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アルワリード・フィランソロピー、ラミア王女「パンデミックの後は、非常にクリエイティブに前進」と語る

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28 Jun 2021 01:06:38 GMT9
28 Jun 2021 01:06:38 GMT9
  • サウジアラビアの慈善団体の代表は、COVID-19の人道的な危機の教訓を生かす時が来たと語る。
  • 「Frankly Speaking」に出演したラミア王女は、KSAにおける女性の地位向上などについても語った。

フランク・ケイン

ドバイ:リヤドに本拠を置くサウジアラビアの慈善団体の責任者であるこの女性によれば、アルワリード・フィランソロピーはCOVID-19パンデミックの波に乗り、世界的な回復のペースが加速するのに合わせて「クリエイティブ・フィランソロピー」の戦略を加速させようとしているということだ。

アルワリード・ビン・タラール王子によって設立された40年の歴史を持つ組織の事務局長であるラミア・ビント・マジェド・アール・サウード王女は、アラブニュースに対し、組織にとってパンデミックはリソースに対する異常な要求に直面した厳しい時期であったが、人道的・経済的危機の中で得られた教訓を生かす時が来たと述べた。

「国連は、世界で善を行うことに、『創造的経済』という非常にユニークな名前をつけました。パンデミック後には、受益者にどのように手を差し伸べ、どのように支援を提供し、どのように力を与え、一般的に善をなすかなど、非常に創造的に前進しなければなりません。」と彼女は述べた。

彼女のコメントは、中東や世界の主要な政策立案者や思想家をビデオで紹介するシリーズ「Frankly Speaking」のインタビューの中で語られたものだ。

ラミア王女は、「ビジョン2030」戦略の改革のもと、サウジアラビアにおける女性のエンパワーメントのロールモデルとみなされており、サウジアラビアにおける女性の地位向上、世界の慈善活動の場における芸術・文化の位置づけ、イスラム世界と近隣諸国との関係において「文明の衝突」アプローチを超越する必要性についても語った。

アルワリード・フィランソロピーは、昨年のウイルスの感染拡大を受けて、3,000万ドルを投じて、パンデミック対応に苦慮している世界の貧しい国々に必要な医療品やサービスを提供することに取り組んできた。

これは、アルワリード・フィランソロピーが通常行っている世界各地のワクチン接種プログラムや、国内外での医療・人道支援プログラムに加えて行ったものだ。

「私たちは、実際にアフリカのいくつかの国で活動し、イラク、シリア、チュニジア、イエメンでも活動しました。例えば、アフリカでは、イスラム世界教育科学文化機関(ICESCO)と協力して、マスクを製造する(そして衛生状態を改善する)ために小さな工場を建設しました。それは、女性や若者のエンパワーメントにつながりました。

パンデミックによって、家を持ち、頭の上に屋根があることの大切さが分かったと思います。新型コロナウイルスから身を守るためには、部屋と頭上の屋根だけあればいいのです。そのため、私たちはハビタット(都市化に取り組む国連機関)と協力して、イエメン、イラク、シリアでシェルターを設置しました。」とラミア王女は語った。

このほか、アルワリード・フィランソロピーは、世界保健機関(WHO)、米国疾病管理予防センター(CDC)、GAVIワクチンアライアンスとの協力関係も確立した。

「私たちの取り組みは非常に創造的なものだった思います。実際に世界中で1億人を超える人々に手を差し伸べました。」とラミア王女は語った。

アルワリード・フィランソロピーは、コミュニティ開発、女性と若者のエンパワーメント、重要な災害支援、文化の架け橋という4つの主要分野で活動しており、全部を合わせると、世界中の10億人近くの人々に恩恵を与えてきた。

今回のパンデミックで学んだ重要なことは、オンラインやデジタルによる慈善活動への移行であり、ミャンマーとサウジアラビアのプロジェクトは、ロックダウンが行われるとオンラインに移行した。

「信じられないかもしれませんが、お金や予算の点から、はるかに簡単で、だからこそ今年はより多くの人に支援を届けることができたのだと思います。」とラミア王女は語った。

アルワリード・フィランソロピーは発展途上国の予防接種プログラムで大きな役割を果たしてきたが、新種のコロナウイルスに対するワクチンの発見と投与に集中することで、ポリオなどの他の世界的な感染症の予防接種プログラムから注意が逸れてしまうのではないかと懸念する声もある。

