• 観光客は、サウジアラビア王国の歴史的遺産を訪れたり、同地域の歴史について学んだりすることに非常に興味を持っている

ターリク・アル・サカフィー（Tariq Al-Thaqafi）

メッカ：ウムラ（小巡礼）を行うためにサウジアラビアを訪れる巡礼者が向かう先は、もはやメッカとマディーナの2つの聖地に限られない。巡礼者たちは様々な都市を訪れ、古代や現代の王国の不思議を体験できるようになった。

メッカのサウジ観光・国家遺産委員会（Saudi Commission for Tourism and National Heritage）会長を務めるヒシャム・マダニ（Hisham Madani）氏によると、同委員会には意欲的な観光計画をすべて実行するだけの力があるという。

「私たちは、巡礼者の要求、ニーズ、言語の把握に努めています。そういったことにガイドが精通することで、巡礼者の体験を充実させたいと考えています」とマダニ氏は言う。

同氏は、ツアーガイドがプロのガイドとして、また観光客が満足できる形で責任を果たすためには、必要な技能を確実に身につけるためのトレーニングが重要だと強調した。

ツアーガイドのラニア・ショダリ（Rania Shodary）さんは、ウムラの巡礼者にサービスを提供するのは光栄だとアラブニュースに語った。

概要

• バス運行サービスが導入され、巡礼者はメッカからターイフまで往復できるようになった。
• 温和な気候のターイフは観光旅行地に最適である。
• 観光客は、珍しい動物や高級な香水を作るバラ製造場を見るため、ターイフにあるサウード・アル・ファイサル王子野生生物センターといった場所に興味を持っている。

「私たちは、儀式を支障なく行えるよう、よりよいサービスを提供したいと考えています」と彼女は言う。

バス運行サービスが導入され、巡礼者はツアーガイド付きでメッカからターイフまで往復できるようになった。ガイドは道中や2つの都市の史跡を紹介する。

温和な気候のターイフは観光旅行地に最適だ。息をのむような山景色や緑は、一年を通してイスラム教徒も非イスラム教徒も魅了する。

観光客は、珍しい動物や高級な香水を作るバラ製造場を見るため、ターイフにあるサウード・アル・ファイサル王子野生生物センターといった場所にも興味を持つ。

モナ・ダガスタニ（Mona Daghstani）さんは、メッカのサウジ観光・国家遺産委員会が提供する簡単なコースを修了し、ツアーガイドになった。彼女は、コース受講中に、巡礼者にサービスを提供することの重要性を実感したという。

観光客の興味を理解するため、ガイドは彼らと一緒に座るのだという。ダガスタニさんによると、巡礼者はサウジアラビアの歴史的遺産を訪れたり、アラビア半島の歴史について学んだりすることに興味を持っているという。

別のツアーガイドのファウジア・ハリーリー（Fawziah Harriri）さんは、巡礼者は聖地以外の場所も訪れるようになったとアラブニュースに話す。彼らはメッカやマディーナ、そしてそれ以外の場所にある古代遺跡やマーケットを訪れ、充実した体験をしたいのだという。

中には王国の様々な場所で行われるエンターテインメント活動に興味を持つ巡礼者もいるとハリーリーさんは付け加えた。

また彼らは、サウジの大学やカレッジを訪れたり、さらには講義に出席し有識者に会ったりすることに、強い関心を持つようになったという。

ツアーガイドのイテマド・ガザウィ（Itemad Ghazawi）さんは、観光客が旅行を楽しめるように、満足のいく宿泊施設や移動手段を提供するよう努めているという。

ガザウィさんは、巡礼者によっては「メッカの一部の遺跡についてまったく誤った印象をいだいていた」と、アラブニュースに話す。

「多くの人が、預言者ムハンマド（彼に平安あれ）と彼の教友たちの出生地について、誤った情報を伝えられていました」と、彼女は言う。