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イスラエルにより禁止されたアル・アクサでのユダヤ人の静かな祈りについて、裁判所に控訴

2021年10月8日、パレスチナ人のムスリムがエルサレム旧市街のアル・アクサモスクにある岩のドーム前で金曜礼拝を行っている。(写真提供:アフマッド・ガラーブリ/AFP)
2021年10月8日、パレスチナ人のムスリムがエルサレム旧市街のアル・アクサモスクにある岩のドーム前で金曜礼拝を行っている。(写真提供:アフマッド・ガラーブリ/AFP)
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10 Oct 2021 05:10:23 GMT9
10 Oct 2021 05:10:23 GMT9
  • 自国のワクフ庁がエルサレムのモスクを管理するヨルダンは、イスラエルの下級裁判所による一審判決を強く非難した

ダッド・クタブ

アンマン:イスラエルの中央裁判所は、アル・アクサモスクの境内でユダヤ人活動家による「静かな」祈りを許可する判決を下した下級裁判所に対する、エルサレム警察による控訴状を受理した。

「アル・アクサモスク修復のためのハシミテ基金」の事務局長であるワスフィ・カイラニ氏は、アル・ハラム・アル・シャリフ、つまりアル・アクサの所在する全ての敷地はムスリム専用の信仰の場であるとアラブニュースに語った。

「14万4千平方メートルあるモスク寺社の敷地はすべて、ワクフの寄付により所有・管理されているイスラム教の区域なのです」

カイラニ氏は、ワクフ評議会は定められた時間における訪問者を歓迎するが、これは旅行者として歓迎されるのであって、祈りを行うことが歓迎されるわけではないという理解が前提にあるべきだと述べた。また、訪問する権利は、ワクフの許可を得て、その指示に従ってアル・アクサに入る全ての非イスラム教信仰者に開かれているべきだとも語った。

同氏は、世界中のムスリムが「アル・アクサを訪問し、礼拝する権利を持つべきだ」と述べた。

イスラエル占領下にあるエルサレムの現状を変えかねない下級裁判所の一審判決は、この地域において広く拒絶された。

自国のワクフ庁がエルサレムのモスクを管理しているヨルダンは、イスラエルの下級裁判所による一審判決を糾弾した。ヨルダン外務省報道官のヘイサム・アブールファウル氏は、この判決は無効であり、東エルサレムを含む、イスラエルが1967年に占領した地域の同国の司法権を認めていない、国際法における法的資格に欠いていると伝えた。

パレスチナ国民キリスト教連合のディミトリ・ディリアーニ会長は、イスラエル中央裁判所による控訴審判決はパレスチナ人とその仲間による、団結した努力の結果であると話した。

「今回の勝利は、アブドッラー2世国王がエルサレムにある、ムスリムとキリスト教徒にとっての聖地の管理者となっているヨルダン率いるアラブ諸国の立場に加え、あらゆる地位・階層のパレスチナの大衆による怒りの結晶なのです」

米国の立ち会いの下で交わされたヨルダンとイスラエルによる2014年の合意によると、アル・アクサモスクは「ムスリムにとっての祈りの場であり、他の全ての人々にとっての訪問の場」であるとされている。

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は7月、ユダヤ人・ムスリム双方のアル・アクサでの祈りの権利を支持するともとれる発表から、一歩後退した。この発表は、エルサレムの聖地の現状を維持するとする、イスラエル政府の政策を大幅に転換するような内容だった。

イスラエル首相府の関係者は7月19日、ベネット首相がユダヤ人・ムスリム双方に神殿の丘での「祈りの自由」があると話したのは「失言」であったと主張した。ユダヤ人は訪問のみが許可されており、祈ることはできないという数十年間の慣習を急激に変える、大論争を引き起こしかねない発言だった。

現在の緊張は、右派として知られるエルサレムの治安判事、ビルハ・ヤハロム氏が、当該モスク寺社における静かな祈りは「犯罪行為」とはみなされないとの判断を下したことで始まった。

この裁定によって、ラビ・アリエ・リップ氏が当該ムスリム施設への訪問に関する合意に違反して繰り返し祈りを行ったことで、火種となるこの場所への訪問を警察から禁止された件で不服申立てを行うことになる。

警察はヤハロム判事による判決を控訴し、一連の事態はエルサレムと周辺地域に余波をもたらすこととなった。

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