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ネタニヤフ首相、ガザ紛争中の「邪悪な」政治キャンペーンによりイスラエル国内で反発が高まる

2023年11月26日、イスラエル首相官邸が撮影・公開した資料写真。ガザ地区の非公開の場所で兵士と面会するネタニヤフ首相(中央)。(ファイル/AFP)
2023年11月26日、イスラエル首相官邸が撮影・公開した資料写真。ガザ地区の非公開の場所で兵士と面会するネタニヤフ首相(中央)。(ファイル/AFP)
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14 Dec 2023 05:12:45 GMT9
14 Dec 2023 05:12:45 GMT9
  • 首相の最近の発言は、選挙を前に人気低下を回復するための、不適切な試みとみられている。

アラブニュース

ロンドン:ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、2カ月に及ぶガザでの戦争が続く中、政治的キャンペーンと受け取られる行動により、イスラエル国内で激しい反発に直面している。

同国当局によれば、軍事作戦中に1万7000人以上のパレスチナ人が殺害されたという。

多くのオブザーバーが、戦争終結後まもなく選挙は避けられないだろうと考えている中、有権者からの人気低下を回復しようとするネタニヤフ首相の試みが目立っている。多くの有権者は、彼を10月7日のハマスによる攻撃に至るまでの致命的な情報収集失敗の責任者とみている。

11日、彼はクネセト(議会)の外交防衛委員会で、ハマスの攻撃は1993年のイスラエルとパレスチナ間の和平合意「オスロ合意」がもたらしたのと同じ数のイスラエル人死者を出したと語ったと「ガーディアン」は報じた。

リークされた声明は政治的に動機付けられたものと広く受け止められ、ネタニヤフ氏自身のリクード党内を含む、政治的左派、右派を問わず怒りを引き起こしている。

「オスロ合意は大失敗だったという見方はリクード党内でも支配的だ。しかし、50万人の軍隊がガザ内におり、何千人もの人々がハマスの捕虜となった、愛する人の運命を嘆き、悲しみ、心配している中で、言われるべきではないこともある」とリクード党幹部は右派紙「イスラエル・ハヨム」に語った。

別のリクード党高官は同紙に対し、「戦時中に国民の多くを分断し、扇動するような言動を取るべきではない。彼らの一部はガザで軍服を着ており、また一部は虐殺の損失や傷を癒そうとしている」と語った。

ネタニヤフ首相はまた、自身のパブリックイメージを高める試みとして、米国の圧力に屈しない姿勢を示した。これは、ジョー・バイデン大統領が語った、イスラエルのガザでの軍事行動に対する世界的な支持の低下と、イスラエル政府の変革の必要性についてのコメントを受けてのものだ。

野党党首のヤイール・ラピード氏は、「このような時に、責任を回避し、他人を非難し、憎悪を生み出すことを目的とした邪悪な政治キャンペーンを行う首相の無関心と冷笑のレベルは理解しがたい」と述べた。

イスラエルの政治アナリストたちは、イスラエル軍が現在行っているガザにおける地上作戦の激しい局面が終われば、ネタニヤフ氏の立場がより危うくなる可能性があると指摘している。

専門家の一人、ダリア・シェンドリン氏は、ガーディアンに対し、リクード党やその極右の盟友内部の摩擦によって潜在的な危機が引き起こされる可能性があると述べた。

「イスラエルで連立政権がどのように終わるのか、また、その崩壊の具体的なきっかけを予測するのは難しい」と彼女は述べた。「しかし、それはリクード党内部の分裂か、超国家主義政党の分裂のどちらかによるものだろう」

「調査では、イスラエル国民の70~75%がネタニヤフ首相の辞任を望んでおり、戦争が続いている間よりも、戦争集結後の辞任を望む人の方が2倍近く多い」

「戦争がどのように終わるのか、いつ終わるのかが、よりオープンな問題になるにつれて……私の推測では、彼に早く辞めてもらいたいと思う人の数は増えるだろう」

2018年にネタニヤフ氏の伝記を出版した英国イスラエル人ジャーナリストのアンシェル・プフェッファー氏は、独立系日刊紙「ハアレツ」で次のように述べている。「イスラエルがガザでの地上攻撃を縮小――これは数週間以内にほぼ間違いなく起こる――すれば、政治的な反発を抑えられなくなることを彼は知っている」

「近い将来、彼の連立政権は議会の過半数を失い、クネセトは解散されるだろう。彼はその瞬間を遅らせようとするだろうが、彼の政治的直感は近いうちに選挙を戦わなければならないことを知っている。そして全ての世論調査は、彼が大差で敗れることを示している。だから彼は選挙戦のための準備を進めているのだ」

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