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紅海で環境破壊の懸念が高まる中、セイファー号に関する国連とフーシ派の協議が決裂

イエメン・マアリブ近郊のカサラ戦線でフーシ派反政府勢力と衝突した後、戦線から離れた場所に立っているイエメン人戦闘員。(資料写真/AP通信)
イエメン・マアリブ近郊のカサラ戦線でフーシ派反政府勢力と衝突した後、戦線から離れた場所に立っているイエメン人戦闘員。(資料写真/AP通信)
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17 Jul 2021 12:07:43 GMT9
17 Jul 2021 12:07:43 GMT9
  • 最近のフーシ派の動きを受けて、国連は2月にチームの派遣の無期限延期を発表した
  • イエメンの大臣は、国際社会と安全保障理事会はフーシ派とその指導部の制御に失敗したと述べた

サイード・アル・バタティ

アレクサンドリア:国連は、イランの支援を受けるフーシ派反政府勢力との協議を、フーシ派が国連の専門家による浮体式海洋石油貯蔵積出設備「セイファー」に必要な状態の評価の開始に同意するまで継続すると発表した。また、フーシ派に対し、より協力的になるよう求めた。

国連のファルハン・ハク報道官はアラブニュースに対し、「我々は、セイファー号にチームを送るための努力を続けている」と述べ、国連の船舶救助チームの主な目的は、損傷を評価し、セイファー号の崩壊を防ぐために「軽微な」点検整備を行うことだと付け加えた。

「この件について1か月前にも同じことを言ったが、国連は、セイファー号を評価し、原油流出の危険性を減らすために実現可能な軽い修理を行い、恒久的な解決策のために証拠に基づいた提言を行うという計画済みの任務に全力を傾けている」

フーシ派は、チームの派遣が遅れているのは、フーシ派との合意事項に違反した国連の責任だと非難している。この国連報道官によるコメントは、フーシ派の非難に関してアラブニュースがコメントを求めたことに応じたものだ。  

木曜日、フーシ派の管理下にある「セイファー号合意委員会(SAC)」は、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)が、問題を最終的に解決するのではなく、「単なる目視点検作業」の実施にこだわった結果、セイファー号の修理のための協議が決裂したと非難した。

SACはフーシ派の公式通信社が伝えた声明の中で、「当委員会は、UNOPSが2020年11月に締結された合意を遵守せず、実りのない会合で時間とプロジェクトに割り当てられた資金提供国の資金を浪費することに固執したことを遺憾に思う」と述べている。

100万バレル以上の原油を積載し、約40年間イエメン紅海沿岸に係留されてきたFSOセイファーは、点検整備が行われなかったため、この6年間で腐食が進んだ。点検整備はフーシ派が西部の都市ホデイダを掌握して以来、行われていない。  

フーシ派は、初めに国連チームに米国やアラブ連合軍参加国の諜報員が含まれていると非難し、後には国連チームのメンバーを守るための安全保証書への署名を拒否するなど、国連チームのセイファー号訪問を認める約束を何度も反故にしてきた。

最近のフーシ派の動きを受けて、国連は2月にチームの派遣の無期限延期を発表した。

セイファー号の積載量の多さから、専門家は同船を、いつ爆発や原油の流出が起きてもおかしくない時限爆弾と表現し、1989年にアラスカで起きたエクソン・バルデス号の原油流出事故を上回る大規模な環境災害になるとしている。

イエメン政府は、フーシ派がセイファー号を政府や国際社会を脅迫するための「圧力カード」として、また和平交渉での交渉材料として使用していると非難している。

イエメンのアハマド・アワド・ビン・ムバラク外相は先週、クウェート国営通信(KUNA)に対し、国連チームの同船訪問を頓挫させるフーシ派の幹部に対し、国連はより厳しい措置を取るべきだと語った。

ビン・ムバラク外相は、「セイファー号の問題で進展が得られなかったのは、国際社会と安全保障理事会が、この問題に責任を持つフーシ派とその指導部に対して制裁を含む効果的な圧力手段を用いなかったことが原因だ」と述べた。

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