
ナダ・ハミード
ジェッダ:サウジアラビアでトップを走る女子校の学生に、自分のベンチャー企業を経営することで、未来の企業家になれるチャンスが与えられている。
ジェッダにあるダール・アル・フィクル・スクールは、仕事で成功するために欠かせない重要なスキルを生徒たちに身に着けさせるために、教育とコミュニティに関する革新的な計画を立ち上げた。
「ダール・アル・フィクル・イントラプレナー・プログラム(DIP)」では、学生たちが経営を行い、働く、「20フォーメーション」というイベント運営会社を学内に設置する。
ダール・アル・フィクル・スクールの校長でDIPの創設者でもあるマジダ・アファンディは、アラブニュースに対し、次のように説明した。「12年生は大学レベルに達する前に社会の現実的な部分に触れるべきだと考えていますが、そのために学校の外に連れて行くのはなかなか難しいのです」
「そのため、自分たちでそうした場所を作り、3コースあるプログラムで対人的な交渉・指導・意思疎通などをうまく行うためのソフトスキルを使う豊富な経験を学生に提供して、従業員に必要なすべての知識と技能を学んでもらうことにしました」
「どんなに授業で学生に知識を教え込んでも、学生がソフトスキルを実践したり、経験したりしていなければ、理論は身に付きません。ですから、この成長の時代に国が求めるあらゆるスキルを扱います」と、付け加えた。
DIPプロジェクトマネージャーのルジャイン・アル・サラヒは、学校では毎年12年生のために卒業プロジェクトを行っていたが、今年はもっと挑戦的なものにしたかったと語った。
「DIPでは、学生が学校の中で会社を開業できる体験学習を提供します。核となる事業はイベントの運営です。事業を営むために必要なすべての部署が含まれます」と、アル・サラヒは付け加えた。
こうした大学進学前の卒業プログラムは王国初のものであるとみられている。アクションリサーチと共に理論的かつ実践的な演習を行い、現代のビジネス経営に必要な独自のノウハウとリーダーシップスキルを学生に習得させる。
このプログラムは、若い起業家たちが学校の評議会に自分のビジネスプロジェクトについてプレゼンテーションを行い、外部から参加する業界の専門家によって評価が行われることで締めくくられる。
プログラムの企画者が設立した独自の資本金を持つトレーニング会社に、44人の学生がインターンとして登録され、週2日、会社で職務に就き、実際のイベントを企画する。
入社するために、学生たちはワークショップへの参加、学内の就職説明会、自分の役割に合った履歴書やポートフォリオの作成といった本格的な採用プロセスを経なければならなかった。
17歳の学生で「20フォーメーション」の従業員でもあるライラ・シャーバンは、このプログラムが将来のキャリアを決めるのに役立つことを願っている。
「この会社では、グラフィックデザイナーとして働いています。いろいろな実践の場に触れられるので、大学進学であれ就職であれ、卒業後の将来を見据えることができます」
「この会社での経験は、社会人としても、家庭や大学でも、どこでも助けになるでしょう」と付け加えた。
ポイント
DIPの使命:学校の内外から特別なイベントを提供し、ジェッダのイベント企画分野に違いを生み出すこと。
会社には人事、財務、経理の部署があり、ソーシャルメディア、広報、グラフィックデザインの各委員会が設置される。
すでに44名の学生が会社に在籍しており、一年を通してアクションリサーチに取り組む。
プログラムの主な焦点は、コミュニケーション、交渉スキル、時間管理、創造的思考。