アラブニュース
ロンドン:25日、サウジアラビアに対するフーシ派の「恐ろしい」攻撃で、サウジアラビア国民1人とイエメン人居住者1人の計2人が死亡したことに対し、国際社会から非難が起きた。
リヤドの米国大使館は、フーシ派による攻撃は「紛争を永続させ、イエメンの人々の苦しみを長引かせており、サウジアラビア国民やサウジアラビアに住む7万人以上の米国人居住者を危険にさらすものだ」と述べた。
サウジアラビアの民間防衛局によると、24日にイエメンから発射された射出物は、サウジアラビア南西部ジーザーン地方の町サムタに落下した。この射出物により7人が負傷し、店舗や車両が破壊された。
「我々はフーシ派に対し、サウジアラビアの人々への無謀な攻撃をやめ、この紛争を終わらせてイエメンの人々に平和をもたらすために、国連が主導する和平交渉に応じるようあらためて呼びかける」
The U.S. Embassy in Riyadh strongly condemns the horrific Houthi cross-border attack on the #Jizan province of Saudi Arabia. pic.twitter.com/5r2V3KE9IA
— U.S. Mission to KSA (@USAinKSA) December 25, 2021
アラブ連盟内相会議は、この「卑劣な」攻撃は犯罪行為とみなされ、戦争犯罪に該当するとし、「攻撃を行った者は責任を負わなければならない」と述べた。
内相会議の議長はチュニスの本部から声明を発表し、「今回の攻撃はフーシ派による新たな犯罪で、国際人道法に明白に違反している。また、地域の安全と安定に対する継続的な脅威をより深刻にするものだ」と述べた。
アラブ議会と湾岸協力会議(GCC)もフーシ派の攻撃を「卑劣な行為」と呼び、「テロリストのフーシ派が罪のない民間人を標的にしている」と非難した。
アラブ議会は、フーシ派による意図的な犯罪行為はあらゆる国際法に明白に違反するとし、これらの行為に対して毅然とした態度で臨み、フーシ派の責任を追及するよう国連に求めた。
GCCのナーイフ・ファラー・アル・ハジュラフ事務局長は、フーシ派は民間人や民間の所有物に加え、人口密集地を標的にする不道徳な行為を続けており、こうした行為は戦争犯罪に該当すると述べた。アル・ハジュラフ氏はまた、国際社会はフーシ派の行為に対して責任を負うべきだと主張した。
UAEは、フーシ派の脅威から民間人と民間の所有物を守るために必要なあらゆる措置をとるよう国際社会に呼びかけた。また、UAEとサウジアラビアの安全は切り離せない関係にあるとし、サウジアラビアに対するあらゆる脅威や危険はUAEの安全と安定に対する脅威とみなすと述べた。
バーレーンもまた、フーシ派による意図的かつ組織的で凶悪なテロ攻撃は国際人道法に明白に違反しており、これらの攻撃を非難するよう国際社会に呼びかけた。
UAE、バーレーンおよびGCCは、サウジアラビアが自国の安全、安定および領土の一体性を維持するために講じるあらゆる措置について、サウジアラビアを断固支持すると表明した。
カタールは、今回の攻撃はあらゆる国際的な規範と法律に反しており、民間人に対する危険な行為とみなされると述べた。また、「動機や理由にかかわらず、暴力や犯罪行為、破壊行為を拒否する確固たる姿勢」をあらためて表明した。
1-We strongly condemn the crime of deliberate targeting of civilian objects and civilians in the Jazan region in the Kingdom of Saudi Arabia, which led to the killing of civilians (1 Saudi citizen, 1 Yemeni expatriate) and the injury of 7 others, and damage to homes and shops pic.twitter.com/75O1iyZGMA
— معمر الإرياني (@ERYANIM) December 25, 2021
イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相は、今回のテロ攻撃はサウジアラビアに住む200万人のイエメン人の命を危険にさらしたと述べ、「フーシ派の支配地域では住民が貧困にあえぎ、屈辱を受けている。彼らはそうした現状やフーシ派による残虐行為とテロ行為から逃れ、生活、安全、平穏を求めてサウジアラビアに移り住んだが、フーシ派のミサイルは彼らを追ってきた」と続けた。
アル・エルヤニ氏は、フーシ派をテロ組織に指定し、フーシ派の指導者らを戦争犯罪者として訴追するよう国際社会に呼びかけた。
クウェート、エジプト、ヨルダン、パキスタンも同様の声明を出し、フーシ派の攻撃を強く非難するとともに、サウジアラビアに対する明確な支持を表明した。
フーシ派は、サウジアラビア南西部の人口密集地を標的に、弾道ミサイルや無人機による越境攻撃をほぼ毎日行っており、そのほとんどはサウジアラビアの防空網によって撃墜されている。