
アシール・バシュラエル
ジッダ:サウジ当局は、「国内最大の汚職事件」とされる事件で、6億リヤル(1億6000万ドル)以上を押収し、22名を逮捕した。
サウジ反汚職監視局(ナザハ)の犯罪捜査官は、深刻な不正疑惑を巡り、リヤド地域の自治体職員13名、民間会社員13名、契約会社に勤務する外国人5名を逮捕した。
捜査官が容疑者らの自宅を捜査したところ、仮設天井、モスク礼拝所、貯水タンク、地下金庫などに、1億9300万リヤル以上の現金が隠されていたことが判明した。
また、逮捕者たちが違法な資金で購入した、総額約1億4200万リヤルに及ぶ不動産の目録も発見された。
さらにナザハは、逮捕者らの銀行口座から約1億5000万リヤルを押収し、その後も捜査を続ける中で、ある容疑者が自らの地位を利用し、財務省の民間企業向けデジタル総合サービスプラットフォームである「エティマド」を通して、1億1000万リヤル以上を流出させていたことを突き止めた。
その他にも、250万リヤル相当の食料品プリペイドカード、15万ドル近いガソリンのプリペイドカード、410万ドル以上相当の外国通貨などに関する不正取引があった。
今回の22名の逮捕は、ナザハが最近889件の汚職事件や規律違反を扱う中で発生した。
法律コンサルタントのディマ・アル・シャリフ氏は、今回の事件は自らの地位を濫用して金銭的利益を受けた公職者が関与しているために注目を浴びているのだと、アラブニュースに語った。「この種の事件は国家の発展や経済に否定的な影響を及ぼします」と彼女は言った。
リヤドのナザハ広報官アハメド・アル・フセイン氏は、司法調査の結果だけでなく、取り調べを受けた容疑者たちが罪を自白したのだとアルエフバリヤ・テレビ局に語った。「これまでの事件にはすでに退職した容疑者たちも大勢いますが、彼らは今も公判中で、法の裁きを免れることはできません」と彼は述べた。
リヤドの法律コンサルタントであるアブドゥルマジード・アル・ムーサ氏も、事件について同局に次のように語った。「しばらく前からナザハがこのような逮捕を発表するのを見てきましたが、これは当局が汚職事件の阻止に容赦なく取り組んできたことを証明するものです。ナザハの仕事は、このような企てに着手しようと考える者たちに明確なメッセージを送っています。同時にこれらの取り組みは、国家資金を保護しています」
アル・ムーサ氏は、人々が汚職疑惑を報告できるようナザハはフリーダイヤルを設けていること、またSNSを介しての通報も可能であることを指摘した。通報者は完全に匿名で情報提供することが可能で、金融犯罪を暴露するために名乗り出るのであれば、賄賂を受け取った者であっても当局は不問に付すという。
リヤドの弁護士であるファイサル・アル・テイー氏は、「汚職に対してこのような動きが取られるのを見るのは誇らしく、ナザハの発表内容の透明性の高さは前代未聞で、細部に及び、信頼感が増します」とアルエフバリヤ・テレビに語った。
いかに高位の人物であれ、法を免れることはできないことを当局は示してきたと、彼は述べた。