
『Arab News』、マナーマ
イランに中東の不安定化とサウジアラビアへの攻撃を許さない唯一の方法は抑止力であると、サウジアラビアの外務大臣が土曜日語った。
9月に発生したドローンとミサイルによるサウジアラビアの石油関連施設への攻撃はまだ調査が続いていると、バーレーンで開催中の地域の安全保障会議でアーディル・アル=ジュベイル外務大臣が述べた。
しかし同大臣は、アブカイクの石油精製施設とフライスの油田に加えられた攻撃の方角と使用された兵器の種類に鑑み、サウジアラビアはイランによる攻撃とみているとも付け加えた。
アル=ジュベイル外務大臣は、9月の攻撃に対して政府が慎重な対応を行なっていることを擁護した。サウジアラビアは調査にあたっては、ドローンとミサイルがどこから飛んできたのかに関して「一点の疑念も残さないために」、「戦略的に極めて忍耐強い対応」をしているとのことだ。
「以前から一貫して、戦争は望んでいないと言っています。そのため、すぐに急いで戦争に訴えるというのは理性的な立場ではありません」と同大臣は付け加えた。
石油関連施設への攻撃は、イランの犯行とみられている事件が今年連続して発生したタイミングで起こったものだ。これまでに発生したものとして、ホルムズ海峡やその近くでのタンカーへの攻撃などが挙げられる。
イランではアメリカによる制裁が厳しさを増して経済が苦しい状況となっており、イラン政府は中東の敵国に対して世界のエネルギー供給を混乱させる能力があることを示すために攻撃を行なっていると非難を集めている。
またイラン政府は、制裁を緩和する代わりに核開発をやめるという国際的な合意の規定の違反も行うようになっている。
ドナルド・トランプ大統領は昨年、この合意からアメリカが脱退することを決定し、直後にイランへの経済制裁を強めた。ヨーロッパの国々は、合意が無に帰さないよう対応に追われている。
しかしアル=ジュベイル外務大臣はマナーマで毎年開催される会議の場で、ハト派の対応ではなく抑止力こそ、イランに対応する唯一の方法だと語った。
「イランに働きかけを行えばイラン人の対応に変化が出るのではないかという考え方は、これまで40年間失敗に終わっています。どうして今後4年、その考え方が通用すると言えるのでしょうか」と同大臣は語った。「中東の安定を実現する鍵は抑止力です。中東の安定を実現する鍵は、国際社会が揺るぎない立場を取り、全国家が確実に国際法の定めに従うようにすることです。
「イランの行動を変えるにはそれしかありません。もしイランがこれまで通り破壊的な行いを続けるなら、制裁は緩和するのではなく強化しなければなりません」
フランスのフロランス・パルリ国防大臣からは、6月にアメリカの無人偵察機を撃ち落とすなど、イランが中東で攻撃的な行動に出ていることに対して対応できていないと、アメリカを非難する声が上がっていた。
アル=ジュベイル外務大臣は、アメリカは過去70年間頼れる同盟国だったとして、それに反論した。