


ジッダ:つい最近まで、サウジ人女性にとって航空業界で働くことは、キャリアの最下位に近い位置付けだった。王国が女性の地位向上プログラムを含む多くの改革を始めるまでは。
女性たちは現在、数十年にわたって男性が支配し続けてきた航空業界を含む、多くの専門職に進出している。
サウジ人女性パイロットの数は着実に増加し、中でも特に3人の名前が際立っている。サウジの旅客機パイロット免許を持つ女性初のパイロット、ハナディ・ザカリア・アルヒンディ。エアバスA320を民間航空機として初めてUAEから国境を超えて飛ばしたラウィア・アルリフィ。そして、王国の旅客機で副操縦士を務めた初めての女性ヤスミン・アルマイマニだ。
インスピレーションの源
それらの名前は、航空業界でのキャリアを追求する多くの若い女性にとって、インスピレーションの源だった。その中の一人、17才のアルワ・ニヤジーは、「アブドゥル・アズィーズ国王とその才能創造性有志基金(マウィバ)」の学生である。
「子供の頃、飛行機に乗るたびに操縦室を覗き見ようとしたものでした。そしてある日、ある博物館でついにそうすることができました。それは、残りの人生で私がしたいことが分かった瞬間でした」と、彼女なアラブニュースに語った。
彼女はマウィバのサマースクールの1つに参加することで、夢の仕事に向かって最初の一歩を踏み出した。「オックスメディカと呼ばれる宇宙ロケット科学の3週間のプログラムを選択しました。その物理学と、背景にある科学を理解することは、私が最も刺激を受けたことです」
ニヤジーは航空業界のキャリアを追求し、より多くのサウジ人女性に「望むものに何でも」なれるという希望を与えたいと考えている。
航空学の卒業証書を持つ23才の運行管理者ガディール・モハメッドはアラブニュースに対し、学業を完了させてパイロットの免許を取得することを強く望んでいると話した。
「自分と同じ年代の女性に対するインスピレーションの源になりたい。私は常にコミュニティや家族の中で何か特别なことを成し遂げることを夢見てきた。コミュニティからも家族からも誇りに思ってもらいたい」と、彼女は付け加えた。
夢の実現
26才のラガッド・モーダーは、父親から刺激を受けてわずか10才の頃から航空業界で働くことを夢見てきた。彼女が父親の働いていた空港を訪問すると、父親が飛行機に関するすべてのことを話してくれたものだった。
彼女は今、運行管理者になっている。「あの日以来、ここが自分の居場所であり、働きたい場所であると感じている」と、彼女は述べた。
乗客の安全な到着を確保するためのフライト計画の策定とパイロットたちとの意思決定に責任を負うのが、モーダーが情熱を傾けたことだった。「飛行機、空港、天候に関するデータに従って、日々の意思決定プロセスを管理しています」
女性を対象とした最近の改革以前、モーダーは人材に関する研究を続ける計画を立てていた。「今、私たち女性の地位向上を目指してムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が作った無限のチャンスが、私に計画を再考させ、自分の心に従うことを選ばせたのです」
18才の学生ライラ・イブラヒムは、自分が航空学に魅力を感じていることに気づいている。彼女が最も関心を持つ2つの分野である、物理と工学が組み合わされているからだ。
彼女はアラブニュースに対し、オックスフォード・サウジ・アカデミーからスポーツパイロット免許を取得することに目を向けている。そして将来は、「航空競技会への参加」を望んでいる。
「飛行機を飛ばす感覚は他に比べるものがない」と、彼女は結論づけた。
女性を力づける
航空会社フライアディールの廊下の内側は、すべてのものが生き生きとして見える。
同社の56人のサウジ人女性社員は、「最低料金で毎日旅行」のスローガンの下で理想的な航空旅行サービスを提供することにより、王国で最新の低コスト航空会社を設立し、開業することに成功した。
女性たちは、航空業務、地上業務、人事、マーケティング、財務、ITなど、フライディールの機内・地上すべての部署へ進出することに成功してきた。
同社は過去2年間にわたって女性に力を与えることを目指す取り組みも強化し、多くの集中訓練コースを開催した他、多数の雇用機会も提供してきた。
同社のマーケティング担当役員マハ・アドナンは、教育業界で3年、情報システム業界で4年、グラフィックデザイン業界で3年働いた後、約11年前にコミュニケーションとマーケティングの分野に移ったと話した。
ラワン・ラシッド・アルジュハニは、ロチェスター工科大学で応用統計学を学び、科学の修士号を保有している。彼女は2018年にフライディールに入社した。
一方、ルジャイン・アハメド・アルシャビは、王国の空港でデューティーマネージャーの職務を務める初めての女性である。