
Tareq Al-Thaqafi
メッカ:それは何百年もの時をかけて古代の河川が形成した、この地域における特に重要な自然遺産で、今なおミステリアスな謎の宝庫だ。
冒険心や、あるいは単なる好奇心からでも探検してみたい人たちにとって、サウジアラビアの洞窟やシンクホールは隠された宝石のようになりつつある。
サウジアラビアの砂漠ではこれまでに、深いものから浅いものまで、石灰石や石膏、他のさまざまな鉱物からなる多様な230を超える洞窟が発見されている。
このサウジアラビアの自然の神秘についての認識が広まるにつれ、関心はますます高まっている。
SGS=サウジアラビア地質調査局の研究者で洞窟と砂丘に詳しいMahmoud Ahmed Al-Shanti氏はアラブニュースの取材に対し、洞窟は貴重な自然資産であり、探検家や研究者、その他この分野に関心のあるさまざまな人々を引き付けていると語った。
SGSはサウジアラビアの洞窟の場所や種類を特定し、その起源を探る調査プロジェクトを立ち上げた。
「サウジアラビアの洞窟とシンクホール」というタイトルの研究で、Al-Shanti氏は洞窟やシンクホールのサイズは、人ひとりがかろうじて入口をくぐれる程度の小さなものから、トンネルが数百キロメートルも続く巨大なものまでさまざまだと述べている。
たとえば、米国ケンタッキー州にあるマンモスケーブの長さは500キロメートル以上にも及ぶ。洞窟は地質学的にも観光資源的にも環境的にも貴重な資産であり、保存し保護する必要があるとAl-Shanti氏は強調する。
「ただ美しいだけでなく、洞窟の中には学術・科学研究にとって非常に有用だと考えられるものがあります」
サウジアラビアの砂漠ではこれまでに、深いものから浅いものまで、石灰石や石膏、他のさまざまな鉱物からなる多様な230を超える洞窟が発見されている。
「各国は収益や、教育と研究の多種多様な分野での雇用機会を通じて、経済的な利益を得ることもできます」とAl-Shanti氏は述べ、サウジアラビアの西部と北西部には、火山の噴火口近くの溶岩層に洞窟や玄武岩のトンネル群があると指摘する。たとえば、ブグム溶岩地帯のHabashi洞窟やメディナの北東約200キロにあるカイバル溶岩地帯のUmm Jarsan洞窟などがある。
洞窟はまた、さまざまな環境要因にさらされた砂岩によっても形成される。例としてはサウジアラビアの東部にあるQarah洞窟、アルウラ東部のAl-Doudah洞窟、ハーイル近郊のJanine洞窟などがある。
Al-Shanti氏はまた、サウジアラビアの北の国境付近、そして中央部・東部にはシンクホールや石灰岩の洞窟があると説明した。
このような驚異的な土壌には多様な植生があることが知られている。その植物の根は何百万年もの時をかけて石灰岩を破壊し、異なる方向に分岐する長く深い回廊を形成した。
洞窟の奥まったところには緑色植物はなく、太陽光なしに生き延びることのできる生命体が生息している。細菌や藻類は洞窟内部に生息する動物のふんなどを利用しているが、洞窟内の鉱物を食料やエネルギーとするものもいる。
Al-Shanti氏は洞窟はヤマネコの仲間やげっ歯類など、哺乳動物の避難所にもなっていると説明する。
砂漠の洞窟には、キツネやハイエナ、オオカミなどの肉食動物が住み、繁殖を行う。夜には狩りのために出ていき、終わると洞窟の安全な巣に戻る。
調査・研究が進むにつれ、サウジアラビアの砂漠と岩山の下に隠された神秘はさらに解明され、誰でも冒険や探検ができるようになっていくだろう。