
ノア・ヌガリ
リヤド:ハンガリーは、サウジアラビアが野心的に取り組んでいるビジョン2030の開発戦略上、重要な役割を果たすことができる、それはビジョン2030開発戦略の方向性がハンガリーの国力増強へのメリットにもつながるからだ、と10月21日(水)にハンガリー外務相がアラブニュースに語った。
ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外相は、サウジアラビア外相のファイサル・ビン・ファーハン皇太子とカリド・アル=ファリ投資相との「実り多き」会談後、アラブニュースとの対談に応じた。
「ビジョン2030の枠組みの中で、サウジの大規模投資とインフラ開発が、ハンガリー経済およびハンガリー企業が大きく優位性をもつ分野に対して行われようとしていると理解している」とシーヤールトー外相は述べた。
それらの分野には、水管理、農業、食品加工、エレクトロニクス、そして住宅が含まれるという。「我々は、我がハンガリー企業がサウジ市場へ参入してある程度の市場シェアを得ることができるよう支援していく」
シーヤールトー外相によると、プロジェクトの資金は国営輸出信用供与機関であるハンガ リー輸入銀行で設置された7億ドルのクレジットラインから一部供与されるという。ハンガリー輸入銀行は二国間のビジネス提携限定で信用供与を行う。
ビジョン2030の枠組みの中で、サウジの大規模投資とインフラ開発が、ハンガリー経済およびハンガリー企業が大きく優位性をもつ分野に対して行われようとしていると理解して いる。
シーヤールトー・ペーテル
リヤドにおける閣僚会議後、シーヤールトー外相は来る12月にブダペストで、サウジの高官らと合同経済委員会の次回のセッションを開催する予定だと述べた。
「 ハンガリー-サウジアラビアビジネス評議会を再び 活性化し、この12月にも相互にとって生産的な投資に関する合意の文面を最終化させることになっている」
この一括協定は「ハンガリー企業がここサウジアラビアや他の一般市場、およびビジョン2030の枠組みの中で投資・参入していくことへの財政的・政治的・法的保証」を提供することになる、とシーヤールトー外相は述べた。
シーヤールトー外相によると、サウジアラビアとハンガリーは「主なジレンマや世界の政治問題、テロリズムとの戦い、説教をし合うのではなく互いに敬意を払いながらの協力関係といったことについて意見を同じくしているという。
「不法移民の受け入れに反対する立場や、あらゆる過激派と戦っていくことについても、意見を同じくしている」
サウジアラビアは明らかに変化の過程にある、とシーヤールトー外相は言う。「サウジアラビアは非常に有効な経済政策を実施し始めており、それによってサウジアラビアの経済が多様化し、国そのものも多様化していくことだろう。
「これらのインフラ開発は非常に重要な意味を持っている。そうした投資によって国民の仕事、企業の収入、長期的で持続可能な国家的開発が約束される」
「また、言うまでもなく、サウジアラビアは国際社会の中で今以上に重要な役割を担うようになる。ここ中東においてサウジアラビアが安定化の役割を果たしていることは明らかだ。以前にもましてサウジアラビアは自信にあふれる国家となった。
「また、我々はサウジアラビアのそうした役割を支持している。安定化をもたらす力はこの中東において非常に必要とされているものだからだ。ここ中東で起こることは、直ちに中央ヨーロッパヘ直接的・実質的影響をもたらす。したがって中東情勢がより安定し、より安全になるほど、中央ヨーロッパにとっても望ましい状況となる」
シーヤールトー外相は、ハンガリー経済も変わりつつあるという。人口わずか1千万人であり、ハンガリーは外へ出て行く必要があり、「国内市場だけを対象とする戦略は、実際なんの意味もなさない」と彼は言う。
シーヤールトー外相は、次第に多くのハンガリー企業が世界の市場で競争力をつけてきたし、海外投資を行ったり海外での活動の一部を現地化したりすることができるようになってきた、と言う。「現在、ハンガリー経済の新たな重要局面にさしかかっている」
シーヤールトー外相によると、サウジアラビアはハンガリー企業の活躍できる環境を歓迎しているという。「だからこそ、我々は自国の企業がサウジアラビア市場へ参入し、生産の一部を現地化し、市場シェアを増し、投資を行うことができるように支援していくつもりだ。
「我々は公平な条件と互いへの敬意に基づいた協力関係を築くことのできる提携相手を必要としている」と彼は言う。「サウジアラビアとハンガリーは二つの全く異なる歴史的文化的背景を持っており、我々はそれを十分尊重している。そうした互いへの敬意を基盤として、両国は良好な協力関係を進めていけるだろう。」