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サウジアラビア、興行収入の急増により、西アジア最大の映画市場に

第1回紅海映画祭は、サウジアラビア映画界にとって大きな転機となり、地元の才能ある映画人や世界中の映画スターが集結した。(紅海映画祭)
第1回紅海映画祭は、サウジアラビア映画界にとって大きな転機となり、地元の才能ある映画人や世界中の映画スターが集結した。(紅海映画祭)
2017年3月27日撮影、ダンマンで開催された第4回サウジ映画祭の開会式の全景。(AFP)
2017年3月27日撮影、ダンマンで開催された第4回サウジ映画祭の開会式の全景。(AFP)
2018年4月30日、サウジアラビアの首都にあるリヤドパークモールで一般公開された映画館に集まるサウジアラビア人。(AFPファイル写真)
2018年4月30日、サウジアラビアの首都にあるリヤドパークモールで一般公開された映画館に集まるサウジアラビア人。(AFPファイル写真)
サウジアラビアの若者たちが映画館のチケット販売を牽引しており、2030年の入場者数は6千万~7千万人になると予想されている。(ゲッティイメージズ)
サウジアラビアの若者たちが映画館のチケット販売を牽引しており、2030年の入場者数は6千万~7千万人になると予想されている。(ゲッティイメージズ)
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24 Apr 2022 09:04:35 GMT9
24 Apr 2022 09:04:35 GMT9
  • 2021年のチケット売上は2020年比95%増の2億3800万ドルを記録
  • 2030年までに2,600件の映画スクリーンを導入し、業界規模は約12億ドルになる見込み  

アラブニュース

ジェッダ:サウジアラビア全土で映画館の営業が再開されてからの4年間で、同国の投資額や映画鑑賞件数や興行収入は爆発的に増加し、西アジア屈指の映画市場としての地位を確立した。

市場調査会社ベンチャーズ・オンサイトのデータによると、中東・北アフリカ地域全体の興行収入は、2019年から2024年にかけて複合年率4%増の10億ドルに達すると予想されている一方、世界的には2.4%減少するという。

この地域が伸びている要因は、数十年にわたって禁止されてきた映画館の営業が2018年4月に再開されたことを受けて、相当な規模の新市場が生まれたことである。サウジアラビアは、王国は、市場規模、利用者1人あたりの収益、成長率において、近隣諸国を大きく引き離している。

サウジアラビアにおける収益は、2024年までに年間成長率27.68%で市場規模が1億ドルに達し、利用者1人あたりの平均収益は50.04ドルになると予想されている。

これは、すでに映画産業が確立されているアラブ首長国連邦と比較しても遜色ない。アラブ首長国連邦では、収益の年間成長率は7.68%と低く、2024年までに市場規模は3700万ドル、利用者1人あたりの平均収益は34.56ドルになると予測されている。

湾岸地域以外では、市場の成長ははるかに小さいと予測されている。エジプトにおける収益は、年間成長率が13.56%、2024年までに市場規模が1200万ドル、利用者1人あたりの平均収益が6.89ドルになると予測されている。

一方、危機的状況にあるレバノンでは、年間成長率が7.58%、2024年までに市場規模が400万ドル、利用者1人あたりの平均収益が12.21ドルになると予測されている。

映画館の営業禁止措置の解除が初めて発表されたのは、2017年にムハンマド・ビン・サルマン皇太子によって、全般的な生活の質の向上と石油依存からの経済の多様化を目的としたビジョン2030(Vision 2030)改革課題の一環としてであった。

収益だけを見ても、政策転換は大成功だったといえる。映画館が正式に再開して以来、チケットの売上は3080万枚を超えたと、サウジ通信社が4月18日に報じた。

バラエティ誌の最近のレポートによると、2021年だけでも映画業界の興行収入は2億3800万ドルに達し、前年の1億2200万ドルから95%増加した。これはアラブ首長国連邦における2021年の1億3000万ドルを大きく上回っている。

サウジアラビアは今後数年間で10億ドル規模の映画市場になると考えるアナリストもいる。プロフェッショナルサービスネットワークであるPwCは、サウジアラビアの映画産業が2030年には9億5千万ドル規模になると推定している。

入場料以外の収入(広告や食品や飲料などの販売権)は通常、全体収入の35パーセントを占める。それらを考慮すると、この部門は2030年に15億ドルを生み出す可能性がある。

一方、サウジアラビアの映画館の規制と運営のために設立された統治機関のひとつである視聴覚メディア一般委員会は、2030年までにサウジアラビアに2,600件の映画スクリーンが導入され、約12億ドルの産業となると推定している。

サウジアラビアの首都にあるリヤドパークモールの映画館が2018年4月30日に一般公開された後、そこにやって来たサウジアラビアの男性たち。(AFPファイル写真)

