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実験的なカカオ豆の収穫 サウジアラビアにとって甘い機会

カカオ農園のオーナーであるゲブラン・アル・マリキ氏は、カカオを導入することで農業分野の再構築に役立つと語っている。(写真/提供)
カカオ農園のオーナーであるゲブラン・アル・マリキ氏は、カカオを導入することで農業分野の再構築に役立つと語っている。(写真/提供)
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01 Dec 2020 09:12:04 GMT9
01 Dec 2020 09:12:04 GMT9
  • サウジアラビアにはカカオ豆の低木の成長を促す環境があると専門家は述べる。

タレック・アル・タカフィ

メッカ: サウジアラビアで前例のない試みとして、数年前に植えたフィリピン産の種苗から成長した200本以上のカカオ低木の今年の収穫期が、ジーザーン地方で始まった。

サウジアラビアにとって外国産カカオ低木の栽培は、カカオ豆栽培が国内で長期的に成功するかどうかを試す新たな実験となっている。

ジーザーン地方の専門家は、カカオ低木は、サウジアラビアの南部地域で見られる有名なコーヒーの低木に似ていると指摘する。この地域ではあまり成功していない農家もいる一方、多くの農家が既にこの試験を評価し、カカオ低木をさらに植えるため、耕作を継続している。

サウジアラビアのジーザーン地域の山岳地域開発復興局の監督官であるバンダール・アル・フィフィ技師はこのように述べた。「カカオ低木は熱帯または亜熱帯地域にみられる低木で、南米や東アジアに自生しています。カカオ低木は数年前に山岳地域開発復興局が入手したものであり、特に農業研究所のためのものでした。」

さらにアル・フィフィ技師は、「カカオの種苗をフィリピンから持ち込み、6年前に栽培を行いました」と語った。農業研究所は種子を栽培し、この地域の一部の興味のある農家に苗を配布した。

「農業研究所の畑にはカカオ、バナナ、マンゴー、グァバの木をはじめ、熱帯・亜熱帯の木々が多くあります。農業研究所の畑は、特に15本のカカオ植物とサウジアラビア初のカカオ低木について、200メートルの面積で試験や実験を行うほか、種子の保証人としても利用されています。」

アル・フィフィ技師はアラブニュースに対し、当初は農家にカカオへの投資を促すことは困難であったと述べた。というのも製造工場の設立を容易にし、現地市場を成長させるため、農家の中には地域に自生していない植物を導入することに躊躇する人が多いからだと語った。

アル・フィフィ技師によると、エチオピアでは、企業が農家からカカオ豆を購入し、豆を選別、洗浄、乾燥、焙煎するという一貫した産業工程を導入しているという。これは農家だけで全工程を完了させることは経済的に成り立たないからである。

「すべての農家がカカオ低木を30本所有すると、農家にとって将来これは追加収入源となるでしょう」と彼は加えた。

ジーザーン地方は、青々とした緑豊かな土地と肥沃な土壌で知られている。その土地と土壌は、様々な種類の作物の生育を確保し、継続性と植物の種類ごとに異なる収穫時期を保証するために必要な成分を有している。また、降雨量が多いことに加え、季節の変動が少なく湿度が高いため、収穫に必要な水分を土壌が保持し続けることができる。

「赤道に近いため、小さな低木と成熟した低木の温度差があまりないこと加えて、サウジアラビアは熱帯線の下に位置しているため、カカオ低木の成長を助ける環境条件を作り出しています」とアル・フィフィ氏は述べた。

ジーザーン地方のカカオ農園オーナーの一人、ゲブラン・アル・マリキ氏は、アラブニュースに対しこのように述べた。「サウジアラビアの農業分野にカカオが加わることは、サウジアラビアにおける革新的な取り組みの一つです。この取り組みは、良い結果を示し始めています。開発工程を広く活性化し、信頼できる農業モデルを提供することになります。また、サウジアラビアの農家を支援し、農家が必要とするすべての能力を国が提供するという経験を向上させることにもつながります。」

マリキ氏は、誰もが支援を受けられる試験の一環として、2016年末までに種苗を受け取った。

「コーヒー農園に似ているため、この新しい取り組みを試してみたいという人もいました。カカオ低木は、他の果樹や柑橘類の木と同じような普通の低木ですが、週に一度の水やりで干ばつに強い低木です。」

アル・マリキ氏は、カカオ低木は「細心の注意が必要」であるため、カカオ豆栽培を成功させるためには、最初に地中に植えた際には日陰が必要だが、適切な手入れと注意を払えば、樹齢3~4年程度で開花し、高さ2メートルにまで成長することができるという。

最大400粒の種子を使用して、わずか4年後に彼の農場で製品のテストが開始された。

「さや の中には30から50粒の種子が入っており、後に天日で乾燥させ、粉砕してすぐに使える粉末にすることができます。ココアパウダーは、他の用途に加えて、チョコレート、オイル、化粧品にも使われます」とアル・マリキ氏は述べた。

アル・マリキ氏によると、種は非常に苦く、種は苦ければ苦いほど品質が良いという。彼は4つの低木を所有していると加えたが、低木数の拡大の妨げとなったのは、製品の品質試験の結果を待っていたためと述べ、品質が試験され、非常に成功したことを示した。

農業地域開発復興局の農業研究所は、農家が種子や苗を生産するのに十分なカカオ豆を提供するため、この地域に50本の低木を植えることを目指している。アル・フィフィ氏によると、地域の農家が自ら育てた苗に加えて、農業研究所は年間400本の苗を配布することを目標にしているという。

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