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チュニジア大統領、憲法の改正が必要と発言

チュニジアのカイス・サイード大統領は新政府を樹立する計画を発表し、憲法を改正すべきだと述べた。(File/AFP)
チュニジアのカイス・サイード大統領は新政府を樹立する計画を発表し、憲法を改正すべきだと述べた。(File/AFP)
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13 Sep 2021 01:09:10 GMT9
13 Sep 2021 01:09:10 GMT9
  • サイード氏は、「最も誠実な人々」を選んだ後、「可能な限り早く」新政府を樹立すると述べた
  • また、「チュニジア国民は現在の憲法を拒否しています」とテレビ局に語った

チュニス:チュニジアのカイス・サイード大統領は、首相を解任、議会を停止してから数週間後、新政府を樹立する計画を発表、憲法を改正すべきだと述べた。

土曜日の夜、チュニス中心部での散歩の後、2つのテレビチャンネルの取材に応じたサイード氏は「最も誠実な人々」を選んだ後、「可能な限り早く」新政府を樹立すると述べた。しかし、具体的な時期については言及しなかった

また、サイード氏はテレビ局に対し、「チュニジア国民は現在の憲法を拒否しています」と述べた。さらに、このような憲章は「永遠ではない」とした上で、「私たちはこの文章に修正を加えることができる」と述べた。

同氏の発言は、同氏の計画に関する以前のメディアの憶測を裏付けるものであったが、議会の最大ブロックであるイスラム教を支持するアンナハダ党はこれを否定していた。

同党は声明の中で「民主主義のプロセスに敵対する一部の政党が、憲法の規則に違反する選択を推し進めようとしていることを断固として拒否する」と表明した。

アンナハダ党はさらに、「憲法の適用を意図的に停止し、おそらく国民投票によって政治体制を変更すること」に反対するとしている。

また、これまでサイード氏を支持してきた有力な労働組合連合UGTTも、「憲法の停止」を否定、早期の立法府選挙を実施して新議会で憲法改正の可能性を検討するよう求めた。

法理論者で元法学部教授のサイード氏は2019年に選出され、自らを憲法の究極の解釈者と称してきた。

彼は7月25日にその権力を行使して、首相を解雇し、議会を凍結して議員の免責特権を剥奪、すべての行政権を掌握した。

彼の権力掌握は、慢性的な立法府の内紛によって統治が機能しなくなっている中で行われた。その後、政治家、ビジネスマン、司法関係者の拘束、渡航禁止、自宅軟禁など、徹底した反汚職活動が行われた。

サイード氏は、政党の再三の要求にもかかわらず、新政府の任命や正常化に向けたロードマップを明らかにしていない。

彼の動きは、裁判官や反対派、特にアンナハダ党から批判されている。

しかし、チュニジア人の中には「アラブの春」と呼ばれる抗議行動から10年以上が経過し、政治家の腐敗、不敬、生活水準の向上の失敗などに苛立っている人々もおり、これらの動きは必要悪だと捉えられている。

革命のときに空気中に充満していた「Dignity!(尊厳を)」や「Work!(仕事を)」のコールが、再びデモで響き始めた。

夜半にチュニジア大統領府のフェイスブックに掲載された画像では、サイード氏が首都ブルギバ通りを歩きながら国歌を歌っている様子が映っていたが、その後、立ち止まってテレビ局の取材に応じていた。

その日のうちに、同じ中央通りで男性が自ら火を放ち、後に火傷で亡くなった。これは、1週間前にも生活環境に抗議して焼身自殺をした男性がいたことを受けての自暴自棄な行動と見られる。

チュニジアのメディアによると、土曜日に死亡した男性は経済的な問題に悩んでおり、その解決策を求めてジェルバ島からチュニスに来ていたという

今回の死は、2010年12月17日に焼身自殺した露天商の死を彷彿とさせる。彼の行動がきっかけとなり、チュニジアの民衆革命と、この地域の複数の独裁的指導者を打倒した「アラブの春」の両方を引き起こした。

チュニジアは、中東・北アフリカ地域では珍しい民主主義のサクセス・ストーリーとして評価されているが、今回の政治的危機に陥る前は、深刻な経済的苦境と新型コロナウイルス感染症の大流行に悩まされていた。

サイード氏の発言は、EUのジョセップ・ボレル外交政策局長をチュニスに迎えた翌日のことであった。

ボレル氏はサイード氏との会談後、「チュニジアの民主主義的な成果の維持に関する欧州の懸念を大統領に伝えました」と述べた。

「立法権の自由な行使と議会活動の再開は、これらの成果の一部であり、尊重されなければなりません」と付け加えた。

今月初め、G7諸国(英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、米国)の外交官らは、サイード氏にチュニジアを「憲法に則った秩序」に戻すよう求めた。

AFP

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