
Noor Nugali、リヤド
FIFA eワールドカップ2018に優勝したサウジアラビア代表のMosaad Al-Dossaryは若い競技者にとって模倣すべきよいお手本であると、サウジアラビア王国のeスポーツ・ゲーミング界のトップは述べた。
サウジアラビアeスポーツ連盟(SAFEIS)会長を務めるファイサル・ビン・バンダル・アール・サウード王子は、eスポーツの分野でAl-Dossaryが達成した偉業と、彼の「人間的な立派さ」を「誇りに思う」と、アラブニュースの取材に対して話した。
リヤドで開催されたMisk Global Forumを視察中のファイサル王子は、技術的な革新の急速なペースは人々の暮らしだけでなく、スポーツへの認識を変えつつあると述べた。
ファイサル王子は、eスポーツを伝統的なスポーツになぞらえつつ、若者がビデオゲームの大会に費やす時間をほどほどに抑えることが重要であると強調した。
「何事もほどほどが大事です」と彼は父の言葉を引きながら述べた。
「限度を超えさえしなければ、何事にも良い面はあります。私はプロの(eスポーツ)競技者が一日18時間をゲームに費やすべきではないと思います。私たちが推奨するのは健全な精神、健全な社会性、そして健全な肉体です」
ファイサル王子は、若者はよく考えてお手本を選ぶことが重要であると述べた。そして王子によれば、Al-Dossaryは理想的なお手本の一人である。
「私はゲームの分野で彼が成し遂げた数々の偉業を誇りに思っています。しかし私がそれよりも誇りに思うのは、彼の人間性です」
ファイサル王子は、Al-Dossaryが参加し優勝を収めた、イギリスで開催されたFUT Champions Cupマンチェスター大会での次のようなエピソードを挙げた。大会に競技者として参加していた若者の一人が病気で倒れ、病院に運ばれた。Al-Dossaryは祝勝会を抜け出し、病気の対戦相手を見舞いに行った。その際、ワールドカップ予選通過者に与えられる緑のスカーフを持っていき、プレゼントとして若者のベッド脇のテーブルに置いて行ったというのだ。
「彼がワールドカップに優勝したことよりも、このような振る舞いを通じて対戦相手を励ましたことについて、私は誇りに思います」と王子は言った。
「彼はeスポーツ競技者としてではなく、人間としての立派さを示してくれました。そして私たちが業界や競技を問わず、アスリートや若い子供たちに期待するのは、まさにこうしたことなのです」
「彼のような優れた人格者こそ、サウジアラビアという国や、その中のコミュニティーを代表するにふさわしい人物であり、そうした人々を世界に向けてアピールしていきたいと考えています」
ファイサル王子は、インターネット上のいじめは問題になりうることを認めたが、それは教育を通じて解決するほかない世界的な課題であると述べた。
「間違いは起きるものです。eスポーツやゲーミングは新しい時代に突入してます。あらゆる人々にとってゲーミングが身近になる時代です。それが意味するのは、私たちはまだ学習の途上にあり、また教育の途上にあるということです」と彼は付け加えた。