2020年2月に設立された文化省傘下のサウジアラビア政府機関である映画協会によると、映画産業はすでに4,439人の若いサウジアラビア人の雇用を創出しており、サウジアラビアのビジョン2030改革課題を達成している。

バラエティ誌は2020年11月のレポートで、METAシネマフォーラムの出展者会議で発表された数字を引用し、次のように確認した。サウジアラビアは、過去40週間で劇場映画のチケット売上が7300万ドル以上を記録し、アラブ首長国連邦を抜いて地域トップの売上高となったが、これは2019年の同時期と比較して、興行収入がおよそ200万ドル増加したことを意味する。

アラブ首長国連邦は2020年の同時期に約5100万ドルの興行収入を上げており、これは2019年の興行収入のおよそ4分の1にあたるとバラエティ誌は述べている。

バラエティ誌が引用したところによると、中東の著名な映画館VOXシネマのCEOであるキャメロン・ミッチェル氏は、「サウジアラビアは2020年に世界で唯一拡大した映画館市場だと考えています」と語った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、サウジアラビアの映画館は3月から6月中旬まで閉鎖されたにもかかわらず、である。

サウジアラビアの若者たちが映画館のチケット販売を牽引しており、2030年の入場者数は6千万~7千万人になると予想されている。(AFP)

ミッチェル氏によると、中東の映画館市場は2019年に6億ドル規模に達し、そのうちサウジアラビアは1億1千万ドル、アラブ首長国連邦はおよそ2億5千万ドルを占めた。 

サウジアラビアがわずか4年間で興行的に著しい成功を収めたのは、同国がシネコン(複合映画館)という形で巨額の投資を行ったことに起因している。

ビジョン2030の下で、王国は国内外の投資家を呼び込み、娯楽への家計支出を2.9%から6%に増加させ、娯楽サービスで300億サウジアラビアリヤル(19億ドル)相当の市場を開発することを目指している。

2018年4月、映画館の営業再開と同時に、サウジアラビアの開発投資エンターテインメント会社がリヤドのキング・アブドゥラー金融街に最初の映画館をオープンした。

以来、映画協会によると、20都市で56館、518スクリーンが認可された。その間、38ヶ国から22言語で1,144本の映画が上映され、そのうち22本はサウジアラビア映画である。

米マーケティング分析会社であるコムスコアのデータを引用したバラエティ誌の最新レポートによると、サウジアラビアのマルチスクリーン映画館の数は、2021年初頭の33館から2021年12月には53館に増えた。新たに20館増えたことになる。

サウジアラビアの人口は2030年までに3,950万人になると予測されており、アナリストはサウジアラビアが最大2,600件のスクリーンを導入する可能性があると考えている。

サウジアラビアの市場がどれだけ急速に発展するかにもよるが、2030年には6千万から7千万人の入場者を生み出す可能性がある。

サウジアラビア資本のムヴィシネマが最も多くのローカル映画館を運営しており、次いでドバイに拠点を置くVOXシネマ、世界最大の映画館運営会社である米国の劇場チェーンAMC、レバノンのエンパイアシネマ、メキシコ資本のシネポリスが続く。

VOXはパンデミック以前、サウジアラビアに5億3300万ドルを投資し、IMAXと提携したシネコン4館以上を含む600件のスクリーンをオープンして、5年間で3千人の新規雇用を生み出す計画を立てていた。

シネポリスとアル・テイラーグループはアル・ホカイアグループと提携し、アイピック・エンターテインメントはBASグローバル・インベストメンツ・カンパニーと今後10年間で25~30ヶ所を開発する機会を探っている。

一方、インドのPVRリミテッドはアラブ首長国連邦のアル・フテイムグループと他の選択肢を模索しており、CJ 4DPLEXはシネマシティと契約を結んだ。

クウェート・ナショナル・シネマ・カンパニーと、ドバイを拠点とする配給会社フロント・ロー・フィルム・エンターテインメントは、子会社のシネスケープを通じて12件のシネコンを開発する予定であり、アル・ラシド・エンパイア・シネマ共同事業体はサウジアラビアの市場への参入許可を得た。

サウジアラビアの成功の理由はインフラと投資だけではない。観客を理解し、どのような映画を上映すればよいかを知ることも不可欠である。

サウジアラビアの総人口の約3分の1は国外居住者であり、そのうちの300万人はインド人で、リヤドとメッカに集中しているのである。

ハリウッドと地域映画とボリウッドと地元のコンテンツをミックスして映画ファンに提供する戦略は、観客を映画館に呼び込む確実な方法であると、市場アナリストは述べている。

このような幅広い嗜好と関心に応えるため、サウジアラビアの映画館では2021年だけで約340本の新長編映画が公開された。2020年には222本だったのである。

もちろん、サウジアラビア政府関係者が今後数年間に望むのは、国産映画が興行ランキングの上位に食い込むことである。

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