



Hala Tashkandi
リヤド:王国全体がキャンプシーズン真っ盛りで、サウジアラビアの家族たちはこの機会を利用してコロナに配慮したアクティビティを楽しんでいる。
砂漠キャンプ(もしくは口語でkashtasとして知られる)やハイキングの旅等、その他様々な野外活動が国中で盛んだ。
だがこのような活動の性質状、初心者や経験の浅い野外活動好きが事故に遭う可能性は高まる傾向にある。
幸いなことに、王国で増え始めたアウトドア好きの安全を守る為、熱心なボランティア団体が休むことなく稼働し続けている。それにより実質誰でも臆する事無くこういった類の活動に手が出せる。
2017年に設立されたBarq(アラビア語で「稲妻」)救助隊はサウジアラビアで初の公認ボランティア救助隊だ。民間防衛と内政省により認定を受けたこの団体は、サウジアラビア自動車オートバイ協会と、国連のボランティア活動推進国際協議会の両方の会員である。
BarqのリーダーTalal Abdulghani氏はアラブニュースに対し、チームは当初その車両を活用する機会を見つけた四輪駆動車の所有者達による非公式団体として始まったと伝えた。
「初めてチームを作る案が浮かんだのは、ジッダで起きた2017年の洪水の時でした、」とAbdulghani氏は言う。「オフロード用の器材が装備されている適した車を持っていた私達は役に立てると気付き、公式のチームにしようと決めたのです」
小規模なボランティアとして始まったこの団体は、すぐに勢いを増した。現在、Barqには950人以上のボランティアが王国中に拡大しており、メンバー達は湾岸諸国中で身動きが取れなくなった運転手達に力を貸している。さらにメンバーの内最低でも120人以上が女性だ。
「全メンバーが情熱と他者の力になりたいという願いからチームに加わっています、」Abdulghani氏は言う。「私たちはお金をもらっているわけでもなければ、この業務でお金を請求することもしていません。そして全員には日中の仕事があります。私たちは国と地域に対する使命感でボランティアを行っているのです」
Talal Abdulghani氏はアラブニュースに、特に人里離れた場所で、もしくは経験不足によって毎月1,2件程の死者が砂漠で出る傾向にあると語った。
砂漠で身動きが取れなくなった者は誰でも24時間の直通電話にかけることができ、必要であれば現場に向かい手伝う、もしくは電話上かWhatsApp経由で手伝ってくれるメンバーの一員から援助を受けられる。
「毎日受ける電話の数を考えれば、私達自身が現地に向かうよりも、電話上で支援したほうが良いと判断する事もあります、」とAbdulghani氏。「そうする事でただ現れて指揮をとるより、私達の助言と共に失敗から学び、似たような出来事を将来防ぐ機会を人々に与えているのです」
だがBarqのチームを構成しているのは運転手達だけではない、Abdulghani氏は何か貢献できる物があれば誰でも参加できるという。
「メンバーの中には怪我をした人を救助しなければならない場合の応急処置ができる医者や救急医療隊員、そして故障や立ち往生、もしくは破損した車を修理できる整備士もいます。他にも写真家や弁護士など様々です、」と彼は言った。
Abdulghani氏は、この活動の面白い副産物とは、救助された人自身が触発されてチームに加わる事です、と述べた。
その一人がSamaher Al-Qwasmi氏だ。「母や兄弟と共にKhaleej Salmanのビーチに向かっていて、水に少し近づきすぎて運転してしまいました。とてもぬかるんでいたのでやがて嵌ってしまい、車が泥の中に沈んでいくのを感じました」と彼女は語った。
どうすれば良いかわからず、電話も電波が悪い中、彼女は叔父に連絡を取りBarqに電話するよう指示を受けた。
「何人いるか、場所はどこか、食べ物はあるのか無いのか等、多くの質問を受けました。私達が安全かどうかを徹底していて、そのおかげで安心感が生まれたのです、」と彼女は言った。
救助に誰か送り出せるまでチームは連絡を取り続け、車を4台送り込んで彼女の車体をぬかるみから引っ張り上げるのに力を貸した。現在は救助作戦にどれだけの労力が必要かをしっかり理解しているAl-Qwasmi氏は、その努力により一層感謝している。
「同じ状況に同時に陥る人が多くいます。私達のWhatsAppのグループを見てください、一日10件かそれ以上あり、一部の救助では大変な作業が必要となる事もあります、」と彼女は言った。
「私が参加したのは地域の為に何か良い事ができるからです。恩返しをする事、善い行いは良い気分になるというのもありますが、私達のようなチームの存在に気が付いてもらう手伝いをするためでもあります、」と彼女は言った。「私たちは一つの家族みたいなものです、これをお金とかの為に行っている人は誰もいないと思います。救助とは別に、チームとして集まってただ一緒に過ごすようなイベントも開催しています」
Barqは救助活動の他に社会奉仕活動も行っている。前年5月、Barqは食品やその他の必需品をメッカ地域と東部地方に広がる隔離所に配布する運動を開始した。そうする事で自宅から動けない住民たちの力になりながら、COVID-19の拡大も抑制できる。
Barqは新メンバー全員に、定期的に市民へ提供している複数の啓発運動に加え、基本的な応急処置を含む救助訓練と安全教育を提供している。
ボランティアとして参加に興味がある者は、チームのウェブサイトから登録できる、https://barqrescue.org/