ラミア王女は、限定的な影響しか生じなかったと語った。「アルワリード・フィランソロピーでは、パンデミックの緊急性からCOVID-19に資金の一部を移したことには同意しますが、長期的には影響はないでしょう。COVIDのワクチンを手に入れ、さらに多くの研究を行った今、私たちは良い状態にあると確信しています。」と彼女は付け加えた。

彼女は、アルワリード王子が「必要と判断した場合」には、全体の予算に対する貢献度を変えると語った。アルワリード・フィランソロピーは、ゲイツ財団などの世界的な大規模慈善団体や国連機関と連携して活動しているが、それらと競争しているわけではないと彼女は主張した。

「競争とは言いません。競い合うのではなく、お互いに学び合うということでしょう。それが、この財団の方法論というか、この財団の核となる精神です。パートナーシップこそアルワリード王子の信念であり、財団はパートナーシップの上に成り立っているのです。」

アルワリード・フィランソロピーの国際的なつながりは、サウジアラビアでの活動にも直接的なメリットをもたらしている。「サウジアラビア国内の他の財団と比べて、見たアルワリード・フィランソロピーの特徴は、国際的な経験と専門知識を持っていることです。外国で私たちが行ったことから得られた知識を移転すること、それこそ私たちがサウジアラビアでのプロジェクトでやろうとしていることです。」と彼女は語った。

例えば、英国のチャールズ皇太子が支援する「ターコイズ・マウンテン」は、世界各地の伝統工芸を奨励・促進するための活動を行っている。これにはサウジアラビアも含まれ、女性を主とする職人約1,000人が雇用されている工房では、最近「ミズワダ」ブランドを付した高級品が生産されている。「私たちは彼女たちの知識を拡大しています。作品を非常にささやかな工芸品から高級ブランドへと発展させているのです。」とラミア王女は語った。

女性のエンパワーメントは、王国におけるアルワリード・フィランソロピーの主要なテーマのひとつであり、運転の自由、後見人法の緩和、女性の雇用機会の拡大など、近年、女性にとって大きな進歩があったとラミア王女は考えている。

「3、4年前には私はあなたと一緒に座って話をしていなかったと思います」と彼女は語り、欧米のメディアはこの王国の大きな進歩を評価していなかったと付け加えた。

ワシントン駐在大使のリーマ・ビント・バビンル王女や、サウジ証券取引所(Tadawul)のサラ・アル・スハイミ会長など、王国内の多くの女性が注目を浴びるようになったことは、女性のエンパワーメントのさらなる証拠だと、ラミア王女は述べた。

アルワリード・フィランソロピーは、アルワリード王子が任命した10名の女性チームによって運営されており、女性が民間企業や公的機関に就職するために必要なスキルを身につけるためのプログラムを実施している。

「女性を支援したい、女性に力を与えたいということは、政府から非常に明確に発表されています。一部の団体や企業は、文字通り男性を切り捨てるという次の段階に進んだと思いますが、私は人間に力を与えるべきだと信じています」と語った。

アルワリード・フィランソロピーは、「文明の衝突」と呼ばれるイスラム世界と他の信仰体系との間の理解を深めるための活動を大きな柱としている。

ラミア王女は、2001年に米国で発生した9.11同時多発テロ事件後の世界的な対立について、「この衝突は、そんなに簡単に解決できるものではないと思います」と述べている。彼女は、ウォール街の著名な投資家であるアルワリード王子が悲劇の時にニューヨークにいて、長期的な緊張を和らげるために何かをしようと決心したことを話した。

「だからこそ、私たちは、世界で最も著名な、というよりも重要な6つの大学と協力しました。実際に、寛容と理解の研究と促進のためのセンターを創設しました」と彼女は語った。

現在、アメリカ、ヨーロッパ、中東の最も有名な6つの大学にアルワリードセンターが設置されており、彼女が「ソフトパワー」構想と呼ぶ、世界中の異なる信仰を持つ人々の間の誤解を解くための取り組みの一環となっている。

また、アルワリード・フィランソロピーは、宗教間の架け橋として芸術や文化を促進している。パリのルーブル美術館やベルリンのペルガモン美術館と提携し、世界共通のメッセージが込められたイスラム美術作品を展示している。

「イスラム文化は、いかに芸術と美に傾倒してきたのかを、それにより認識してもらえたらと思います。」とラミア王女は語った。

Twitter: @frankkanedubai

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