者が怖がって検査を避ける原因となり得る。その結果、感染者を見つける当局の仕事をさらに難しくする可能性があると、彼は言う。

「多くの研究が現在のやり方は感染などいくつかの副作用を引き起こす可能性があることを示していますが、この新しい技術を使ってそれらの問題を回避できればと願っています」と、彼は付け加えた。

アルシェリが取り組んでいる装置は時間も大幅に節約する。「現在の技術で採取されるサンプルは、リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査能力を備えた研究室へ送る必要があります。検査結果が出るまでの時間は、装置で使用されるサンプルの最大数や携わることのできるスタッフの数など、他の要素による影響を受け、数時間から数日かかる場合もあります」

アルシェリによれば、研究チームはサンプルを集めてRT-PCRへ送ることができる、装置の1番目の部分の試作品をすでに用意したという。

そして、2番目の部分は9月までに用意でき、最終製品は2021年が始まる前に利用できるようになるだろうと見積もった。

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